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4000時間以上ゲームに費やした女の後悔と転職を支えた魔法の言葉
私はいわゆる(?)ゲーマー女子だった。
「え!私もゲーム好き!ポコポコとかやる!」というライトな感じではない。
「え!私もゲーム好き!ウィッチャー3とブラボとダクソ3はトロコンした!BF1で自力でピースキーパー取得した!」
というそこそこ重症なゲーマーだった。
大学時代は、昼休みの1時間にゲームするために帰宅し、冷麦を掻き込みながらFPS。ダッシュで大学に戻り、講義が終われば即帰宅。
17:00にゲームを始め、気付いたら22:00。適当なレトルトをすすりながら、ノリで翌日5:00まで続行。
仮眠を取って8:30の授業に向かう。(ちゃんと寝坊して欠席もした。)
そんなヤベー大学生も社会に出なければいけない時がくる。
新卒で入った職場は、まあまあ色々あったがそれなりにゲームは続けられた。
しかし社会人になって3年目、紆余曲折あって転職することになった。
転職にあたって行う自己分析だとか自分の棚卸しだとか、臭いものの蓋を開けなければならない。
そして、ぐうたらゲームばかりやってガクチカなんて1ミリもしてこなかった私は困った。
「ゲーム内のプレイヤーレベルめっちゃ上げたけど、私自身のレベル全く上がってねぇ…」
私が当時、死ぬほどプレイしてたゲームの主人公「ゲラルトさん」は、
色んな地域を愛馬と共に回って、怪物と戦い、困ってる人々を助け、知識を身につけ、仲間と絆を築き、最後は物語をハッピーエンドに導くのだ。
プレイヤーレベルも戦闘スキルも錬金術も身に付ける装備も、物語当初とは比べ物にならない。大抵の敵は余裕で倒せてしまう。
しかしなんだ、比べて私はどうだ。
自分のマップを開けば、日本以外の土地はすべて霧に包まれている。それどころか日本内すら到達済み都道府県数は片手で数えられる程。
引きこもり生活故、肉体は貧弱だ。HPもスタミナも指一本分の長さしかない。
ユニークスキルは「いつでも寝れる」だけ。雑魚!
知識も酷い。教科書の内容をいわれれば「そんなのあったかも」とうっすら残っている程度。テキストアーカイブ欄、後ろからどんどん消えていってるんだが???呪い?
そんなこんなで、エントリーシートを前にまず思った。
「ゲームリスタートしてえ…」
ステータス振り直し…とも思ったけど、そもそもレベル上がってないから振るポイントもなかった。つれえ。
それって、就活の時にぶち当たる壁では?と思われるかもしれない。
これは、私が技術職の公務員として自治体に入庁したため、他の公務員や民間企業の就活に比べて圧倒的に楽に就職が終わってしまったから。
この就活の楽さのために国家資格を取れる大学に進学したと言っても過言ではない。
長い目で見ると自分の首を絞める事になったのだが。
普通ならば、大学生後半にぶち当たる壁に社会人3年目にして漸くぶち当たったプレイヤーレベル5の雑魚。
※しかも、一浪した上、六年制の大学だったため、社会人3年目と言っても年齢は……(死)
普通にとても後悔した。
大学生時代、もっと色々経験しておくべきだった。勉強をもっと主体的にするべきだった。
勉強だけでなく、本を読んで教養を身に付けるべきだった。
サークルや部活の活動、ボランティアでもすればよかった。
せっかく地方の大学にいるのだから、その土地の色々な場所やそこでしかできないことを楽しむべきだった。
伝説のウィッチャーとしてメインクエストそっちのけで世界を放浪した時間
血と医療の都市で獣と宇宙人を狩り続けた時間
第一次世界大戦の戦場で死体の山(敵より自分のが多い)を築いている時間
殺人鬼として頭の血管切れそうになりながらサバイバーの尻を追いかけ続けた時間
エンドレスetc...
