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ことばの小さな枠を超えて
「うぉおおおおおおお〜〜〜〜、やっちまった〜〜〜〜!!!」
昨夜の自宅でのわたくしである。
「ああ、なんて馬鹿なことを。わかっていたでしょうよ、もう!」
自分に怒ったり
「どうしたらいいんだ……」
途方に暮れたりしていた。
そういえば昨日の晩ごはんは、作ろうと決めていた餃子の焼き時間が短く、生焼けってほどではないのだが、火の入りが足りていない気がして、時間を惜しんで電子レンジで再加熱。ラップも蓋もしなかったものだから、中の具に火は通ったが、皮が乾いてカピカピになった……。
うまくいかないことは重なる。こういうときは、さっさと風呂に入って寝ればよかったんだ。
ああ、時間よ戻れ……。
というのも、母とやっているポッドキャスト番組「うんたったラジオ」の配信アプリにログインできなくなってしまったのだ。
とある事情で、別のアカウントで配信アプリに入ることになった。そこで一度ログアウトし、別のアカウントに入ればいい。だが、一度ログアウトすると「うんたったラジオ」のパスワードも登録のメールアドレスもわからない状況になった。
……ピンチ!
こういうことは、よくあるのか。アプリの「よくある質問」でアカウント関連の項目を読んでみる。
……ずっと思っていたんだけど「よくある質問」を読んで解決する人ってどのくらいいるんだろう?
これまでログイントラブル、解決した試しがない。
不安な気持ちで、調べる(途中、気持ちを落ち着かせるために妹にLINE。「どんまい」と言ってもらう)。
調べていくと、直接やりとりができるようだ。Spotifyという配信サービスへチャットをするという。しかも英語で。
チャットもどうせ向こうがAIなんだろう。……チャットを使って幸せになったことないぞ!
時刻はそろそろ23時をまわろうという頃。このままパソコンにしがみついていても、いいことはないということはわかってきた。
よし、最後に翻訳アプリを駆使して、チャットにメッセージを打ち込んで今日は終わりしよう。そんで、お風呂入ろう。
こんにちは。
日本で「うんたったラジオ」というポッドキャスト番組を配信している者です。母と楽しくおしゃべりしています。
▼untatta_radio https://open.spotify.com/show/59ZOIe4r9tIc3nccw6BP97
別のポッドキャスト アカウントを作成しようとしたときに、この番組からログアウトされました。 パスワードとメールアドレスが分からず、再度ログインできませんでした。 何とか再度ログインしたいと思います。アカウント名でログインしようとして、パスワードをクリアした可能性もあります。
仮パスワードを発行してもらえますか?
なにとぞよろしくお願いします。
山本梓
何が問題か、具体的にどうしてほしいのかを書いた……はず。文章を翻訳し、問い合わせチャットに書き込み、お風呂に入った。どうせ返事こないしな。
お風呂から上がり、いい香りのするクリームをなぐさめるように体に塗った。すこし気分は回復した。明日なんとかなるかな〜。母はきっと、笑って許してくれるだろう。別に誰に怒られるわけじゃない。
パソコンを閉じようと、画面を開く。
……返事が来ていた。
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Jhansさんが、わたしの困りごとを理解し、「心配ない。必ず解決してみせます!」と言っている(翻訳によりわかった)。このところ最も効いたWorry not,じゃなかろうか。
Jhansの読み方が分からず、ヨハンスさん? ヨハンさん? ジョンさん? となっていたが。
結局、アイフォンのAppleのアカウントで登録していたから、メールアドレスもパスワードも登録していなかったことがわかり、顔認証でなんなくログインができた。
顔を見ぬ、名前も読めぬ Jhansさんにときめきを感じた深夜0時。復旧しました! ありがとうございます!
問題解決とともに、Jhansさんは去っていくであろう。ならば、つながっている間に御礼が言いたい。
理解しました。Jhansさん、本当に助かりました。ほっとしました。
なんだかいろいろあるけど、世界はつながっているんだなと思いました。
誠実な素晴らしいお仕事をありがとうございました。
佳き日々をお過ごしください。
これで、切れてしまうかしら。Jhansさん……。
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アンケートに答えてくれって言ってるのね。わかりました! Jhansさんの評価がぐぐっと上がるように協力しましょう!
最後にkeep safeって、昨日は気づかなかったのだけど、もしかして能登半島地震のことを言っている……? お見舞いもいただいたのか。
そうして、Jhansさんは去っていった(AIにバトンタッチ)。わたしは御礼文を書いた。
日本から翻訳アプリを駆使して、不安な気持ちで質問をしました。こういったチャットのやりとりでいい思いをしたことがありませんでしたので、質問を投げてすぐにお風呂に入ってしまいました。お風呂から出ると、Jhansさんからすぐにお返事が来ていました。
「心配ありません、必ず解決します」という言葉に、とても救われました。そして、言葉通りすぐに解決してくれました。その他の質問にも誠実に答えていただきました。
この体験をわたしはきっとポッドキャストで話すと思います。ジョンさん、本当にありがとうございました。
ログインできない事件を通じて
Jhansさんを「ジョンさん」と呼ぶことにしたこと
Spotifyは対応してくれたこと(わたしにとっては神対応)
翻訳アプリの精度がすごいこと
ログイントラブルはわりと近場に落とし穴があること
家にいても冒険はできること
新しいポッドキャスト番組をはじめること(来週ご紹介します!)
「こんなことって、あるんだね」という、一夜のお話でございました。