ぶらぶら歩いているわけではない
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NHK「ブラタモリ 東海道“五十七次”の旅」
私は何でもタスクとして捉える傾向がある。仕事はもちろん、プライベートなことであっても、どこか自分に課された職務であるかのように考えてしまう。
たとえば、私的な旅行でもそうだ。目的地に行くこと自体がタスクになってしまう。したがって、目的地に着いたらタスクが完了するので帰りたくなってしまうのだ。だからだろうか。思えば、もう何年も旅行という旅行をしていない。
仕事では日本全国色んなところへ出張った。おそらく、行ったことのない都道府県は片手で数えるくらいである。だが、ついでの観光はほとんどしていない。せっかくあれだけ各地を訪れる機会があったのに、今から思うともったいないことである。
しかし今後同じような機会があっても、やはり仕事を終えたら何もせずに帰途につくような気がする。要するに私は、さしたる目的もなく観光をするということが出来ない人間なのである。
そんな私だから、普段の日常でも当てもなく街をぶらぶらするということが出来ない。そのくらいなら、ずっと家に居たい派なのだ。
「つまんない人ね」
とよく言われる。がしかし、こればかりは仕方がない。その言葉、甘受しようではないか。
さて、このほど三夜のみ復活した「ブラタモリ」の話である。もともとはタモリが街をぶらぶら歩くという意味のタイトルなのだろうが、当てもなく歩くわけではない。毎回お題が与えられて、それを解き明かすために歩く──つまりタスクがあるわけだ。しかもガイド付きだ。ぶらぶら歩くというのには違和感がある。
「そんなことにいちいちケチ付けなくても良いでしょ!」
と言われそうが、要は羨ましいのである。
こんな知的好奇心を満たしてくれる旅行なら私も行ってみたいと思う。私だってもともとは地形や地勢、その土地土地の歴史が大好きなのだから。
画像引用元 NHK