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【レッド・ワン】あらすじ・感想(三幕構成で読み解く)

#ネタバレ

結末まで語るので、本編を未見の方にはブラウザバックを推奨します。

登場人物
カル(ドウェイン・ジョンソン):サンタのアシスタント兼ボディガード。
ジャック(クリス・エヴァンス):世界で最も優秀なハッカー。
ニック(J・K・シモンズ):聖ニコラウス。通称サンタクロース。
ゾーイ(ルーシー・リウ):神話保護局の責任者。


まずは、物語を三幕8場構成に分解します。

一幕

1)父親がおらず幼少期からサンタを信じない悪ガキだったジャックは世界的なハッカーである。しかし彼自身も結婚もせず生まれた息子とは良好な関係を築けないでいた。一方でカルは人間社会の憎悪を見るのに疲れて今年限りで退職する意向を固めていた。

2)北極のドームシティでサンタが誘拐される。カルは貨物車を追い詰めたが、それは囮で飛行機が飛び立つのを虚しく見送る。ゾーイはドームの位置を特定したジャックを拉致して、サンタ捜索を手伝わせることにする。

二幕

3)カルとジャックは、ジャックが北極のドームの位置情報を売った男を探してハワイに行く。そこで魔女グリラの仕業だと情報を掴む。グリラが派遣した雪男との戦いになるが二人は勝利する。

4)カルとジャックは、グリラの元恋人でサンタの弟である魔人クランプスに会いにロンドンへ行く。しかしクランプスは潔白だった。大乱闘の末に二人はクランプスの屋敷から脱出する。

5)グリラは悪い子リストに名前が乗った全員を閉じ込める魔法のスノードームを量産するためにサンタを誘拐していた。手始めにジャックと息子のディランがスノードームに閉じ込められる。しかし状況に反省してジャックが改心したことでスノードームが壊れて、ジャックとディランが北極に居ることが判る。

6)カルは北極に戻って、ジャックとクランプスと協力してグリラを足止めして、最後は目を覚ましたサンタの魔法でグリラを撃退する。

三幕

7)サンタが無事にプレゼントを届ける。

8)ジャックの内面に少年を見て、カルが自信を取り戻す。

FIN

2024年製作/123分/G/アメリカ
原題または英題:Red One
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2024年11月8日

▼解説・感想:

●構成

一幕
 一場:状況説明
 二場:目的の設定
二幕
 三場:一番低い障害
 四場:二番目に低い障害
 五場:状況の再整備
 六場:一番高い障害
三幕
 七場:真のクライマックス
 八場:すべての結末

参考:ハリウッド式三幕八場構成

1-1:心が荒んでいるジャックとカル
1-2:サンタの誘拐と、ジャックの拉致
2-3:南国の戦い
2-4:魔人の宴会
2-5:魔女の計画判明と、ジャックの改心
2-6:魔女の撃退
3-7:サンタのお仕事
3-8:カルの魂が救われる

●感想

大傑作。子供が楽しめるシンプルなエンタメ映画としてはもちろん、大人の教養で深読みしても味がしそうなスルメ映画らしさもある。魔法と物理のミックス加減が絶妙で、筋肉ムキムキのサンタ設定も教育に良い。もっと観客動員数が伸びて欲しい!

もちろん内容も素晴らしかったのだけど、それ以上に、作品全体を通じて「子供達の夢を守るぜ」と頑張る大人達(キャストもクルーも含めた全チーム)の情熱がビシビシ伝わってきて、何回か涙してしまった。良い映画だったな〜。

ジャックを演じるクリス・エヴァンスが玩具を実体化できると知って、欲しがるのがワンダーウーマンというのは面白い。キャプテン・アメリカを演じた俳優だからこそ、余計にね。(笑)

予告編から想像もできなかった要素として、カルが仕事に疲れて精神を病んでしまっているのと、サンタの弟が悪魔だというのが面白かった。メタルヘルスはとても現代的なテーマだし、悪魔描写は宗教的タブーである。

特にサンタクロースこと聖ニコラウスの弟が悪魔という設定が素晴らしい。聖人と悪魔は表裏一体。これはキリスト教圏では宗派によっては一種のタブー描写なんじゃないかな?それがロッテントマトの低評価に加担してる気がする。…まあ、ただの勘なので、外れてるかもしれんけど。

(了)

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まいるず
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