これらの時間を積み重ねれば何かすごい技能を身につけられたのでは?
自分の中に揺るがない財産を築けたのでは?
もはや大学生通り越して幼少期からやり直したい。幼年期始めたい。
今の記憶保ったまま小学生からやり直せたら…
そんなしょうもない妄想をしては日々ため息をついていた。
転職は一応なんとか完了し、アウトソーシング系の民間企業に滑り込めた。
しかし当然ながらレベル5のぐーたら公務員に民間企業はしんどかった。
詳しくは割愛するが、上記のような後悔を毎日繰り返していた。
Google先生に「頭悪い どうしたら」とか「人の話聞き取れない 障害」とか聞いては返ってくる答えに撃沈していた。
Google先生はこちらの精神をチクチク刺すような正論を返してくる。たまに血が出る。血が出たどころじゃない。大出血。
しかし、そんな血と獣の香りの中で、ただ私のよすがだった言葉がある。
「実現できるから、そうなりたいという願望が産まれる」
苫米地先生のご著書だったか、何か成功者YouTuber的な方の動画だったか。
詳しいことは忘れてしまったが、こんなような言葉を色々なところで耳にした。
ほんまかいな。
だったら金持ちの綺麗なお姉さんに飼われる猫にでもなって、生きてるだけで可愛がられて食住困らない生活がしてえよ!!実現できんのかよ!
しかし、一笑に付したい気持ち以上に、藁にもすがりたい気持ちが強かった。
この言葉はずっと心に留まっていた。
もっと人の役に立てる、年相応の賢さと落ち着きと教養と余裕を持った素敵な人間になりたい。
その理想に反して、仕事でイマイチ役に立ててない、普段の行動もすっとろく、頭も回らない。効率が悪い、自信がない。体力も気力もない。
自分の無能さをヒシヒシ感じる日々。
でも、「実現できるから理想が浮かぶ」
偉い人がそう言ってんだから、間違いはない。
「こうなりたい」がある以上、「なれる」
それだけを信じて、なんとか日々を生きていた。
ゲームの代わりに自分の人生ゲームのプレイに力を入れるようにした。
ゲラルトさんの代わりに自分というキャラクターのレベル上げに時間とお金をかけるようにした。
上げなければいけないステータス、身に付けなければいけないスキルが多すぎた。
あれもこれもと色んな本を読んだり、YouTube見て勉強してみたり、頭のいい人がやるといいという習慣を真似してみたり。
正直何かをやり遂げられたわけでもないし、何もかも中途半端な、努力とも言えない足掻きだった。
それでもその結果、
気が付いたらそれなりに頭がよくなっていた。仕事についていけるようになっていた。
少なくとも、自分の出来なさがしんどくてGoogle先生に泣きついたり、悶々と頭の中で堂々巡りをしなくなった。
むしろ、当初はめちゃくちゃ優秀だと思ってた周囲の人達に対して、今では物足りなさを感じるくらいだ。
単に環境に慣れたから?余裕が出てきたせい?
自分がそこまでステータスを上げられたとは思わないので、バグか何かか?
気付かないうちに別のセーブデータのキャラクター操作してた?
分からないがとにかく、「なりたいと思う姿」に「なれた」
ほんまかいななんて思ってごめん。
本当だったっぽい。
結論何を伝えたかったか。
ゲームが無駄だ、やらなきゃよかったという話ではない。
ゲームのおかげで得た知識や興味の対象も数多い。ゲームをやり込んでいたおかげで自分のレベル上げのコツが掴めていた部分もあるかもしれない。楽しめる時に楽しむべきだと思う。
ただ、もし何かゲーム以外の事に興味が出てきたり、何かの転機で今以上の成長を求められりして
今の自分じゃダメだ、何故オレはあんなムダな時間を…なんて思った時は思い出してほしい。
「実現できるから、そうなりたいという願望が産まれる」
私がそうであったように、この言葉があなたにとって暗闇を照らす「月光の聖剣」であれば嬉しい。