
「相棒」を見たことのない私に、このドラマの魅力を熱く語ってもらえませんか?①
今回はQuoraでの最近の投稿で、『テレビ番組・相棒』の魅力について書いたら、かなりの長文になってしまったので、
noteにも投稿しようと思います。
1.質問『「相棒」を見たことのない私に、このドラマの魅力を熱く語ってもらえませんか?』
質問ありがとうございます。

2.テレビドラマ『相棒』概要

最初に簡単に書くと、2000年代に入って、テレビの視聴者は若者に集中していた。
それ以前から、テレビのスポンサーのビジネスターゲットが若い人に偏ってきていた。
これに合わせて自然とテレビ番組も、若者向けの番組が多くなっていく。
当然大人がテレビを見なくなり、大人のテレビ離れが進んで行った。
さらに若者ターゲットの番組が増加し、
さらにスポンサー企業は若者向けにPRするようになる。
そんな時に大人が楽しめる、見応えのあるテレビドラマが始まった。
常に今を切り取り、
エンターテイメントでありながら、
社会性も備えていた。
3.相棒=「今やっているドラマの中で一番面白い」
成宮寛貴:「今やっているドラマの中で一番面白い」
ドラマ『相棒』の面白さを 一番端的に言い表している言葉。

2011年頃、3代目相棒のオファーを受けた当時の人気若手俳優『成宮寛貴』
成宮寛貴:「え?あの『相棒』に僕が?」
それまで観たことはなかったけれど、そんな若手の彼でも当然のように『相棒』というタイトルは知っていて、しかも大役と感じるほどの人気ドラマだった。
それから成宮は、当時すでにシーズン10まであった『相棒』シリーズを第一話から全部通して観てみた。
全部観終わった時の感想は、
成宮寛貴:「今やっているドラマの中で一番面白いじゃん」
4.『水谷豊』と『成宮寛貴』
そして成宮は、主人公『杉下右京』を演じる『水谷豊』にも魅力を感じた。

成宮はそれまでの人生で、
悩んだり、
壁にぶつかった時、
必ずそこから救い出してくれるような人物『キーパーソン』が現れて、
実際に救われてきた。
『相棒』を通して観ているうちに、
成宮は『水谷豊』こそ『キーパーソン』だと勝手に決めつけて、出演を決めた。
『成宮寛貴』演じる3代目相棒『甲斐享』登場は、
2012年10月シーズン11から。
当時、
『水谷豊』=60歳
『成宮寛貴』=30歳
年齢的にダブルスコアの相棒だった。
そして、3代目相棒として映画も制作された。
5.『相棒』 -劇場版III
2013年『相棒』シーズン12『甲斐享』(成宮寛貴)続投で放映。
そしてシーズン12終了直後、
『相棒』 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ 公開

2014年4月『相棒』 -劇場版III- 公開
『成宮寛貴』は年齢的にまだ若手の俳優だったので、
あまり長期間『相棒』という一本のドラマに拘束するのは申し訳ないと考え、
最初は2年間の出演契約だった。
しかし好評だったので、もう一年出演を伸ばしてもらった。
『成宮寛貴』も、その期間延長の申し出を受けたことになる。
6.『成宮寛貴』シーズン13『ダークナイト』

2015年3月『相棒』シーズン13の最終回『ダークナイト』で、
『成宮寛貴』は降板となった。
これは成宮のあらかじめ予定されていた契約期限が過ぎたための降板だった。
2015年3月18日『相棒』シーズン13最終話『ダークナイト』2時間スペシャル放映。
この『ダークナイト』は、ファンの間で賛否両論となった。
都内で連続発生する暴行事件。
被害者は全て警察の手が及ばない悪党たち。
連続暴行事件の犯人は世間から『ダークナイト』と呼ばれる。
3代目相棒である『甲斐享』が、犯人『ダークナイト』という設定。
しかもドラマ冒頭で犯人がネタバレされている。
『杉下右京』と『甲斐享』の別れのラストシーンは、

