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「じゃがいも」のお寺話39 大仏(1/2)

東大寺の象徴といえば大仏です。日本人なら東大寺の大仏は知っていると思っています。とっても有名ですが、東大寺の大仏が何というお名前の仏様か即答できる方は意外と少ないと思っています。

毘盧遮那仏、毘盧遮那如来という仏様です。

ヴァイローチャナ(vairocana)というサンスクリット語に毘盧遮那(びるしゃな)という漢字をあてています。ヴァイローチャナのヴァイは「広く」「広範囲」、ローチャナは「照らす」という意味です。意味により「光明遍照」と訳されることもあります。「太陽」の意味との説明もよく見ます。我々が認識できる広く照らすものは太陽なのでよく使われるのだと思います。

毘盧遮那如来は華厳経で出てくる仏様です。仏教の宇宙の中心にいて全ての真理を持ち、全ての人に真理を照らし、民を悟りに導いていただける仏様です。
密教の反対を顕教とするなら、顕教の宇宙の中心には毘盧遮那如来がいて、密教の宇宙の中心には大日如来がいます。

ヴァイローチャナ 毘盧遮那如来
マハー・ヴァイローチャナ 大日如来
とされます。

毘盧遮那如来と大日如来は全く同じではないのでしょうが、ヴァイローチャナから来ているのは間違えないので同じような思想で生まれた仏様とは言えます。
華厳経では「舎」で毘盧舎那仏、大日経では「遮」で毘盧遮那仏で表記されているようです。音写なのでどちらも正解なのでしょう。

阿弥陀様も薬師様も、もちろんお釈迦様も菩薩の修行時代を経て悟りを開いて如来になっています。
毘盧遮那如来も菩薩時代があり修行して如来になったのでしょうか。毘盧遮那如来は他の如来を司る如来であり、西洋の宗教の「ゴット」に近いような宇宙そのもの、この世そのもの、真理そのものという全知全能遍在を感じます。

お釈迦様の時代の仏教の教えは、絶対的な神、バラモン教における梵天(ブラフマー)のような存在を否定し、法を信じて より所とし真摯に修行を行い悟りを開いて阿羅漢になることです。
毘盧遮那如来と大日如来は同じ如来でも阿弥陀様、薬師様、お釈迦様などの如来とはだいぶ違いがあるように思います。

毘盧遮那如来は宇宙そのものなので本来なら無限に大きな仏様と考えますが大きな像を作るには限界はあるので仏像の基準となる丈六仏の10倍を目指して製作したとされます。実際のところ大仏様の高さは体だけで約15mで、丈六仏の10倍よりは小さい気がしますが、無限の宇宙を象徴した大きさと言えるでしょうか。大きな仏像を作る理由とされています。
仏教の宇宙感を地上に再現することで毘盧遮那如来の知恵と慈悲により国家鎮護を目指したとされます。

とても有名な奈良の大仏ですが毘盧遮那如来があまり有名ではないのは毘盧遮那如来が日本に3体?くらいしかないからだと思います。
東大寺、唐招提寺、太宰府戒壇院?でしょうか。他を知っている方がいたら是非とも教えてください。
釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来はたくさん祀られているので、なんとなく聞いたことがあるでしょう。

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