片づけの心理法則(メンタリストDaiGo)で一番参考になったところ
通知表の「身の回りの整理整頓をしましょう」みたいな項目はずっと1。
何度片づけても、すぐにぐじゃぐじゃになってしまう。
と、ずっと片づけに対して苦手意識を持っていたのですが、メンタリストDaiGoさんの「片づけの心理法則」を読んでみたので、最も参考になった点をまとめてみました。
本書の内容を実践すると、「一度片づけたら2度と元に戻らない片づけ」ができるとのことです。
なお、本書の全体的な解説をyoutubeにアップしていますので、そちらもぜひご覧になってください。
本書の特徴
メンタリストDaiGoさんが書いたということからも分かるように、本書はお掃除テクニックの本ではありません。タイトルにあるように片づけを通して「人生を思い通りに操る」ための本です。
片づけ程度で何を言っているんだ・・・と思う方もいると思いますが、ぐちゃぐちゃな部屋では他のことに気が散って全然集中できないですよね。また、ビジネスパーソンが1年で費やす探し物の時間は150時間、という説もあるらしいです。
大学の講義が1単位15時間なので、集中できる環境で150時間の半分でも自由に使えるようになれば、確かに人生変わりそうな気がしますよね。
片づけの3原則
本書を読み進めるうえで前提条件となる「片づけの3原則」というものがあるので、まずはそれらについてまとめます。
3択の原則
人間とは、3択以内でないと即決できない、という性質があります。
料理のコースでも松・竹・梅、Aランチ・Bランチのように3択以内になっているものが多いですよね。
片づけをする際も、そこで行う行動、行動する際に使用するものが3択以内になるようにすることで、何をするか、何を使うかで迷ったりして集中力を無駄遣いすることなく、1つのことに自分の集中力を投下することができます。
逆に選択肢が多いと、
・机に向かったが何から始めようか悩んでいるうちに脳がつかれる
・必要なものがすぐ手に取れない
・どれにしようかな、と悩んでいるうちに集中力を浪費してしまう
ということが起きます。初速最大化の原則
人間は、取り掛かるまでの時間を20秒短縮するだけで習慣化できる可能性が高まります。そのため、
「見た目きれいなこと」より、「すぐに取り掛かれること」
を重視して片づけ、部屋のレイアウトをすることが重要です。
具体的には、
・必要なものを手に取りやすい位置に配置
・行動するまでの手順を減らす
ということがポイントになります。
そのため、引き出し、仕切りなどの収納用品を用いるときは、過剰になりすぎて「見た目きれいなのに取り出しにくい、しまうのに時間がかかる」とならないよう注意が必要です。ローコスト管理の原則
一度片づけても、片づいた状態を維持するのが大変では、都度片づけをしなくてはならず本末転倒です。
この、「物の管理にかかるコスト」(整理、メンテナンスにかかるお金、時間)を最小にする、というのも片づけの重要な原則です。
本書でも例に挙げられていましたが、例えば服が多いと、
・洗濯、アイロンがけが大変
・収納しきれないため衣替えが必要
・その日着る服を選ぶのに時間がかかる
と、管理コストが高くなります。これを管理が楽な服数点に絞ると、
・収納スペースが少なくて済み衣替え不要
・選ぶ時間、探す時間がかからない
・アイロン不要なものだと超ラク
といったように、管理コストが下げられます。
スティーブジョブズがいつもジーパンにタートルネックなのも、服を選ぶのに時間や集中力を奪われたくない、という話は聞いたことがある人もいるかと思います。
このように、管理にかかる時間、お金を最小にするように物を選択することで、無意識のうちに浪費していた時間・お金を、自分が本当にやりたいことに投下することができるようになります。
アフォーダンスをデザインする
個人的にはこの考え方が本書で最も参考になったところです。
アフォーダンスとは、「椅子があったら座りたくなる」のように、「環境が行動を規定する」ということです。(決してアホなダンスのことではありません)
部屋を片づけるときは、「そこで何をしたいか」を考えて、その場所に来たら悩むことなく自然に行動を起こせるような環境に整えることで、本当に自分がやりたいことに自分の時間や集中力を投下することができます。
具体的には、
その場所で何を行うかを3択以内で決める
(3択の原則より)その行動に必要なもののみを手の届くところに配置する。
(初速を最大化する)
という風に片づけをすることで、何をするか悩む時間が無くなり、悩んでいるうちに集中力を浪費することもなくなります。
アフォーダンスを設定してもどうしても他のことをしてしまう、という場合は、付箋にその場でやることを書いて貼っておくとよいです。
例えば、机ならば
・勉強
・仕事
・読書
など付箋に書いておき、それを机に貼ります。
そして、配置したものは5秒以内に元に戻せる、というのが理想です。
このためには、アフォーダンスがばっちり決まり、「完全に」置き場所が決まっている必要があります。
5秒以内に戻せないものは部屋が散らかる原因、ストレス・手間・集中力の浪費の元凶となるため、処分する、置き場所を変えるなどの対処が必要です。
ただし、これはかなり厳しいルールです。
難しい場合は、適当な箱を用意して「空っぽコーナー」を作り、すぐに戻せないものは一時的にそこに入れる、ということを行うとよいとのことです。
ただし、空っぽコーナーという名の通り、1日に1回は必ず空にすること!
空っぽコーナーから探すのに時間がかかる、となってしまうと本末転倒です。
あくまで空っぽコーナーは暫定的なものであり、5秒以内に戻せるようにアフォーダンスを最適化していく、ということを忘れないようにしましょう。
感想
自分がこれまで片づけができなかったのも、アフォーダンスがデザインできておらず、何をするために片づけるのか、という意識がなかったからだと思います。
本棚や引き出しに見た目きれいに収めることだけを気にしており、物と行動が結びついておらず、やりたいことに集中できる環境となっていませんでした。
そのため、
・何かしていても他の事に気が散ってしまう
・あれこれやっているうちに周りに物が増えていく
・探し物に時間がかかるし、もとに戻すのもおっくうになる
・・・という悪循環に陥っていたのだと思います。
片づけは見た目をきれいにすることではなく、自分の大事なリソース(時間、お金、集中力)を本当に大事なことに投下することができる環境を整えること。そして、片づけたときだけきれいなのではなく、1度片づけたら2度と片づける必要がなくなる、ということを目指して本書の内容を実践したいと思います。
本書では他にも、物を捨てられないときの考え方やスケジュールの片づけなど、参考になる内容が詰まっています。
本記事が参考になったという方や片づけに悩んでいる方はぜひ手に取って読んでみてください。