ASSASIN'S CREED SHADOWSについて思うところがあるので書いてみる。英語圏の主張も含めて中立的に
はじめに
どうもUBISOFTから2024年11月12日に発売予定であるASSASIN'S CREED SHADOWSが絶賛大炎上中らしい。調べてみたら中々面白そうであったので7現時点(7/16)で判明している事実を列挙しつつ、議題になっている争点をまとめ、私の考えをてきとーに吐露したいと思う。ちなみにACシリーズをプレイしたことはない。
炎上しているわけ
とりあえずこのゲームを簡単に紹介。
日本人の女忍びとアフリカ人の侍(以後、弥助)のダブル主人公によって紡がれる戦国時代末期を舞台にしたゲームらしい。
くのいち!? 黒人侍!? まぁポリコレ臭はぷんぷんするが、斬新な主人公設定、戦国時代末期、乱世において名立たる名将たちと異色な二人がどう関わっていくのか。実に興味を引くコンセプトではないだろうか。
しかし、下記の部分でとんでもない論争になっているようだ。
どうもこの黒人侍が史実に基づいたものであるとUBISOFTは主張しており、それが歴史改変にあたるのではないかと多くの批判を受けているようだ。
事実を明確に
弥助に関する記述を調べてみた。自分は歴史学者ではないので、100%これが正しいとは言えないが、ネットに有識者が色々と考察しているのでそれをまとめてみようと思う。
おそらく論点は非常にシンプルだ。「弥助は侍であったかどうか?」である。
Wikipediaを参照しながら文献として正当性が高いものを取り上げる。
ここで記載されている事実をまとめると以下の通りである。
弥助に関する記述はとても少ない。
弥助はポルトガル宣教師のもとにいた黒奴(黒人奴隷)であった。
信長はこの黒人に大いに関心を示し、交渉して譲ってもらった。
信長は弥助に私宅と鞘巻(腰刀の一種)を与え、弥助は時には道具持ちをしていた。
信長の死後、信忠(信長の息子)の家で明智と戦い降伏した。
明智は弥助は動物で日本人ではないといった理由で殺さなかった。
ここで上に挙げたもの全てはどの意見でも一致して受け入れられていたということを述べておきたい。(自分調べ)
英語話者による主張の一つ
英語版掲示板Redditで最も評価を集めていた。「弥助は侍であった。」というParallelPain氏による主張の根拠を紹介する。
https://www.reddit.com/r/AskHistorians/comments/1css0ye/comment/l4bghbu/
彼の主張は英語によるものがほとんどであるが、日本語文献を直接参照しており、日本語も非常に堪能であることが分かる。(日本語での主張も行っておりおそらく日本人?)また、日本の歴史にも非常に明るい。(私よりもよっぽど)
彼の主張はシンプルな論理に基づいており明解である。
論理1:扶持を受け取ったものは家臣であり、武士である。
論理2:武具を持ち、織田家のために戦ったから武士である。
以上2つの論理は簡単にまとめたものであるが、その他細かい要因からも武士と見なすべきと主張している。詳しくはParallelPain氏<-リンクから彼の発言をDeeplなりを活用して見てほしい。
私の意見も…一応ね…
別に歴史家じゃないし、歴史に明るいわけじゃないけどNoteだし、人の発言とかまとめただけじゃ、あれだし…。ゲームを愛するものとして一言述べさせてほしい。
大多数の人がこの話題に嫌悪感を示す理由をうまく言語化できるかな?
無理やり黒人の主人公を擁立してまるでその時代、ここでいう戦国時代で数ある名将と同等の存在のように扱われること。後の時代に織田信長、豊臣秀吉、弥助って彼らのような名将と同列に扱われることが一日本人としてなんか許せないんだよね、って心理があるんじゃないかな。
少なくとも弥助は当時の大多数よりは優れた存在であったことは間違いない。歴史書に一部であれ記述が残るくらいだし。ただ、当時の日本を代表する様々な侍と同列のような存在として世界に見なされることは一日本人としてなんか納得いかないというか。うーん過大評価ってやつ?。織田信長はそんな軽い存在じゃないんだぞっていう…分かるかなぁ。UBISOFTが弥助の物語を事実というと世界の子供たちが弥助のことを過大評価しちゃうんじゃないかな?
確かに弥助という黒人の武士といってもいい存在がいたのは確かだけどね。でも日本で活躍したかのように描かれるのは事実ではないよね。そこをはっきりさせないと日本人が怒るのも分かるよねって話。弥助における事実は黒人の珍しさ故、信長に気に入られ、武士といってもいい存在にはなったが目ぼしい活躍なくして歴史の波に消えていった人物、っていう評価が正しいと思うよ。UBISOFTはしっかりあくまで史実に基づくっていうのは弥助という黒人の侍と言ってもいい人物設定のみを用いたという点を明確にする必要があるね。
一日本人が望むこのゲームのあるべき姿
弥助という黒人の主人公に目を付けた部分はすごくいいと思う。別にそこを否定する気はないし、奴隷としてやって来たただの黒人が言葉も違う異色の地で信長という男に気に入られ、家臣になるっていう数奇な運命はとてもドラマ性があるし魅力的なストーリーにできると思う。例えば、信長の家臣として真の侍へと成長していくストーリーとかどうだろう。刀による所作は勿論、精神性も含めて周りから認められる侍へ至る成長ストーリー。最後は燃え盛る本能寺、信長の下跪き、共に炎中に沈むシーンで終わるのとかどうだろう。まあ自分の好みでしかないけどそれこそ正に侍ってやつだよね。もしかして実際そんなストーリーになってたりしてw
あと、細かい描写をしっかりしてほしい。PVはほんとにひどい。神社と寺が混合されてること、鳥居を騎乗したままくぐる、甲冑きたまま街中を歩く、主人公の女忍びの動作が日本人っぽくない、田植えの違和感、街中の人々の挙動、武具のおかしさ、その他多数。あんな短い3分半程度におかしな点を感じない場所がなかった。日本人が一人も開発に携わってないことが明らか。日本人以外をターゲットにしてるだろうから文句言い様ないけどね。日本もアニメとかゲームで他文化同じように辱めてるのありそうだし。
やっぱり主君に命を懸けて使えるその精神性こそ憧れる侍なんだよねえ。
SEKIRO2待ってます。