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【北海道・後志】秋の黒松内町の観光スポットで北限のブナについて学びながら、グルメを堪能!【黒松内町でカフェ巡り】

このブログ記事は、日本原子力文化財団の依頼により写真屋たかちゃさんに取材・執筆をいただいた記事になります。

今回も(一財)日本原子力文化財団さまよりお話をいただき、秋の黒松内町を1泊2日で取材してきました!今回は実際に黒松内町に住んでいる方とお話する機会があり、おすすめのカフェを教えてもらったので、そこにも訪れてみました!

〜この記事で分かること〜
・黒松内町の歴史
・黒松内町の観光スポット
・黒松内町のグルメ


黒松内町の概要と歴史

まず初めに、黒松内町の概要と歴史を紹介します。

黒松内町の概要

北海道の南西部、後志管内の南部にある町です。海に接していない土地ではあるものの、黒松内岳からは北は寿都町を経て日本海を、南は長万部町をへて太平洋を、双方の海を望められるのが特徴。

気候についてもこの特徴が現れ、春から夏にかけては太平洋、噴火湾で発生した濃霧が風に運ばれて低音になり、逆に冬には日本海からの北風が大雪をもたらします。これらの理由から北海道南部である道南地方の中でも雪が多く、多雪地域と指定されています。

主な観光資源として、ブナの木があげられます。黒松内で自生しているブナの木は日本で最北端とされ、「北限のブナ林」として国の天然記念物かつ北海道遺産にも認定されています。

黒松内町の歴史

北海道の地名は、アイヌ語が語源になっている地名が多く、今回取材した黒松内町もその1つです。アイヌ語でクル・マツ・ナイは和人の女性がいる沢という意味で、昔、出稼ぎの漁夫についてきたその妻たちがシケに遭い、この地に流れつき、そのまま住み着いたことから付けられたとされています。

そんな黒松内町の歴史は天保4年、1833年まで遡ります。元々は松前藩に住んでいた花岡利右衛門という人物が花岡宿という宿場を建て、開拓使がそこを拠点とし入植したことで開拓、開こんが進みました。

明治6年、1873年に現在の黒松内町市街地が開拓され、同31年、1898年に正式に黒松内村として成立。その後は鉄道の発達により、函館〜小樽間の主要駅がある鉄道の町として、さらには金鉱脈の発見により鉱山の町として栄えました。

昭和34年、1959年の町制施行により「黒松内町」として成立し、現在に至っています。

黒松内町の観光スポット

先ほども紹介したとおり、黒松内町は北限のブナ林が主な観光資源です。町内の至るところでブナの木について触れ、学ぶことができました。

道の駅くろまつないトワ・ヴェール・ドゥー

国道5号線沿いにある道の駅、くろまつないトワ・ヴェール・ドゥー。1999年に道の駅に指定され、2010年には町内の特産品などを取り扱う展示販売施設がオープンし、現在に至ります。
 
黒松内町は函館と札幌の中間地点にあることから、日帰りドライブの目的地としても最適で、1999年のオープン以来毎年30万人以上の観光客が訪れる人気スポットになっており、北海道じゃらんの道の駅満足度ランキングにおいて総合1位を2度受賞(2005、2008年)していることから、その人気ぶりが伺えますね。
 
建物の中には焼き上がりと同時に売り切れになるパン工房や、開店前に行列が出来上がるピザ工房の他(後ほど紹介します!)町内で生産・製造されたチーズやハム、町内でとれた米を使った日本酒、地元牧場の牛乳を使ったソフトクリーム、町内のお菓子屋さんのどら焼きなど地産地消のグルメが多く取り揃えられていました。
 
また、スプーンやコースターなど、ブナの木を使った日常で使えるアイテムの販売も多く、木本来の素材を生かした温もり溢れる優しい質感で、黒松内らしさを感じることができました。

ぶなセンター

緑色のとんがり屋根が特徴的なブナセンター。
 
北限のブナはもちろんのこと、黒松内の歴史や生息する動物、自生している植物について楽しく学ぶことができる施設です。建物の中には、木工や陶芸を体験できるスペースもあり、小さいお子さんを連れての体験も楽しそうだなと感じました。
 
実際にブナセンターを訪れてみて驚いたのは、太古の昔、黒松内町は海の底に沈んでいた場所だということ。それを裏付けるかのように、黒松内町の至る場所で貝殻や魚の化石が発掘されています。
 
今回ブナセンターを訪れたことで、深く黒松内について知ることができました。また時間のある時にゆっくりと再訪したいです!

歌才ブナ林

北限のブナ林の自生地として有名な黒松内町ですが、観光スポットとして整備されているブナの群生地は「歌才ブナ林」、「添別ブナ林」、「白井川ブナ林」の3つ。

今回は国の天然記念物にも指定されている歌才ブナ林を訪れました。この歌才ブナ林のシンボルとも言えるのは、高さ30メートル、みきの太さが直径1メートルを超える樹齢200年以上の大きなブナの木。

散策路の入り口から終点までは片道およそ1.2キロの道のりとそれほど長くはないものの、ところどころ急な坂道があったりと、中々散策のしがいがありそうです。

ありそう、と言ったのには訳があります。

実はこの歌才ブナ林、入り口まで行ってみたものの、終点までは歩いていません。理由は先ほど紹介したブナセンターで見つけたとある看板。

「各ブナ林、クマ多数出没中!」と書かれたその看板をみてしまったため、クマよけスプレーやベルを持たずに1人での入林は危険と判断し、入り口だけ写真を撮って戻ってきました…

ただ、入り口からもそのブナ林の壮大さは感じることができるだけでなく、ブナ林の妖精と言われる蝶々(ミドリシジミ)がたくさん飛んでおり、それらが羽ばたくたびにキラキラと日光に照らされる光景がとても綺麗でした!

