映画『トゥルーマン・ショー』で学ぶ英語セリフ解説
『トゥルーマン・ショー』(The Truman Show, 1998)のセリフをピックアップして、英語の意味やニュアンスを解説します。
1. "Good morning! And in case I don’t see ya, good afternoon, good evening, and good night!"
➡ 「おはよう! それと、もし会えなかったら、こんにちは、こんばんは、おやすみ!」
解説
in case I don’t see ya
in case ~ は「〜の場合に備えて」。
「もし今日このあと会えなかったら」という意味。
good afternoon, good evening, and good night
一日の挨拶をすべてまとめて言っている。
皮肉っぽくもあり、「すべてをカバーする挨拶」としてユーモアがある。
→ トゥルーマン(ジム・キャリー)が毎朝近所の人に言う決まり文句。
→ 彼が「偽りの世界」に生きていることを暗示するセリフでもある。
2. "We accept the reality of the world with which we are presented. It’s as simple as that."
➡ 「私たちは与えられた世界を現実として受け入れる。それだけのことだ。」
解説
We accept the reality of the world
accept は「受け入れる」。
「世界の現実をそのまま受け入れる」という意味。
with which we are presented
「私たちに提示された(与えられた)世界」という意味。
受動態 (be presented with ~) を使って、「人々は自分で選んでいるのではなく、与えられた現実を受け入れているだけ」と示唆している。
It’s as simple as that.
「それだけのこと」→ まるで当たり前のように言っているが、実は深い意味がある。
→ これは番組のプロデューサー、クリストフ(エド・ハリス)のセリフ。
→ 「人は与えられた環境を疑わずに生きている」という映画のテーマを象徴している。
3. "You were real. That’s what made you so good to watch."
➡ 「君は本物だった。それが、君の番組が面白かった理由さ。」
解説
You were real.
real は「本物の」「偽物ではない」という意味。
トゥルーマンだけが「偽りの世界の中で唯一リアルな存在だった」と強調している。
That’s what made you so good to watch.
That’s what ~ は「それこそが〜の理由だ」という表現。
「君がリアルだったからこそ、番組は面白かった」という意味。
→ クリストフが最後にトゥルーマンに伝える言葉。
→ 皮肉でもあり、トゥルーマンの人生が「視聴者にとっての娯楽」だったことを表している。
4. "Was nothing real?"
➡ 「何も本物じゃなかったのか?」
解説
Was nothing real?
nothing を主語にして「何も本物じゃなかったの?」と疑問を投げかけている。
ここでは「自分の人生すべてが偽物だったのか?」という絶望感が込められている。
→ トゥルーマンが真実を知り始めたときのセリフ。
→ 「現実とは何か?」という哲学的な問いを投げかける象徴的な言葉。
5. "In case I don’t see ya… Good afternoon, good evening, and good night!"
➡ 「もし会えなかったら、こんにちは、こんばんは、おやすみ!」
解説
最初の挨拶と同じフレーズだけど、ラストシーンではまったく違う意味を持つ。
今度は「偽りの世界から去る前の別れの挨拶」として使われている。
皮肉もありつつ、「ついに自分の人生を自分で選ぶ」という決意が込められている。
→ これがトゥルーマンの最後の言葉になり、映画の締めくくりとなる。