『彼のいる生活』（日本／テレビドラマ／2024）

家事が得意で面倒見がよく優しい普通の大学生・夏川涼太役に坂井翔、その幼なじみで爽やかモテ男子大学生の田中一仁役に佐藤瑠雅。一仁は子どもの頃から密かに涼太に想いを寄せていた。大学入学のため上京するのをきっかけに、お互いの親の勧めで同居生活を始めることになる。

Tシャツ姿でベランダを背景に微笑み合う二人の爽やかなタイトル写真を見た時は、二人の生活がどんな風に描かれるお話なのかちょっと楽しみだったのだけど、あまり大きな障害のない恋だったので、正直ちょっと物足りなかったかなぁ。改めて思い返しても、二人の思いが通じるかどうか以外に何も問題はなかったような。そしてその感情も複雑にもつれ絡み合うという感じでもなく、恋路を邪魔する人も出てこないし、家族や世間の目に悩まされるわけでもなく、割とスムーズに少しずつ理解しあえて行く展開だった。これが世にいう"ピュアラブストーリー"ということなのか？！

でも、少しくらい波乱があってもよかったかなぁ。一仁の実家は旅館で、和服姿の美しいお母さんが女将を務めていた。旅館といえば後継ぎ問題がつきものだから、「実家をついで跡取りを残さなくては・・・」というようなことで一仁が悩むとかねぇ。涼太と一仁のために浴衣を仕立て直してくれたほどの理解のあるあのお母さんが、二人の東京での同居を自分も勧めたことを棚に上げて「幼馴染みとしてならどんなに仲がよくても何も言わないわ。でもね一仁、涼太くんを生涯の伴侶として認めるわけには、いかないのよ」とか言っちゃう昭和テイストは、令和のピュアラブストーリーにはいらないか・・・。

そんな余計な設定を提案したくなるくらいに、優しい爽やかラブストーリーだった。