甲斐享:「愛想がつきましたよね?」
杉下右京:「愛想つきかけというならば、自分に愛想がつきかけている。しかるべきときがくれば、また会えますよ。二人はまだ途中じゃないですか?」
7.『成宮寛貴』芸能界引退
しかし成宮は『相棒』降板後、
薬物使用に関する疑惑を写真週刊誌に報道された。
疑惑の写真と、
成宮の親友という人物の証言も
掲載されていた。
この報道に関して、成宮と所属事務所は徹底抗戦。
尿検査による薬物反応陰性の証拠提出や、
弁護団の結成など。
しかし成宮本人は、
親友数人に裏切られ、
罠に嵌められたことがショックで、
『相棒』降板の翌年、
2016年芸能界から引退を表明。
引退記者会見なども行わず、
事務所を通して引退表明の文章をマスコミに送っただけの
あっさりした引退だった。

引退表明前に成宮は水谷に連絡を入れて、きちんと引退の挨拶をしていた。
成宮寛貴:「こういうことになってしまいました。ありがとうございました」
水谷豊:「彼が自分で選んだ道ですからね。俳優でなくてもいい。いい世界を持ってほしい。右京と同じように、僕も彼にはまた会える日が来ると思い続けています」
8.相棒シリーズ『土曜ワイド劇場』枠一話限りからのスタート

『水谷豊』は、
俳優活動初期から映画よりもテレビドラマ中心の活動が多い人気俳優で、
ヒット作も多いので、
ドラマ『相棒』出演前の時期は低迷期だったと思われがちだが、
定期的にドラマ出演があり、要は仕事がある状態で、
『水谷豊』自身はこの時期を低迷期とは思っていない。
当時はまだあった二時間サスペンスドラマ中心の出演だった。
テレビ朝日『土曜ワイド劇場』も、
『水谷豊』を主役に据えた一話完結サスペンスドラマを制作した。
その際、脚本家『輿水泰弘』に脚本を依頼した。
これが後の人気ドラマ『相棒』のスタートだった。
9.脚本家『輿水泰弘』
『輿水泰弘』=当時日本テレビを中心にドラマの脚本を書いていた人気脚本家。
1997年『恋のバカンス』

『明石家さんま』主演で高視聴率を記録した恋愛ドラマ
1998年『お熱いのがお好き?』
『椎名桔平』主演の銭湯を舞台にしたホームコメディドラマ
1999年『甘い生活。』
再び『明石家さんま』主演の恋愛コメディドラマ
いずれも好評で、
『輿水泰弘』はコメディが得意な、
恋愛ドラマ、
ホームドラマ
中心の脚本家だった。
そんな輿水に敢えて単発のミステリーの脚本を依頼した。
輿水は依頼を引き受けたが、売れっ子だったため、
脚本の完成までに一年半待つことになった。
10.『杉下右京』というキャラクター①

『輿水泰弘』は、『水谷豊』の出演ドラマを以前からよく見ていた。
『シャーロック・ホームズ』のような『名探偵』を水谷に当て嵌めようとしたが、
テレビ朝日プロデューサーは、『刑事もの』を要求した。
打ち合わせの結果、
輿水が考えた名探偵的キャラクターをそのまま、
警視庁の刑事として設定した。
結果、輿水が脚本で作り上げた刑事ドラマは『バディもの』(相棒もの)だった。
輿水が個人的に好きな、
ハリウッド映画のバディもの
イギリス風のミステリー作品
二つがうまく合わさった脚本だった。
11.『杉下右京』というキャラクター②

※この紅茶の淹れ方も、『杉下右京』はイギリス名探偵風だから紅茶を嗜むと言う細かいキャラクター設定から始まった。
そして、主役となる『杉下右京』は、
慇懃無礼、
皮肉屋、
基本敬語で話す、
切れ者、
切れ者すぎて嫌われ者、
実際東京大学法学部卒の高学歴、
博識
多才
その後警視庁内でエリートコースを外された人物、
現在窓際部署
私生活は謎に包まれている
実在したならば、
特に日本人からは、
確実に嫌われるキャラクター設定。
この嫌われ者の慇懃無礼な人物を、
輿水泰弘:「『水谷豊』なら、嫌味なく演じられるはず」
という理由での人物設定だった。
ただし、このような人物設定を『水谷豊』は今までに演じたことがなかった。
しかし水谷は脚本を読んで面白いと思った。
ヒットする予感もあったという。
ただし『水谷豊』が演じたことがないだけでなく、
今までに『杉下右京』のようなキャラクターが主役のドラマが、
日本にはなかった。
この記事は次回に続きます。