記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【アビゲイル】を三幕構成で読み解く

#ネタバレ

結末まで語るので、本編を未見の方にはブラウザバックを推奨します。

登場人物
ジョーイ(メリッサ・バレラ):主人公。シングルマザー。元衛生兵。
フランク(ダン・スティーブンス):元警察官の男。
サミー(キャスリン・ニュートン):ハッカーの女。
リックルズ(ウィル・キャトレット):元狙撃兵の男。
ピーター(ケビン・デュランド):用心棒の男。
ディーン(アンガス・クラウド):運転手の男。
ランバート(ジャンカルロ・エスポジート):誘拐グループの雇い主。
アビゲイル(アリーシャ・ウィアー):誘拐される少女。その正体は…


まずは、物語を三幕8場構成に分解します。

一幕

1)6人組が少女を誘拐する。少女を監禁して身代金の支払いを待つ。少女の面倒は元衛生兵のジョーイが見る。しかし手違いで少女に顔を見られたフランクが、少女の父親が裏社会のボスだと聞き出す。少女の父親を知って6人は動揺するが、計画を最後まで実行することで合意する。

2)地下室でディーンが殺される。5人で少女を問い詰めると、少女はバンパイアの正体を現す。5人は少女を部屋に閉じ込めるも、屋敷と外界をつなぐ全ての扉と窓もロックされて全員が閉じ込められる。

二幕

3)リックルズが殺される。フランクとサミーとピーラーは、屋敷から十字架とニンニクを探して、武装して少女に挑むが全く効果がなく、逃げ帰ってくる。

4)ジョーイの提案で少女を薬で眠らせて、檻に監禁する。

5)目を覚ました少女(実際にはもう何百年も生きているから精神年齢はずっと高いマダムのように喋る)が、最初から6人に自分を誘拐させて餌にする計画だったと説明する。フランクが洗脳されかけてまた檻から逃げられるが、太陽光はバンパイアに有効だと判明する。

6)先ほど少女に噛まれたサミーがバンパイアに覚醒してピーターを殺す。ジョーイとフランクはサミーを太陽光に当てて木っ端微塵に爆発させる。

三幕

7)生き残った2人はランバートの隠し部屋を見つける。フランクはランバートの計画に乗ってバンパイアになるが、すぐに寝返ってランバートを殺す。ジョーイは少女と協力してフランクを倒す。

8)少女の父が現れてジョーイを殺そうとするが、少女の願いでジョーイはあっさり解放される。建物を出る時ジョーイは呆れて「なんだよクソが」とぼやく。

FIN

2024年製作/109分/R15+/アメリカ
原題または英題:Abigail
配給:東宝東和
劇場公開日:2024年9月13日

▼解説・感想:

一幕
 一場:状況説明
 二場:目的の設定
二幕
 三場:一番低い障害
 四場:二番目に低い障害
 五場:状況の再整備
 六場:一番高い障害
三幕
 七場:真のクライマックス
 八場:すべての結末

参考:ハリウッド式三幕八場構成

1-1:6人組が少女を誘拐して監禁する。
1-2:少女がバンパイアで、逆に6人が閉じ込められる。
2-3:少女とのバトルその1
2-4:少女とのバトルその2
2-5:最初から6人を狙った罠だったと明かされる。
2-6:少女とのバトルその3
3-7:更に殺し合って、ジョーイと少女だけが生き残る。
3-8:少女の父親が現れて、ジョーイは解放される。

もしも誘拐した少女がバンパイアだったら、という異色の犯罪者グループのサバイバル映画でした。Twitterで絶賛の声が目立つので観ましたが、大正解でした。

吸血鬼の物語ですが、妙に明るいノリもあって、ピータージャクソンの名作『ブレインデッド』のような痛快さと鑑賞後感がありました。

用心棒のピーターの顔がやけにイーロンマスクに似てて面白かったです。ヘアメイクで似せてると思うんですよねー、あれ。それで顔にチンコの落書き
とかしてますからね。(笑)

「美女と野獣」のダン・スティーブンス、「ザ・スイッチ」のキャスリン・ニュートン、「イン・ザ・ハイツ」のメリッサ・バレラが誘拐犯役で出演するほか、テレビドラマ「ブレイキング・バッド」のジャンカルロ・エスポジートが指示役ランバート、「マチルダ・ザ・ミュージカル」のアリーシャ・ウィアーが吸血鬼の少女アビゲイルを演じた。監督は2022年版「スクリーム」のマット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット。

映画COMより引用。

キャスリン・ニュートンって日本なら『アントマン3』か『名探偵ピカチュウ』の印象の方が強いんじゃないですかね?

(了)

いいなと思ったら応援しよう!

まいるず
最後まで読んでいただきありがとうございます。ぜひ「読んだよ」の一言がわりにでもスキを押していってくださると嬉しいです!

この記事が参加している募集