心があるかどうか〈100字エッセイ〉
「心があるかどうか」
仕事をするうえで、どんなことを大事にしたい? という話題での玉井さんのことば※。たとえ自分発祥でなかったとしても。ともに働く人たちに向けて、気持ちを送れるかどうかは自分次第なのだ。(100文字)
玉井さんの釣りについて野反湖へ。やさしい眼差しが変わる。自然の中へ入ることの緊張感をともなう目。湖に膝まで浸かって釣りをしていると、別の釣師がやってきた。距離感をはかっている。いつもよりもっとずっと。(100文字)
ひとり野反湖の遊歩道を歩く。熊鈴の音が遠くまで爽やかに響くほど、心細い。熊に会ったらどうするか? もっと話し合っておくべきだった。わたしとあちらの境界線がどんどんゆがんでいく。1キロほどで引き返す。(99文字)
「ここで働いているのは、動物みたいな人が少なくない。目が合うまでに時間がかかることもある」
浅間山の麓で生きるという宿命を理解した人たちが集まってくる会社だ。なるほど、わたしの中の動物性はなんだろう?(99文字)
帰宅後、後回しにしていた衣替えにとりかかる。折れてしまったハンガー。テントのポールを修理した話を思い出し、割り箸をあてて固定した。より強いハンガーになった気がする。扇風機もしまわれて、冬支度が完了。(99文字)
――浅間北麓を起点にキャンプ場運営などの循環事業を展開する「きたもっく」による、滞在型制作プロジェクト「アトリエキャビン」に参加して――