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腐れ縁(台湾縦断実況note#0)

くそ、またか。
また、あいつと会うことになるのか…。

そいつは毎度毎度、急な連絡をよこしてくる。こっちは望んでもいないのに、旅先で合流する、と。
そして言うのだ。「今回もよろしくな」と。

はじまり

7月25日(リアルタイムで読んでくれている人にとっては明日)から一週間弱、台湾へ行くことになった。
台北から台南まで、鉄道で縦断しようというのが今回の旅の骨子である。

もとはといえば、友人と27日から台南へ行く予定だった。
だが、一度台湾を縦断したいという欲が出てくると抑えられない。
私だけ少し早くに入ることにした。

ところが、である。
欲を出すものには罰が与えられる。
大きな葛篭を選んだ者ははずれくじを引く。
24日夜、フィリピン界沖で発生した台風が台湾に上陸することになった。
ここ三ヶ月間発生しなかった台風が、である。

“あいつ”との思い出

実を言うと台風と旅先で出会うのは、今回が初めてではない。
思えば、何の因果か、初めて台湾に行った時が旅先での台風との出会いだった。
2016年の9月、中秋節。
忘れもしない、あの時は一週間の滞在中、大型の台風が二匹もやってきた。

それからも腐れ縁は続く。
一昨年は、鈍行で大阪を回って金沢へ行く、という大旅行を企画した途端、台風の奴から連絡が来た。
昨年はマカオへ行こうとした矢先、死に体の台風がやってきた。奴さんは熱帯低気圧にランクダウンしてからもしぶとくて、マカオに大雨、お隣の香港を冠水させた。

そんな、台風との腐れ縁に囚われている私だが、不思議と未だに大事に至ったことはない。
昔台湾で出会った台風は、私が滞在していた台北をかすめて台湾南部を移動していった。
一昨年は、滞在中の近畿での被害は大したことがなかった。
昨年はかなりひどかったが、少なくともマカオでは完遂しなかったし、無事に日本に戻ることはできた。

もちろん、だからと言って何の安全の保証もない。
今回がついに運の尽きということは大いにありうる。だからこそ、あえて旅の前日に記事を書いている。
先のことはわからない。侮るわけにはいかない。


先ほど航空会社からは出発時間を繰り下げるというアナウンスがあった。
今夜上陸で、明日の夜にはまだマシになるという目算だろうか。

はてさてどうしたものか。
ひとまずは明日空港まで行くしかないだろう。
これでさらに遅延なら遅延で構わない。
翌日振替ならそれはそれでいい。
欲を出し過ぎた罰というものだ。

明日は明日の風が吹く。
あまり強風でないことを祈ろう。

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