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【事前分析】「2024 J1リーグ 第37節」柏レイソルvsヴィッセル神戸 マッチプレビュー

【事前分析 レイソル得点の狙い方他】

「2024 J1リーグ 第37節」

柏レイソルvsヴィッセル神戸 マッチプレビュー


Ⅰ.「はじめに」

 ラスト2節。ここに来てようやく全クラブの消化試合数が揃ったJ1リーグ。

 ホームのレイソルは残留に向けて瀬戸際の17位
 降格圏、最上位クラブの18位ジュビロとの勝ち点差は5ポイント。更に最終節には19位コンサドーレとのアウェー戦が控えていることを考えると、今節、ホームの地で勝ち点3を掴み取り、残留を確定させたいところ。
 直近5試合は「1勝2分2敗」。5試合で5失点と守備は安定しており、問題は5試合で4得点、総得点数リーグワースト2位の攻撃面にあることは明白。
 その一方で、4戦連続、後半アディショナルタイムの失点で勝ち点を落としており、試合終盤の試合運びや守備にも問題があることは否定できない事実。
 その辺りに関しては『【徹底検証】「柏レイソル 試合終盤の失点要因と対策」』(無料記事)の記事内で分析・解説しておりますので、興味のある方は下記のリンクからご覧下さい。

 対するは先日の天皇杯決勝を制し、リーグ戦と合わせて国内2冠を狙う首位ヴィッセル
 2位サンフレッチェとの勝ち点差は僅か3ポイントであり、得失点差では5下回っていることを考えると、今節は勝利を目標に最低でも勝ち点1は欲しい一戦。
 リーグ戦は直近5試合「3勝1分1敗」と特別良くも悪くもない成績である一方で、その合間で行われた天皇杯(2試合)・ACLE(4試合)は6戦全勝と好調をキープ。
 天皇杯決勝から中2日のマリナーズ戦ではターンオーバーを行っており、今節に向けてコンディション面でも大きな心配はないと言えるか。
 そんな中で唯一とも言える懸念材料は、エース大迫選手の怪我の状態。リーグ前節は怪我の影響でベンチ外。出場が不安視されていた天皇杯決勝ではスタメンに名を連ね、試合終盤まで精力的にプレーしていたものの、交代前には自らベンチに声を掛けていたという情報があった中、交代直後には両腿裏を気にする様な素振りを見せており、その状態は気になるところ。

 残留争いと優勝争い。その両方の行方を左右することとなる重要な一戦。
 試合終了の笛が鳴った直後、スタジアムに響くのは歓喜の声かそれとも。

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Ⅱ.「レイソル 得点の狙い方」

 レイソルは「4-4-2」をベースに、ビルドアップ時はボランチの一角である白井選手が3バックの中央に入る「3-1-4-2」に可変。
 対するヴィッセルは「4-1-2-3」をベースに、守備時は「4-4-2」の3ラインに可変するシステムを採用して来ると仮定した上で話を進めます。

図Ⅰ.レイソルvsヴィッセル 得点の狙い方

 図Ⅰは、レイソルの最終ラインがハーフウェイライン辺りでボールを回しているシーンを想定しています。
 図Ⅰを見て頂ければ分かる通り、咬み合わせ上、レイソルのアンカーの選手がフリーとなる構図になっております。
 しかし、恐らく、ヴィッセルは2トップがアンカーへのパスコースを消しながらプレスを掛けて来ると思われるので、無理にアンカーを使おうとする必要はありません。
 ヴィッセルは状況に応じて、前線でボールを奪うプレスを掛けてくることもあるので、この点は注意が必要となります。

 アンカーを使えなくても、最終ラインの局面において「3(CB)対2(CF)」の数的優位の状況を作れていることには変わりありません。そのため、3バックが幅を取り、数的優位を最大限に活かしてボールを前に送ることをお勧めします。
 
 次の関門は中盤4枚の壁ということになりますが、実はここの攻略は難しくないと考えています。
 ヴィッセルはチームスタイル的に、守備の強度が低い選手はピッチ上に存在していませんが、人に対する意識が強過ぎるのか、この中盤4枚の立ち位置・距離感が宜しくありません。また、最終ライン・中盤・前線と3ラインを形成(前線は状況に応じて縦関係)しているため、最終ラインと中盤のライン間・中間ポジションが空く傾向にもあります。
 そのため、レイソルの左CBとしては、ヴィッセルの右SHを引きつけてから左WBにパスを送り、図Ⅰの様に中間ポジションに入ったIHとの絡みで崩すことも出来ますし、図にはしておりませんが、左CBからIHにボールを預け、IHがヴィッセルの右SH・ボランチを引きつけてから2人の間を通して、中間ポジションに落ちて来たCFにパスを入れることも出来るかと思います。

 ここでは前者の図Ⅰの流れで話を進めて行きますが、左WBから中間ポジションを取るIH(サヴィオ選手を想定)にボールが入った後は、レイソルサポーターにとってはお馴染みとも言える、ボックス近辺でのサヴィオ選手と細谷選手のワンツーから、サヴィオ選手のシュートという形に持ち込めるかと思います。
 ちなみに図Ⅰではボックスの外からのシュートとなっていますが、実際にはもう少し押し込めているはずなので、ボックス内からのよりゴールの確率の高いシュートが打てると考えています。

 あとは有料記事の有料部分となってしまいますが、先日の天皇杯決勝の分析レポート内で提案させて頂いた得点パターンを使っても、個人的には面白いかなと思っております。

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Ⅲ.「レイソル 試合終盤 守備の注意点」


 詳細は『【徹底検証】「柏レイソル 試合終盤の失点要因と対策」』(無料記事)を見て頂きたいのですが、昨シーズンから続いている、シーズン佳境の試合終盤の失点の大半は「レイソルから見て右サイド」が起点となっています。
 中でも今シーズンに限れば、4失点中3失点(アビスパ戦以外)は右サイドをパスワークで崩されており、この点は注意が必要と言えるかと思います。
 仮に今節の試合終盤、ヴィッセルにとって得点が欲しい状況になった場合、レイソルとしては、大迫・武藤・佐々木選手などへのロングボールを警戒し過ぎるあまり、逆を突かれて中盤にパスを通され【徹底検証】の記事内で説明した通り「ダブルボランチの間」「ライン間」を使われることだけは避けるべきだと思います。

 僕が90分を通して見た今シーズンのレイソルの試合の印象では、スタメンの選手の前線からのプレスは整理されており、ロングボールに対応できる高さのあるDFがいて、セカンドボールの回収の意識も高く、データ的にも失点数は多くないため、試合終盤までに複数失点することは、可能性としてはかなり低いと見積もっています。
 それだけにやはり「試合の終わらせ方次第」は大事なポイントになって来るかと思います。
 この点に関しては中断期間に対策を練っているはずなので、どんな試合展開になるかはわかりませんが、仮に試合終盤、そのままのスコアで「試合を終わらせる」必要が出て来た場合、レイソルがチームとしてどういった動きに出るのかにも注目して観戦したいと思います。

 「2024 J1リーグ第37節 柏レイソルvs ヴィッセル神戸」のマッチプレビュー&事前分析は以上となります。
 有難うございました。


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JAF Football Analysis Room
お読み頂き、有難うございます。 チップの使い道としては「記事作成の環境整備」への充当を主に考えております。 今後とも宜しくお願い致します。