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怖いものが一切ダメでもOuterWildsのDLCは大丈夫だった話

※前半はネタバレ無し、後半は作品のテーマについて触れます。ちゃんと記事内で前後半に分けるので、気になる方は後半はプレイ後に読んでください。



私はこういうのを書くくらいホラーやびっくり演出が苦手です。驚かされたり怖い思いをさせられるのは基本的に不愉快だと思うからです。

つまりゲームの始めにこういうのが出てくると警戒してしまうわけです。

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もうこれが出てきた時点であんまりプレイしたくない。それでも覚悟を決めて◯ボタンを押したのは、ゲーム本編があまりにも面白かったからです。面白いもんが出てくることを信頼してるからこそゲームを始めることができました。

OuterWildsが必要だっていうなら全部受け止めてやる。やんなきゃ良かったなんて思うはずがない。俺は”過度の緊張を強いられるような演出”なんかに負けはしない!!!!!!!







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というわけでゲームの中身はネタバレになるので結果だけ言いますが、緩和設定にチェックを入れれば大丈夫でした。

大丈夫とは言っても結構ビビったシーンはあるし、怖いことには怖いです。ゲーム中は全体的に周りが暗く、何か出てきそうな雰囲気が付きまとってきます。正直なとこ緩和設定が無かったらプレイできてなかったかも。

それでもクリア後は感動と清々しさでいっぱいでした。なんで驚かされたり、怖い思いをしたのにこんなに晴れやかな気持ちなんだろうとここ1週間ほど考えて、自分が過去に書いた記事を読み返して気づきました。

OuterWildsの恐怖演出にはプレイヤーを驚かしてやろう、怖がらせてやろうという意思を感じないから

全く感じないというのは嘘かもしれません、少しはある。でもそれがメインでは無く、この体験から感じ取ってもらいたいものがあることがゲームを通して伝わるから不愉快ではなかったんだなと。

「これやったら見た人びっくりするやろうな」みたいなオタクのニチャつきが浮かんでしまいますし、ホラーびっくり系を勧めてくるオタクもみんなニチャついてると思ってしまいます。どんなにその作品が面白いんだとしても「こいつがビビってるとこ見てえ~~~」という思いが欠片も無いと言えるんか?(反語)という気持ちになってしまう

過去記事より

こういうのが一切無かったから、これほどスッキリとした気持ちでプレイを終えられたのだと思います。もちろん緩和設定込みで、ですけれど。

だからホラーやびっくりが苦手で、OuterWildsは面白かったけどDLCは…と足踏みしてる方にはぜひプレイしてもらいたい。もしプレイ後に不快な気分になっていたら、このnoteをTwitterに晒して炎上させてくれても良い。そしてバズらせてください。

※ここから先が後半。ゲームテーマに触れます。個人的にはネタバレしないよう考慮して書きますが、このゲームが伝えたかったことの考察を書きますので、既にプレイする気があって情報を入れたくない人は読まないでください。怖いらしいからプレイしようか悩んでるって方には読んで頂きたいです。

















怖い思いをさせたいわけじゃないのにこんな演出を用意したのは何故か。それはプレイヤーに恐怖とは何か今一度考えて欲しいからです。

恐怖とは、恐れとは何でしょうか?

OuterWilds本編でも宇宙という圧倒的なスケール、エネルギーに対して恐れを抱くようなギミックがいくつかありました。宇宙での姿勢制御は難しいし、すぐに死ぬし、何回も食べられるし…。それでもゲーム本編でそこまで怖い思いをしなかった、恐怖感が薄かったのは、登場人物がみんな好奇心極振りのイカれ野郎だったからです。

主人公を含むHerrthian、そして滅んでいったNomai達、彼らはみんな知的好奇心を満たすために平気で自分たちの命を天秤に乗せるような頭ぶっとびトンデモ種族なのです。あんな木で出来た宇宙船で、自動操縦で太陽に突っ込むようなシステムで宇宙に出て…正気とはとても思えませんね。Nomaiはもっとイカれてました。すごいね。

そんなイカれた仲間たちとの冒険はワクワクドキドキで、プレイする私達も恐怖心を忘れてあれこれ色んなことを試したと思います。何度もループするというゲームシステム上、あらゆる死に方を試して、何度もトライアンドエラーを重ねて知識を積み上げてきました。

でも実際は?現実では?

普通は異世界転生でもしない限り命は1つです。死んだら終わり。そんな中で宇宙に出て、知らない惑星を探検して…怖くないですか?

OuterWildsは未知との遭遇を描くゲームでした。未知を知ることは楽しい。知識を得るために行動し、あれこれ考察する楽しさを示してくれました。でもそれが可能なのは…


死んでもやり直せる特異な現象に巻き込まれた主人公だから
死ぬかもしれなくても知的好奇心を止められないイカれた種族だったから

死んでも自分が死ぬわけではないゲームだから

そうやってゲーム本編で感覚が麻痺してしまったプレイヤーに、このDLCでは今一度問いたいわけです。

恐怖とはなんですか?

暗闇で物音がしたり、何かに追いかけられたり…そういうのは怖いですよね。苦手な方は緩和設定をオンにすれば、ちょっとビビるくらいでギリギリ耐えられると思います。追いかけられたりするのは怖いですけど、それにもしっかり回答が用意されています。



暗闇、音、遭遇…そういった恐怖の根源を深く探ったときに見つかるもの


それは "未知" です。


知らないから怖い。
分からないから怖い…


思い出してみてください。


宇宙には何がある?
ブラックホールに入るとどうなる?
このループは何故起こっている?

それを知ったとき、あなたはどんな気持ちでしたか?




暗闇の先には何が?
この足音は誰が?
自分の身に何が起きている?






その恐怖を…

その未知を、あなたはこれから知ることができる。

そして、

未知を知れる楽しさを、あなたはもう "知って" いる。


どうでしょうか。DLCをプレイするのが怖いですか?

まずは知るところから始めてみませんか?


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