黒松内町でグルメ・カフェめぐり!

この章では、黒松内町で訪れたカフェを紹介します。

道の駅くろまつない トワ・ヴェール・ドゥー

先ほど紹介した道の駅の中には、パン工房とピザ工房も併設されています。どちらも行列必至のグルメスポットです。

パン工房

道の駅に入って左側にあるのがパン工房です。ミネラル豊富な黒松内の銘水「水彩の森」や、放し飼いで育った鶏の有精卵など、黒松内の食材がふんだんに使用されており、まさに黒松内を丸ごと食べているかのようなパンが、毎日手作りで焼き上げられます。
 
また、保存料・着色料・香料・乳化剤などは一切使用していないため、幅広い年齢層の方でも安心・安全に食べられることも魅力の1つでしょう。
 
パンの種類が豊富なため、焼き上がりの時間が異なりますが、店内にあるボードで焼き上がりの時間が随時お知らせされるので、もし売り切れていたとしても、その時間に合わせて再訪すれば焼きたてのパンが食べられます。
 
今回1泊2日の取材で2度購入させていただいたのですが、その中で感じたのは観光客はもちろん、地元の方にも愛されているお店なんだなということ。特に朝の開店と同時に訪れるお客さんは、黒松内町に住んでいる方が多いようで、スタッフさんとお客さんが「今日はどれにするの?」「いつものだよ〜」と楽しそうに会話が弾んでいる光景にほっこりしました。

ピザ工房

道の駅に入って右側にあるのがピザ工房です。こちらは道の駅のオープン時間から1時間遅い10時オープンであるため、道の駅のオープンと同時に行列ができることも珍しくありません。
 
実際に今回の取材中、道の駅のオープンと同時に待機列が出来上がり、どのピザにしようかなと看板を見ていたら6組目と、少々出遅れてしまいました。
 
こちらのピザ工房も先ほどのパン工房と同様で、黒松内で生産・製造されたモッツァレラチーズやソーセージをたっぷりと使用し、注文してから焼き上げてくれるため、常に出来立てアツアツのピザを食べることができます。
 
売り切れ次第クローズするため、なるべく早く来店することをおすすめします!

ビーチカフェ

今回の取材では、地元の方におすすめのカフェを教えていただくことができました。そのカフェがこちら。
 
一見すると普通の民家ではありましたが、中はしっかりしたカフェで、すでに地元のお客さんで賑わっていました。
 
注文したのはミートスパとコーヒー。
 
ミートスパは予想と違ってトマトベースのソースではなく、スパイスと塩胡椒がベースになっていて新鮮でした。しっかりとスパイスが効いているので、牛肉特有の肉臭さが全くなくさっぱり美味しく食べられました。

コーヒーはほのかに酸味が香る爽やかなコーヒーで、ドライブで疲れた心と体を癒してくれるのにピッタリでした。

また、ショーケースには放し飼いで飼育している鶏の卵を使った手作りのスコーンやシフォンケーキも並んでいて、それだけを目当てに来店するお客さんが何組もいました。
 
お店のスタッフさんとお客さんの距離が近く、アットホームな雰囲気でゆっくり長居してしまいたいほど居心地が良いカフェでした。

タンポポハウス

次に訪れたのはタンポポハウス。国道から脇道に入り、行き止まりの最終地点より手前にお店があります。
 
さーてそろそろ着くかな、と車を走らせていると道路のど真ん中にワンちゃんがリードもなく寝転がっている!!
 
道のど真ん中にワンちゃんが寝転がっている光景に混乱しながらも、タンポポハウスに到着。さーてお店に入ろうかと車を降りると、先ほどまで寝っ転がっていたワンちゃんがこちらにトコトコとやってきて、熱烈なお出迎えぺろぺろ笑
 
わわわ!とこちらが焦るほど人懐こいワンちゃんで、よーしよーしと撫でていると、お店の方が出てきてくれました笑
 
この人懐こいワンちゃんの名前はランちゃん。お店を営むお母さんの娘さん夫婦のお家で暮らしていて、行き止まりという立地上、ここに来る人はみんなお客さんだと認識してこうして熱烈なお出迎えをしているのだそう。最初はびっくりするほど熱烈だったけど、慣れてしまえば可愛くて可愛くて…ワンちゃん好きな人ならたまらないと思います!
 
さて、肝心のお店の方は、ちょうど3日前から冬季休業に入ってしまったとのことで、春になったらまた遊びにいらしてください〜と優しくお声かけ下さいました。

自家焙煎のコーヒーも、自家菜園のフルーツを使ったスイーツも楽しみにしながら、春を待つことにします!

まとめ

今回は秋の黒松内町を取材しました。小さい頃によく家族でドライブに訪れていた町だったこともあり、懐かしさを感じられただけでなく、今回の取材で初めて行った場所も多かったので、とても学びにもなった取材でした。

次回はしっかりとしたクマ対策の上、北限のブナ林を散策したいと思います!

取材・記事作成:写真屋たかちゃ


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