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浜松の発展/衰退のカギを握る

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書籍「Mobility3.0」(アクセンチュア 戦略コンサルティング本部モビリティチーム)

毎年7月末に森ビル系シンクタンクが全国の主要都市ランキング(日本の都市特性評価)を発表するので、当館の所在する浜松市が今年何位に入るのか今から楽しみにしています。昨年は主要138都市の中で9位でした。これはなかなかどうして大したものです。県庁所在地の静岡市よりも上ですし、ましてや100万都市の札幌市や広島市等よりも上位に位置するのです。

評価指標別にみると、「環境」や「生活・居住」等でともに全国4位と健闘する一方で、公共交通の利便性や移動の容易性などを評価する「交通・アクセス」では107位に沈んでいます。

たしかに浜松で暮らしていると、クルマがないことには話になりません。そして、そのことが飲酒の伴うナイトライフを制約するなどして、中心市街地を衰退させているように思います。

私は浜松の街がこれ以上の衰退を抑えて、更に上位を目指せるかどうかは、本書にある「CASE時代の到来」(序章に描かれる近未来社会の実現)にかかっていると思ってます。もちろん、それはいずれ訪れるのでしょうが、どれだけ早く到来するのかが問題です。

今さらですが、おさらいするとCASEの「C」はConnectedで、クルマがあらゆるデータとつながることで、それによるサービスの拡大が期待されます。「A」はAutonomous、言わずと知れた自動運転。「S」はShared/Serviceで、クルマが所有から利用にシフトすることに伴い、サービス機能の多様化、高度化が進みます。「E」はElectric、これもご存じ電動化、すなわち電気自動車です。

なかでも、私はAとSが進めば──つまり誰もが利用できる自動運転のモビリティが、その需要に応じて街を流している状況になれば、浜松の弱点である「交通・アクセス」はほとんど解消されると思っています。

しかし、この「CASE」が思ったほど進んでいないと思いませんか? 私は7~8年前にクルマを買い替えるときに、次に買い替える頃には世の中は全部、電気自動車になっているのだろうなと思ったのですが、未だ全然です。ましてや自動運転車なんて私が生きているうちに普及するのか、甚だ疑問に思えます。

さて、浜松の街の衰退とCASE時代の到来はどちらが早く来るのでしょうかね?

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