【キッチンカーアーティスト】初出動は突然に 試作編
吾輩は前回、突然に無茶振りによって自作したキッチンカーでの初出動が決まってしまった、キッチンカーアーティストのジャマである。
キッチンカーの前には長蛇の列。そして唐揚げがうまく揚げられずキッチンカーアーティストに怒号が浴びせられる。
バサッと布団から跳ね起きた。どうやら悪夢にうなされていたようだ。キッチンカーの初出動は明後日だが、なんとも縁起の悪い夢を見てしまった。不安を解消するため、昨日準備した内容を反芻して、準備に問題がないことを確かめる。
いや、問題がある。。。
一回もキッチンカーの中でチキン南パンを作っていない。。。
このままでは出動当日に悪夢と同じことが起こってしまう。あと残り1日、時間を有効に使ってキッチンカーの中で本番を想定した試作をしなければ。
朝起きてから、まずはチキン南パンの材料をスーパーで購入。
・唐揚げ用鶏肉
・たまご
・玉ねぎ
・食パン
この辺を買い込んだ。食パンよりもコッペパンやフランスパンが良かったのだが、街のスーパーにはいいのがなく、泣く泣く食パンを購入。
本番では店舗にパン、唐揚げ、タルタルソースを取りに行くため仕込みは必要ない。そのため、今回は鋸南エアルポルトのキッチンで仕込みを行い、仕入れた体でキッチンカーに持ち込む。
車内でチキン南蛮を揚げられるように、フライヤーやバットを用意する。
準備ができたら仕込んだ唐揚げをフライヤーであげる。
かなり美味そうだ。
それにしても唐揚げが揚がるまで時間がかかる。6分ぐらい待たなくはいけない。
今回仮想客としてエアルポルトにいる3名に手伝ってもらった。なかなかこのお客が曲者で、1分ごとに
「チキン南パンまだですか〜」
と聞いてきやがる。
揚がらないんだよ。唐揚げが。
しかし、実際の出動でも起こりうる事態なだけに冷静に対処しなくてはならない。
「あと1分ほどお待ち下さい。」
言ってしまった。
あと1分じゃ全然できないのだが、相手を安心させるためにテキトーな納期を言ってしまった。
プログラマー時代にもよく同じことをしていたが、炎上必死のその場逃れの行為である。プログラマーの時は直せていないバグもあるのに、確認お願いしますと言って提出。相手が動作確認している間に死ぬほど修正して、
「提出するバージョン間違えてました」
とか言って再提出して生き延びてきたこと数知れず。
しかし、今回は揚がるのを待つだけなので何の打開策もない。
「すみません、あと1分ほどお待ち下さい。」
が虚しくコダマするだけであった。
そんな空虚な時間を乗り越え遂に完成!!
なんとか車内でチキン南パン(試作)を作り終えることができた。
お客さんには味が薄いだとか、パンがパサパサしてるだとか、散々な言われようだったが、本番ではプロが作った材料を使うので全く問題ない。
さあ、悪夢も拭い去り明日こそ念願の初出動だ。