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アメリカで車を買う(体験談)

前回でリサーチに関するポイントを紹介してからかなり間が空いてしまいましたが、実際に車(中古車)を買った時の経験を共有したいと思います。

何はともあれリサーチ

車を買うというのはかなりの時間を労力を必要とするので、実際に中古車屋さんに行く前に、できるだけ具体的に的を絞っておいて無駄を減らしましょう。
自分の好みはもちろんの事、特にここはゆずれないというポイントや、もし同等条件の車が複数あった場合に重視するポイントも考えておくとかなり楽になると思います。

私の場合はこんな感じで探し始めました。

  • 自分の好み … 「SUV」「信頼と実績のあるブランド」

  • ゆずれないポイント …「予算$25000」「5年落ち以内」「走行距離50,000miles以下」「無事故車」

  • 同等条件の場合の判断ポイント … 「ワンオーナー」「リセールバリュー」「オーディオ」

という条件を設定してCarfaxなどで車を探しました。
また、当然ながら中古車ディーラーが余りに遠いと何度も通えないし大変なので、自宅から30分程度でいける距離のディーラーに絞りました。

幸い私の家の近くにはオートモールと呼ばれる、大通りの両側に沢山のカーディーラーが並ぶ場所があったので、そのエリアでおおよそこの辺りの車に絞り込む事ができました。

  • Nissan Rogue

  • Subaru Forester

  • Acura RDX

  • Mercedes Benz GLA

必ず試乗しよう

特に中古車の場合は必ず試乗(Test Drive)をしないと程度が分からないので、何日かに分けてこれらのディーラーでアポイントを取りました(オンラインで取れるお店や、電話連絡が必要なところもあります)。
なお、今回は全てメーカーの直営店で探すことにしました。別に中古車専門のお店でも構わないのですが、欲しい車種がある程度決まっている場合はメーカーの方が安心感があるのかな?と思った程度です。

アポイントの日時に中古車ディーラーに行くと、早速担当の営業マンが出てきてくれました。
お店にもよるのですが、予算や好みをここである程度伝えておくと、リストにある車以外でも探してきてくれる場合もあるので、要求はなるべくしっかり伝えるようにしましょう(曖昧にしていると断りにくくなります)。

ディーラーにもよりますが、通常は試乗の時に免許証のコピーを取られたり、誓約書(事故が起きた際の対応)にサインをするケースが多いです。お店によっては営業マンが横に座る場合もありますし、キーだけ渡されて適当に走ってみて~と言われる場合もあります。(この辺ルーズ)

試乗の際に気を付けるポイントは日本と変わらないので、自分の好みにあうかどうかはしっかり見極めましょう。複数の車を比較検討するので、「ここがいい」「ここはダメ」という点をできるだけはっきりさせておく事をお勧めします。

当然ながら試乗が終わると当然「どうだった?」と聞いてきますので、もしNGであればこの時点でキッパリ断るようにしましょう。やはりここはアメリカ、曖昧な言葉の裏なんて読んでもらえる訳はないですし、逆にはっきりした方が向こうもやりやすいのです。
もし曖昧に「いいねぇ… Maybe?」なんか言っているとラチがあかないですし、中途半端回答をしておくと、後日営業からの電話攻めに会います(汗)。

試乗の結果

Nissan Rogueは「視座も高くて運転しやすいし、高品質なオーディオやサンルーフもついていて素晴らしいけど、予算オーバーだし($28000ぐらいでした)、色(シャンパンゴールド)もあまり好きじゃない。」と伝えました。
そうすると、営業マンが在庫を調べてくれたのですが、残念ながら$25000以下のRougeはいま在庫がなく、Kicksという小型SUVなら予算内の新車があるから見てみないか?と言われてみてみました。
結局そちらは大きさやグレード感が違ったのでお礼を伝えつつも、キッパリお断りしました。ちなみにここは一人で試乗させてもらえました。

Subaruの場合はネットに出ていたForesterがWildernessというゴリゴリのクロカンだったので、試乗はしたものの好みとは違っていたので、他の車を紹介してほしいとお願いしたところ、OutbackのTouringという車種も試乗させてくれました。こちらは最上級グレードという事もあって内装もよくオーディオなども充実していましたが、新車しかないという事で予算オーバー。
ここは営業マンが隣に座っての試乗となり、Subaruとしてのセールスポイント(車の角度が分かるゲージや、急坂でもしっかり停止できる機能など)を教えてくれたので好感が持てました。

