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すべてのひとには心とからだがある

昨年11月に、アレクサンダーテクニークの先生、グレグの教師養成コースのクラスに参加するためにシドニーに行った時のことをワクワクしながら書いたブログです。クラスの前にふさふさしたグレーヘアを持つ、痩身でメガネをかけた先生のグレグに久しぶりに出会いました。あ!とっさにこの人は精神世界が広い、シンキングの活発なエンジェルっぽい人だなと思った。

私は21年前にアレクサンダーテクニークを教える資格を取ったのですが、アレクサンダーワークを受けるのは10年ぶりだったし、ずっとほとんど教えてません。この時から半年たちました。今、少しずつアレクサンダーワークを近所の人たちに教えはじめてきています。思いきってグレグに会いにいってよかった〜

その朝は、カフェでおいしいカフェラテを飲んだ後にスタジオに早い目に到着しました。まだ他の生徒さんは到着していない・・・グレグから「今日は何を学びたいですか」と聞かれた時、この人に対しては自分の思いを出し切った方がいいだろう」という気がして一番自分にとってチャレンジな目標を言ってしまいました。

「ちょっと大変かもしれないけれど、ティーチングについて勉強したい。自分は、手を使って教えるハンズオンワークとひとの協調作用の観察と、言葉による説明を一致させるのが難しいので、それが一致できるように練習していきたい」

ひえ〜

言ってから内心青くなりました。

今回はしばらくぶりのアレクサンダーなので、ちょっと遊びに来たつもりじゃなかったっけ?

それからグレグ流クラスがはじまって、なんだかよくわからないまま、「人に観察されても僕は平気」という生徒さんの身体の使い方を分析する時間になりました。

積極的な生徒さんがさっと前方に出て行って、この生徒さんの頭と脊椎のことや骨盤の位置とか足のことをグレグと共にディスカッションし出しました。

すると途端に、体に関するメカニカルな説明に対して苦手意識があるのと同時に、初めて会ったばかりの人たちを観察することに対して構えてしまって、クラスにはついていけなくなる。

ぼう然としていると、ワークを受けている生徒さんに「あなたは私の使い方について何を見ましたか」と聞かれたのですが、答えられなくて、もじもじしました。恥ずかし〜

そこで、今日の一番大切な目標はとにかくクラスに参加してバカになったつもりで楽しむことだったはずだと自分に話しかけました。

そんなふうにしているうちに、ワークが終わってから「あ〜なるほど彼は自分のかかとの方にもたれかかるように立ってたのか」という認知がようやく追いついてきました。

15分間の休憩の後は、ハンズオンの練習をしました。グレグは私の両手を取り、頭が脊椎の上でバランスをとるようにしながら私の両手を押してくださいと頼まれました。「押して」言われると思わず頭を脊椎に向かって押し下げてしまうことをグレグに指摘され「ありゃ〜」

やっぱワークは久しぶりやから

ところがグレッグの指摘に刺激されたのか、それ以降は、頭と脊椎の関係性が改善されていったようでした。パートナーの生徒さんから「あなたの手のおかげで私の協調作用が整えられ、自然に歩けます」というフィードバックをもらいました。そして「あなたは教えられるはずだからレッスンした方がいい」とまで言ってもらえて、なんだか励まされた。

グレグは身体レベルの動きに働きかける先生ですが、徹底して生徒さんの心理的なレベルを観察することにコミットしていたところが印象的でした。

クラスの中でグレグに心理的な癖を指摘され続けた生徒さん(もう少しで資格取得寸前の方)がクラスの最後の方にクイックワークしてくださいと手を上げました。彼女のリクエストは「ハンマーで地面に向かって何かを打ち込むアクティビティがしたいのですが、今回は機能面のみにワークしてください」というものでした。

するとグレグは「何を言っているの?全ては心理的なものだよ」とすかさず切り返し、アクティビティについて説明する彼女の言葉遣いに注目しながら、彼女の心理面を、体の協調作用との関係で遠慮なく分析していきました。

そのグレグの度胸に感心しました。

クラスの後、グレグとお昼ご飯を食べたあとの帰りぎわにグレッグがこんなことを言いました
「すべての人には心と体がある」

グレグのワークはまさにこの真実に対する理解をもとに展開していたようでした。そしてこのグレグの理解は、今の私のアレクサンダーに対する理解に共通している感じがした。

刺激的で楽しい一日でした。

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