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「宇宙葬」ビジネスへの挑戦と失敗(2)

 昨年12月、宇宙葬ビジネス開始のための出資を募るクラウドファンディングがFUNDINNO(ファンディーノ)でスタートしました。資金を調達しようとしていたのは、株式会社SPACE NTK(2020年2月7日現在名称)で目標額は800万でした。

 ファンディーノは、一般的な商品購入型のクラウドファンディングとは異なる、株式投資型のクラウドファンディングです。投資者は、商品やサービスなどではなく、見返りとして出資先企業の株式を取得できます。そういう特殊性もあり、ファンディーノで扱った案件数は2019年12月時点までで110件しかありませんが、累計成約件数は80件なので成約確率は70%以上。累計成約額も27億9216万円ということなので、出資平均は約2240万もあり、非常に高いポテンシャルを持っています。
 そのような市場でSPACE NTK社のプロジェクトがどのように受けとめられるか、大変興味を持っていました。

 そのSPACE NTK社ですが、実はこの資金調達時の会社名は現在と違いました。
 募集時の社名は「株式会社SPACE MEMORIAL」。この「SPACE MEMORIAL(スペースメモリアル)」は、宇宙葬業界では現在最多の実績を持つ「株式会社 銀河ステージ」のサービス名及び登録商標と全く同じものです。非常に紛らわしいのですが、SPACE NTK社(当時SPACE MEMORIAL社)が提供していた宇宙葬はSPACE BURIALとの名称を使っています。ちなみに同社の設立時の名称は「株式会社ASTRAX MEMORIAL」で、「SPACE MEMORIAL」に変更したのは募集開始の4ヶ月前のことでした。
 SPACE NTK社が、他社サービスの「SPACE MEMORIAL」を社名に使ったのにどのような意図があったかは分かりませんが、プロモーションとしては大変有効的でした。ニュースでも、「宇宙葬SPACE BURIALが」ではなく「SPACE MEMORIALが」資金調達と報じたことも一役買いました。その結果、当時あまり存在も知られていなかった同社のサイトが宇宙葬関連の検索結果に一気に上ることになります。

 開示期間が終わり、12月22日からの募集スタート直後の応募額は680万円でした。翌日には700万になり、目標額の800万まであと100万まで迫ります。
 しかし伸びたのはこれ限りでした。24日いっぱいで締め切られ、最終額はピークより減らして660万。減った事情は不明ですが、申込みの取り消しがあったのかもしれません。同社はこれまでまだ一度も宇宙葬の成功実績がないことが影響した可能性は想像に難くありません。

 可能性を見せてくれた同社ですが、その後はまた社名を変更して現在の「SPACE NTK」となって次なる事業を模索しているようです。今後、宇宙葬ビジネスは更に広がりを見せる可能性があるので、引き続き国内各社の動きには注目していきたいと思います。

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