Acuraは結構ゆるくて、その辺適当に走っていいよ~という対応だったので、一人でRDXを試乗しました。
個人的にはこの車が気に入ったので試乗後に見積をお願いしました。別のセールスマネージャーが見積を持ってきてくれ、ここでは一括現金で購入するかファイナンス(ローン)を組むことができると教えてくれました。
ローンは新車だと割と利子が低めですが、中古車ローンだと8%ぐらいするのかと思いきや、3%程度の利子だったのでかなり頑張っているなと感じました。後から分かったのですが、どうやららAcuraはホンダUSAが独自に提供するローンがあって、それが使えるようです。そういったローンがない場合はCredit Unionなどの金融機関からの借り入れになります。
ファイナンスも可能との事で、営業マンも「決めちゃいなよ!」みたいな雰囲気で圧を強めてきたのですが、やはり大きな買い物なので一旦持ち帰る事にしました。
ちなみにメンテナンスパッケージの費用を概算でも良いので事前に教えて欲しいと頼みましたが、ここまで来ても「それは売買契約締結後にFinanceの方から説明があるのもので、それまでは無理だし意味がない」と取り合ってくれませんでした…

補足:クレジットヒストリーとクレジットスコア

もしオートローンを組むとなるとクレジットヒストリーがとても重要になってきます。日本でも信用情報の照会がありますが、アメリカではそれがクレジットスコアとして数値化(300-850)されており、そのスコアによってローンの可否判定や利率が変わります。
これはSSN (Social Security Number)に紐づいて管理されているので、アメリカで生活する上では避けて通れません。普段からクレジットカードや家賃、携帯電話やケーブルTVなどの支払いに遅れがないように気を付けましょう。(参考リンク)
ちなみに家や車を購入する前に「We'll run your credit, okay?」などと聞かれると、それはこのクレジットスコアの照会をしますよという意味で、その照会履歴もヒストリーに残ります。
詳しい仕組みは分からないのですが、あまり頻繁にクレジットヒストリーの照会をしていると金融機関からネガティブに取られる恐れがあるそうなので、むやみやたらに照会はしない方が良いと言われています。

最終決断

Acuraの印象は良かったしお取り置きは基本的にNGなので、とても後ろ髪を引かれる思いでしたが、やはり最初にリストアップした所はちゃんとまわろうと思って最後にMercedes Benzを訪れました。
予算的に無理だろうと思っていたのですが、GLAは流通量が多いせいもあってか意外に$25,000でも候補が出てきました。
しかしながら、ディーラーに行って予約していた営業マンに希望を伝えたところ、「GLC(もう一つ上の車種)はどうだ?同じぐらいの値段でちょうどいいのが2台入ってきたよ」との事。
まさか~!と思いながら実物を見せてもらうと、確かにブラックとネイビーのGLC300が2台あるではないですか!
どちらも2019年モデルなので年数の条件的にはギリギリでしたが、走行距離も許容範囲内だったので試乗してみる事にしました。(ここは営業マンも同乗する試乗でした)

結果的にGLCに決めました。Acuraも良かったのですが、最終的にはリセールバリューとオーディオが優れていたのが決定打になりました。
また、その営業マンは15年以上と経験豊富で、ほどよい距離感を持ってこまめに連絡してくれたこともポイントでした。
ここでもローンを組むことができましたが、Acura(ホンダ)のような自社ファイナンスはなかったので2社のCredit Unionからの見積を取り寄せてもらい、少しましな6.89%の方にしました。
営業マンいわく、少額でも良いのでローンを組んでおいて数ヶ月に完済すればクレジットスコアがアップするとの事です。はたしてどの程度効果があるのかは分かりませんが、もしクレジットヒストリーを作りたい人や改善したい人には良い方法なのかも知れません。

まとめ

結局6台ほどを試乗して決めましたが、結果にはとても満足しています。
今回買った車には何か所がスクラッチ傷があったのですが、後日ディーラーの方で無償でレタッチ(部分補修)してくれるとの事でした。
あと、買った翌日に車を見たらフロントのタイヤがスリップサインが出る寸前だった事に気が付いたので連絡したところ、これも無償で交換してくれました。(元々メカニックから指示があったのが連絡ミスで伝わっていなかったという説明を受けました。本当かどうかは分かりませんが…)

アメリカで車を買うというのは日本より緊張感がある(その場で決めないと他に売ってしまうし、コミッションで仕事をしている営業マンの圧も強い)ので、できるだけ自分の基準をはっきりさせておく事が大切だと感じました。
また、予算的には車両本体価格以外に税金やメンテナンスパッケージなどもかかるので、それらを含めた予算の検討が必要になります。
オートーローンを組めば現金に余裕ができますが、結局かなり高い利息を払う事になるので、それを考えると現金で一括購入するのが王道なのかも知れません。

また、Financeとの契約の際にはものすごい数の項目に目を通してサインする(iPadを使う電子サイン)必要がありましたので、時間には十分に余裕を持って契約される事をお勧めします。
特に最近は車の安全装備が増えているので、それをきちんと理解せずに起きた事故は自己責任になるという点がかなり多かった気がします。
一字一句読み込んでいくとキリがないので、ある程度割り切って流していくか、キーポイントだけ担当者に聞いて説明してもらうと良いと思います。

何かの参考になれば幸いです。






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