近所フィールドワーク
220102
埼玉県八潮市の葛西用水、大原公園を見る
調査地1:葛西用水
江戸時代から生活用水として整備され、かつては、泳いで遊べるほど綺麗な小川だったと親から聞いたことがある。
上流部は、桜並木やせせらぎなどの名残があり、ドラマの撮影などでも使われる。
しかし下流は鋼矢板で堰き止められ、親水空間というよりもザリガニ釣りができる程度の"昔からただそこにある場所"だった。
その後、管理者が用水組合から行政に移管され、近年、遊歩道がある親水空間として再整備された。
その姿は、韓国の清渓川の再生とまではいかないまでも、私にとってはただそこにあるだけの場所だった用水路が、歩きたくなる水辺空間になっていて驚いた。
遊歩道、植栽、ベンチ、生態系
用水路内は護岸整備も行い、幅員約2mの遊歩道には植栽とベンチが設けられていて、花や鳥や魚などの生態系も少しずつ育まれていた。
用水路と隣接する公園と遊歩道
公園と隣接した場所では、車道を挟むものの、公園⇆(車道)⇆遊歩道⇆用水路が連続的になっており、公園で遊ぶ子どもが場所を変えて、用水路を眺めながら休んでいた。
また、子ども連れの親子が遊歩道を目の届く公園のように使っている姿もあった。
調査地2:大原公園(都市公園)
大原公園は、八潮市役所とつくばエクスプレス八潮駅のちょうど中間点に位置する都市公園。
園名板があるため市のホームページでも北側がメインゲートとして紹介されているが、市民にとっては桜並木と緑道がある南側エントランスのほうがメインゲートとして認知されている気がする。
ここの公園内には、珍しく標高数十メートルの山があるだけでなく、スポーツセンター、野球場、テニスコート、相撲場(土俵)が隣接しており、駐車場も数台ある。
桜並木が美しく、春には屋台が並び、花見や夜桜を楽しむ姿が印象的だ。
久しぶりに訪れると、南側エントランスの時計台下の植栽帯と、山裾の様子が変わっていた。
そこで地元のおやじの会メンバーであり、元市職員である実父の解説のもとで見学した。
時計台下の植栽帯には、菜の花を始めとした草木が植えられていた。
「ここは、土壌作りからやり直してる。
脇の芝生の一画に、山から集めてきた落ち葉を利用して腐葉土を作り、花壇に利用している」
山裾には、擬木と山で拾った枝をバランス良く活用した堰が設けられ、昔から課題になっていた山から遊歩道へ土の流れ出しを防いでいた。
斜面の流れ出しを防ぐだけでなく、土壌改善と合わせて、様々な草木が育てられていた。
「あれは菜の花、こっちは紫陽花…」
その他にもたくさんの花木の名前があがる。
質問:維持管理はどうやってるの?
「落ち葉清掃は、行政からおやじの会メンバーに委託を受けて実施。杭とロープは公園みどり課が実施、維持管理や定期的な手入れをおやじの会が行なっている」
質問:今後は?
「元々あった散策ルートを塞いで土壌改良しているため、迂回ルートを作った。今後は散策ルートを設けて散歩しながら草花を楽しめるようにしたい。これだけの樹種があるなら行政と連携してプレートを設置して利用者が花や木の種類が分かるようにしたい。まだまだやることがある。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?