100字日記〈北海道・白老編〉
友人との旅行はいつぶりだろうか。栃木から集合した友人たちにレンタカーに乗せてもらい窓の外を眺める。6月の白老(しらおい)の海は気分屋。ころころとその表情を変える。ロードサイドの看板がやけに爪痕を残しにかかる。(100文字)
アイヌ文化を体感できる施設「ウポポイ」へ。伝統的集落で行われる口承を見学。文字を持たないアイヌの人々が、子にアイヌ語を伝えないという決断があった過去を知る。ことばを死の淵から蘇らせた口承が目の前に。(99文字)
事前に準備するのが苦手。旅のパッキングを当日に大慌てでするなんてざらだ。一方、山歩きを常とする友人の準備といったら。白老の情報もたくさん持っている。世界のあちこちを歩いてきた人の旅の仕草をせめて観察。(100文字)
いつもひとのごはんを気づかう人と出会う。彼女の住まいにお世話になる。集合住宅の3階。創意工夫とオリジナルがつまった深夜のキッチン。卵を焼くごま油の香ばしいかおりが広がる。「明日みんなで食べようね」。(99文字)
ウポポイで買ったムックリ(口琴)を練習する。部屋にひとり、怠けそうなときに触る。まだ口の中の変化がつかめない。アンティークショップ36号線で見つけた壺を塩入れに。ほらね、やっぱり。北海道はぴったりだ!(100文字)
※旅と音楽をたずさえるシンガーソングライター・樽木栄一郎さんと旅についておしゃべりする機会をいただきました。
6月24日(土)14:00〜(OPEN13:00〜)
「樽木栄一郎ソロライブと
山本梓×樽木栄一郎の座談会」
場所:音鳴文庫(島根県鹿足郡吉賀町白谷)
申し込み:InstagramのDMにて @otonari_bunko
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