娘とか息子とか仕事とか
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テレビドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」(主演 吉田羊)
女性コラムニストのトッキーことトキコは週一でラジオのパーソナリティを務めている。番組には毎週悩み相談が寄せられるが、彼女はそれらに真摯に向き合いながら、各々の内容に自らを投影することで一人親である老父との関係を修復していく──というドラマである。
事業に失敗して今は無一文となった父・哲也だが、羽振りの良かった頃は外に愛人まで作って好き勝手に生きていた。トキコは二〇代の頃それを知り、当時母親が癌と闘っていたこともあって、ショックを受ける。その後ほどなくして母は亡くなり、時を経て中年となった今も心のどこかで哲也を許せないでいる。
たまに会って食事などをすることがあるが、決まって話題になるのは偶像化した母の面影ばかりである。だが、あるときコラムの編集者から言われて、光ばかりでなく影の部分も描いてこそ母の人生が立ち上がり、生きたことになるのだと気づき、父娘で母親を改めて捉えなおす──その行為によって哲也とのわだかまりも解消させるのだった。
我が家も似たような境遇の家族なので、何だか身につまされたような気がした。もっとも妻が死んだのは、子供たちがもっと小さな頃だったから、まったく同じというわけではない。
だが、子供たちの多感な時期に寄り添えなかったという意味では同じだったように思う。この父親の事情とは違うが(そんな違わないか?)、特に娘に対しては性の違いからどう向き合ったら良いのか分からず、見て見ぬふりをしていたのかもしれない。息子に対してだって大して変わらない。逆に同性という立場に甘えて、自分で何とかするのだろうと勝手に思ったりしていたのだ。
当時はそれを隠すために、仕事が忙しくて構っていられないと無言でアピールしていた。いや実際に忙しかったのだが、あえて忙しいように持って行ったのではないか──。今から思うと、そんな気がするのである。
この吉田羊はとても好い! 久しぶりに子供たちにLINEでもするか……。
画像引用元 Netflix