娘を持つ男親諸君に告ぐ
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映画「96時間レクイエム」(主演 リーアム・ニーソン)
どうしてこうも男親というのは娘に弱いのだろうか――、自分を顧みてもそう思うのである。息子には申し訳ないが、わがままを聞いてやった回数で言えば、圧倒的に娘の方が多い。息子の方は自分の経験に照らして、そのくらいは一人で何とかしろと思えるのだが、娘の方にはなにかと手を差し伸べてしまう。しかし、そのほとんどは喜ばれることはなく、当然の如く受け取られるか、むしろウザがられることになる。
「へえー、キミって私から感謝されたいんだ?」
娘は私のことをキミと呼ぶ。じゃじゃの私設図書館の「じゃじゃ」とは、この無礼者が中高生の頃に私に付けた仇名である。
「当たり前だろ? 感謝されて嬉しくない奴なんていないさ」
「ふーん、メンドくさーい」
「…………」
この「96時間」シリーズは、こうした憐れな男親の儚い願望――娘に尊敬されたい、有難がられたい、カッコいいと思われたい――を描いた映画だ。逆に言えば、こういう危機的なシチュエーションにでもならない限り、その願望は実現しないということの証左でもある。
もちろん、こういう状況になったらなったで、この男ブライアンのように八面六臂の大活躍などできるわけはなく、なおさら娘からの評価を下げることになるだろう。もっともこのブライアンとてシリーズ3作目ともなると、下っ腹は出てるわ、走る姿は膝が上がっていないわでオッサン感丸出しである。さすがに設定に無理がある。
ということで結論。娘に尊敬されたり、感謝されたり、カッコいいと思われたりする日は永遠に来ない! ということでよろしいかな、娘を持つ男親諸君。
画像引用元 クランクイン!ビデオ