Lateropulsionとは?
どんな症例に多い?
脳幹梗塞、出血後、特に延髄外側症候群(ワレンベルグ症候群)と併発して出現することが多い。
*ワレンベルグ症候群:小脳性運動失調、解離性感覚障害(同側の顔面温・痛覚消失、反対側の体幹・上下肢の温・痛覚消失)、ホルネル徴候(一側の眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥没)、回転性めまい、嚥下障害。
後下小脳動脈、椎骨動脈の閉塞が多い。
症状は?
一側に身体が不随意に倒れてしまい、重篤な立位、歩行障害を呈する徴候と言われている。
push現象とは異なり、介助者が正中位に戻そうとしてもそれに抵抗はない。
Lateropulsionに関する神経回路
・脊髄小脳路(意識できない深部感覚)、外側前庭脊髄路、前庭視床路
*2週間ほどで軽快、消失する報告が多い。
なぜ短期間で軽快するのか
外側前庭脊髄路、前庭視床路、視覚、体性感覚のいずれの損傷で症状が出現していたとしても、この姿勢制御に関する経路は、両側性であることや意識できる感覚(後索路や外側脊髄視床路)が残存しているため、代償的に働くことが可能。
評価は?
・push症状の有無
・SVV(自覚的視覚性垂直位)
・立位、座位での病巣側への傾き
・発症からの期間(2週間ほどで軽快)
・脳画像評価(延髄外側、姿勢調整の神経路)
参考資料:Lateropulsionって何?(note)
Lateropulsionの特徴とリハビリテーション