納豆が食べたい。
納豆が大好きだった。
子供の時から納豆とご飯が有れば満足だったし、大人になってからも貧乏な時は納豆ご飯が友達だった。
今でも好きだ。
食べられるものなら食べたいし、特に中粒以上のもっちりした歯応えが堪らない。あまりかき混ぜないで食べるくらいが丁度良い。
ところが、突然納豆の臭いがダメになってしまった。
原因はいつからか家の中に漂い始めた納豆菌の異臭。
食事の際落ちた納豆が原因で起きた異臭騒動もあったが、これは犯人が発見されてことなきを得た。ところがここ一、二ヶ月の異臭は収まる気配がない。
台所周りが原因と考え、住む前から有った冷蔵庫の前の床の正体不明の汚れなど、ありとあらゆる場所を調べても異臭が収まらない。台所用品一つ一つ手に取って匂いを嗅いでもそれらしい臭さはないのに、少し離れて全体を嗅ぐとどうしても納豆臭い。
シンクや排水口が原因でもない。
気づいていなかっただけで元々臭っていたのか、自分がダメになったのか。それすらも分からず頭を抱える日々。
最近では家人が食べ終えた納豆のゴミを片付けることや、使った茶碗のヌルヌルすら嫌悪の対象となってきた。
家人には「納豆食べるのやめようか?」と言われたが、私だって本当は納豆が食べたいし納豆が嫌いになってしまった自分が辛いのだ。
納豆自体が悪いんじゃない。
何故か漂う納豆臭が悪いんだ。
と、ここまで書いたところで心当たりが無いわけでもない。
私の持病は嗅覚過敏を引き起こすことが多々有り、有機溶剤や腐臭に対してとことん弱い。吐き気や目眩をひきおこしてしまう。
納豆も日本人以外にとっては異臭物そのものであるし、キビヤックよりはマシな程度だと考えれば今まで平気だったこと自体が奇跡なのかもしれない。とでも考えないと納豆が苦手になってしまった自分が悲しくなる。
今でも食することは問題ないのだろうけど、食べ終えた後の始末や部屋に残る異臭に苛つく位なら食べない方が身のためだ。
それにしても私は哀しい。
納豆にキムチ(北日本フード限定)を混ぜて丼ごはんに乗せて、がっつりと食べる喜びを得ることはもう出来ないのか。
嗚呼、納豆が食べたい。
このキムチ混ぜるとホント美味しいの。
豚キムチにもオススメよ。