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【インターステラー】の思い出
本作はまさに私が映画好きに返り咲いた時に観た作品の一つ。
クリストファーノーランが私を再び映画沼に引き戻してくれた。
もちろん感謝しているし、ある意味では「迷惑」でもある。(笑)
私も初見時はこのシーンで涙した。理由はノスタルジー。子供の頃に父親が運転するランクルで長時間かけて田舎までスキーに行ったことを思い出して。別に私は車でコーン畑を突っ切った経験は無いのに不思議だったわ。見知らぬ土地を走る感覚が似ていたのか、何か心の琴線に触れるものがあるんだろうな。 https://t.co/50J5CfmaSg
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) November 27, 2024
▼それまで:
大学生になって一人暮らしを始めたのは、私にとって《自宅にWOWOWが無い生活》の始まりでもあった。
私は小学生から大の映画好きで、自宅鑑賞がメインだった。観る機会が減ると、好きな気持ちも消えていく。周囲の友人はあまり映画に興味が無かった。私は当時TwitterもやってないほどSNSにノータッチの人だったので情報もほとんど入ってこない。就職して通勤に電車を利用するようになると、サイネージ広告で知らない映画の予告を見かける程度だった。
しかし2000年代の後半くらいからインターネット回線の速度アップに伴い映像のストリーミングサービスが隆盛してきた。大学の研究室でiMacを使っていたので就職後は自宅でも購入したら、デフォルトブラウザのSafariでデフォルトホームページに指定されていたAppleのサイトで大量の映画予告を観るようになった。やがてiTunesで映画を毎週100円のサービス作品をレンタルするようになり、気になる新作があった時はたまに映画館へ行くようにもなった。2009年4月に『ウォッチメン』を上野東急へ観に行くことが出来たのもAppleのお陰だ。
2014年7月に『GODZILLA ゴジラ』が公開されたのも大きかった。幼少期の『ゴジラVSビオランテ』が劇場初体験という原体験を持つ私には、ギャレゴジの硬派な作風はとても好みで、人生で初めて複数回劇場に足を運んだ(*ただし『2001年宇宙の旅』のリバイバル上映を数年ぶりに観たのを除く)。東京在住なので、有楽町マリオンの東宝日劇にも観に行った。IMAX3Dよりもドルビーアトモス3Dよりも、当時日本一位を誇った座席数944の巨大な日劇のスクリーン1で観る2Dのゴジラが一番素晴らしかった。この経験を通じて私は、あらためて映画館の楽しさを知った。
その直後に、私は『インターステラー』の予告を観た。
▼無知:
実は私は映画『インターステラー』のことをほとんど知らないで映画館に行った。
その時点で『ダークナイト』はまだ観てなかったと思う。会社の同僚に推薦されて『インセプション』だけ配信でレンタルして視聴済みだったかな。だからクリストファーノーランがIMAX狂いということもよく知らなかったし、『インターステラー』を観るべき最高の環境はどの劇場かなんてこともあまり考えなかった。当時はTOHOシネマズ日本橋のATMOS音響がお気に入りだったから、そこで観た気がする。少なくとも日本橋なのは確実だ、レイトショーで観て、帰りにJR神田駅まで歩きながら夜空を見上げて余韻に浸ったのはよく記憶してる。
あらすじも全く知らないで映画館に行った。
それは海外版の予告だったので、日本版のようなわかりやすい説明は無かった。
まるでイメージカットのように、次々と場面が映る。
これではどんな映画なのかよく判らない。
水の惑星も、氷の惑星も、予告には無かったと思う。
だからこそ感動も大きかった。
確かに予告は一度だけ観たはずなのだが、農場のシーンの印象が強くて、こんなに宇宙旅行がメインの作品だとは予想してなかった。でも宇宙服を着てコクピットのような場所に座っているマシュー・マコノヒーの顔は覚えてて、なんとなく『2001年宇宙の旅』のHALと対峙するボーマン船長の顔を連想したりはしていた。だから一度だけ予告を観た時点で、これはいっそ中身を何も知らない状態で臨もうと決めていた(たしか)。
そしたら、まさに『2001年宇宙の旅』の現代版リメイクのような作品で驚いた。
特にパイプオルガンを使った音楽なんか、劇場で「これわざとやってるだろ」と内心笑いながら観たものだ。
私は当時「これまでの人類の歴史で最高に完成された映画」は『2001年宇宙の旅』だと思っていたから(今でも)、この偶然の出会いにはとても感動した。
特にたった一回だけ見かけた予告編でこの結末を直感し、そのまま情報をシャットアウトして映画館に賭けた、私の選球眼もなかなかの物だなと悦に浸ったのを覚えている。まあInterstellarの日本語訳は「星間飛行者」だから、なんとなく語感で察していた可能性は高いけどね。私はその単語は知らなかったけど、interが交流でstellaが星だから、なんとなく「星を行き来する系かな」と察するというか。
あまりにも情報をシャットアウトしていたので、日本公開日(2014年11月22日)も知らなかった。なんか映画館でも行くか、と思ってTOHOシネマズのWebサイトを見て、あ、これってあの時に気になったヤツじゃん、と気づいて即決で映画館に行って、帰りの電車の中でスマホで調べて、そこで初めてその日が公開週だと知ったくらいだった。(つまり11月22日土曜日か23日日曜日か24日月曜日振替祝日のいずれかだったハズだ🎌)
そこから徐々に知識を増やして、すぐにIMAXの劇場で2回目のインターステラーを観覧したし、どんどんエスカレートして、9年後にはノーランの日本未公開作品をIMAX70mmで観るためにメルボルンへ飛ぶほどまでになったが、あの2014年の無知ゆえの純粋な感動も素晴らしいものだったと現在でも思う。
(了)
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