100字日記〈石見と萩編〉
浜田へ。何度も通うこのエリアをさらに旅して仕事をしたい、と考える。翌朝、駅前の喫茶店「日東紅茶ティーパーラー」の前で立ち止まる。次の汽車まで25分。店内では、おじいさんと青年の孫が鉄道の話をしている。(100文字)
山陰本線に乗って浜田から益田へ向かう。天気良好。車内には旅行者の姿も。車窓から日本海が見える度に立ち上がっていたのは、隣の作業着姿のおじちゃん。着席すれば足をぶらぶら。この汽車は、子ども心を呼びだす。(100文字)
益田の台湾料理「明珠」で腹ごしらえ、「Shimane Cinema Onozawa」でスラムダンクを鑑賞(3度目)。無音のシーンで支配人がエアコンを切る心づかい。図書館で本を読み、キヌヤ(※)で惣菜を買う。(100文字)
※キヌヤ……石見・萩エリアなどに地域密着で展開するスーパー。筆者はここのファン。
萩の友人と温泉に行っておしゃべり。「地元なのに旅してるみたい」と彼女。朝6時、チャイムを浴びながらとろとろする。図書館で仕事をする。たっぷりクリームの大判焼きにかぶりつく。旅人だけど住んでるみたい。(99文字)
萩石見空港。10日間の旅もおしまい。仕事の網につかまえられて慌てていたわたしは、もういない。飛行機の窓から目をやると、整備士の方々が手をふっている。なんだろ、いつもより後ろ髪を引かれる。またすぐ、ね。(100文字)
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