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【珈琲夢中 -コーヒートリップ-】STAN COFFEE AND BAKE(スタンコーヒーアンドベイク)

暑い。
そりゃそうだ。
7月なんだ。
前後は梅雨真っ盛り。今日だけ真夏日。

天気がいいから遠出したくなる。
しかし、コーヒーを飲むために、しかもアイスコーヒーを飲むために、わざわざ家から1時間半の距離まで遠征するのか?

「我ながら酔狂だな」と、ナルシスト気味な自分も悪くないと思い込む。

28歳までコーヒーをブラックで飲めなかったお子ちゃまな自分が、
「今日はエチオピアがいいかな。」なんて小粋なセリフを吐く。
自分から発した言葉とは思えない。

しかし”リトルしょうたろう”は、何の苦もなくすらすらと注文を済ます。

28歳までの”しょうたろう”の方が幻であったかのように。

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イーストTOKYOから用賀へ。
移動は電車。

渋谷までの道中で、尻(ケツ)のライフは残り3割を切った。
仕事柄、座ることに慣れていると思っていたのはどうやら脳だけのようで、体は正直に反応する。
10分毎に足の組み替えをしているのが証拠だ。

分かっていてもやめられない。
体にいいことなんて一つもない。

移動中に何かしらのインプットをしようと計画していても、脳の半分以上が脚の組み替えに注意を持ってかれてしまう。

電車の中で仕事をしている人たちに問いたい。

「その手の動きって本当?」

この人たちこそ、真のワーカホリックなんだと思う。

人間観察は最強の暇潰しのツールなんじゃないか。
表参道までの一本道が短いと錯覚させてくれる。

この時だけは脚の組み替えも忘れさせてくれる。
後の嫌な痺れを、ひととき忘れさせてくれる。

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フリーランスになってからは、朝の電車に乗ることが無くなった。

打ち合わせは必ず午後。
朝ごはんは必ず10時に食べたい。
流行りのプチ断食を実践している僕は、このルーティーンでお腹が空くようになっている。

ルーティーンを重視するようになったのも、フリーランスになって変わったことの一つだ。

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無意識だと早歩きになる。
それは炎天下で悪癖となる。

夏は黒いTシャツを着る機会が減る。
下に一枚挟んだところで、体の塩分の主張は止められない。

ある情報筋によると、
体の塩分放出は不摂生の証だという。

しまった。
知らず知らずに自らの怠惰な生活を晒していたとは。

アパレル会社の皆さん。
どうか黒の塩分を抑えるTシャツを販売してください。
どうかグレーの滲まないTシャツを販売してください。

世の男性がこぞって大量購入するでしょう。
狙い目です。
決して僕の恥部を隠したいからという理由で言及しているわけではありません。

決して。
世のため、です。

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歩くこと肌感で10分。
正式な情報は、知らない。
知ったら汗が止まらなくなりそうだから。

開放的なファサード。
すでにベンチに見える人影。

「あ、入れない」

最悪の状況を想定する。

店に一歩一歩近づく毎に、悪夢が蘇る。

ん?

悪夢は見てなかったな。
一筆で書くとこういうことが起きる。
しかし、そこが一筆書きの面白さなり。

不安は的中したけど、しなかった。

見た感じ満席。
されど、店主がテキパキとカウンターを空けてくれた。
大量のプリンの山々を雑に押し除け、
大きな扇風機の前という特等席。

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『プリンはバズる。』

今やカフェ業界の常識だ。
いや、多分古い常識なんだと思う。

しかしお客さんのほとんどがプリンを頼む。

プリンって利益率高いのか?

少し硬めのプリンにたっぷりのカラメル。
プッチンプリンとは全く違うジャンル。
生クリームが少し苦手な僕としては、この生クリームの量がありがたい。

ここまでプリンを褒めたところで、
僕のおすすめを紹介したい。

「プリンじゃないんかい!!」

というツッコミは甘んじて受け入れる。

___だって全部美味しいんだもん。

バナナケーキ、スコーン、プリン。
その中でも最強なのはキャロットケーキだ。

キャロットケーキのリピート率は半端じゃない。

今過去の写真を遡って見てみても、
キャロットケーキは4回登場した。

この一年でその倍は訪れているのだがね。

夏に向けて、おすすめドリンクはやはり水出しのアイスコーヒー。

ではなく、アイスアメリカーノ。

アイスコーヒーとは違った苦味と爽やかさ。
ゴクゴクどころかガバガバ飲める。

スタンのアイスアメリカーノはとにかく美味い。
何が美味いって、
とにかく美味いのだよ。

スタンのアイスアメリカーノで、
本当のアイスアメリカーノの美味しさを知ったと言っても過言ではない。

いやこれ本当。

そしてもう一品、推したいドリンクがある。
その名は、エスプレッソトニック。

エストニを知らない方。
まず言いたいことは、他店でエストニという略称で頼んでも通じない場合があるので、必ず”エスプレッソトニック”と発音しよう。

用賀駅からの絶妙な距離によって乾いた喉が欲するのは、炭酸。
苦味と甘味とシュワシュワ。
エストニを飲んだことが無い人にとって、それは未知との遭遇。

おそらく、一杯目の感想は、

「なんじゃこりゃ?(お口に合いませんわ)」

二杯目の感想は、

「なんだこれ!(美味いがな)」

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そんなスタンコーヒーアンドベイクも、8月13日で一周年。
アイスアメリカーノとキャロットケーキ。
ぜひご賞味あれ。






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