空(から)になれば、満ちる
最初にするのは、捨てること
何かを始める時、学ぶ時、それに集中するために、やることがあります。
捨てることです。
机の上に、書類や本、CD、DVDなどが置いてあると、視界に入ります。
見るだけで、エネルギーは漏れる
「見る」ということだけでも、人は、エネルギーを使います。
皆さんのいる場を見てください。
家や職場のデスクに、物や書類がたくさん置かれていますか?
視界にすぐに物が入ってくる状況でしょうか?
無意識でも、人間の感覚は、周囲からいろんな情報を常時、取り入れています。
周りに物があると、エネルギーがちょっとずつ削り取られていきます。
漏れていくと表現してもよい。
ちょっとずつなので、気づきにくいですが、これが習慣になると、どうなるのでしょうか。
単純化して言えば、以前なら10のことをするのに5分ぐらいで済んでいたのが、10分から15分かかるようになります。
自分が行動するときに、自分の周辺視野を含めて、その中に色々な物が入ると、はじめにやろうとした意志が、全部ブレます。
あなたが、周辺視野で見えているものは、全てあなたの意思決定に影響しています。
自覚していませんが。
しかも、見えるだけでその処理をするために膨大なエネルギーを使ってしまっています。
本棚があったり、物があったりするだけでも、その段階で見る力は弱まります。
もし100の見る力があったとしても、部屋に置いている物が見えるだけで、脳内で処理が起こります。
すると、エネルギーを使って受け取れる量が減るのです。
だから、何かやり遂げたいことがあるなら、ゴールに無関係なものは捨てるか、押し入れに突っ込むなりして、自分の視界に入らないようにする必要があります。
何か達成したいことがある時、自分の環境のデトックスをするだけでも、スピードはかなり変わります。
「いつか役に立つかも」
「これには思い出があるから」
と思って捨てられない人は、どんどん意志がブレます。
これは、思考の中でも同じことが言えます。
今まで学んできた知識や経験が邪魔をして、真っ新で、新しいことを学べないということが起こります。
カンタンな対処法
これの簡単な対処法があります。
A4の紙に、気になることややりたいことなど、全部紙に書いて、クリアファイルにしまって、見えないところに置くのです。
例えば、「一ヶ月後に見る」と決めて、スケジュール帳に書いて、見ないようにする。
あるいは、パソコンやスマホのブックマークに、「1ヶ月後に見る」というフォルダを作り、今、不要なサイトの情報は全てそこに入れる。
これをすることによって、最初は、自分がいかに、いろんなものに、エネルギーを取られていたかに気づくかもしれません。
自分の行動や考えを自覚できれば、変えられます。
ブックマークやお気に入りの場合は、「1ヶ月後に見る」フォルダのサイトがなくても、特に困らないことに気づくかもしれません。
宇宙リズムのデトックス
こうした、エネルギー確保の観点から、「捨てる」ことが発生する場合とは別に、人生のリズム、宇宙的なリズムの中で、それが起こることもあります。
それには、なるべく逆らわないことです。
それは、必要があって、起きているからです。
古代のシュメール人は、冬至や夏至、満月や新月が来るたびに、魂は小さな死を迎え、古い何かを捨て、新しい何かを誕生させようとすると、考えていました。
「これらの節目の前には、私たちは古きを捨てることを心がけてきた。死と生の象徴が意味するように、聖なるリズムの節目には古い自身を捨てることが自然の法則にかなっているからだ。古い思い、古い観念、執着心、うまくゆかなくなった物事、マンネリ化したと感じられる対象や物、滞ってしまった心や体の状態、それらをいさぎよく捨てることを、あなた方の魂はこれらの時期に望むのだ。」
(千賀一生『ガイアの法則』ヒカルランド、2020、p,187)
昨年12月下旬から、「風の時代」に入ったと言われています。
それ以前の「地の時代」の発想・考え方が、物質中心、見えるもの中心であったのに対し、「風の時代」では、見えないもの、情報、コミュニケーションにフォーカスが当てられると、捉えられています。
また、このこととは別に、時代の転換を感じている方もおられるかもしれません。
それを全身で体験するには、「地の時代」のあり方・やり方を捨てることも必要なのかもしれません。
自分という器が、古いもので一杯であったら、新しいものはそこには入りません。
まず、古いものを捨てる。
「それらを捨てれば捨てるほど、魂はその節目に新しきを得る。あなた方の中でも、目を見張るような進歩をする人がいれば、その人を観察してみるがよい。彼らは例外なくこれを無意識に実行しているはずだ。」(p,187)
これは、大なり小なり、皆さんの人生にもあるはずです。
それは、親しい人との別れとか、大事な物を失くすとか、人の縁が切れるとか、疎遠になるとか、そういう形で起きているはずです。
そして、その直後か、しばらくした後に、思わぬ人とのご縁ができたり、思わぬ仕事を始めたり、新しい世界が開けたりといったことが、なかったでしょうか。
リズムに逆らうと?
捨てるべきリズムにある時に、リズムに逆らうとどうなるか。
「捨てるべきリズムにある時、そのリズムに逆らった場合、宇宙のリズムは、強制的な喪失を彼に強いることになる。現代のあなた方は何でも溜め込もうとして、それが宇宙のリズムを滞らせる結果をもたらしている。各節目にあたって常に捨てることを心がけるだけでもあなた方の人生は向上する。これを怠っていると、宇宙は強制的にすべてを空にさせる状況を与えるようにできている。それは宇宙のリズムがバランスを取り戻すための働きなのだ。」
(p,188-189)
捨てることによって、バランスを回復している。
今の状態で、特に何も困っておらず、不安もないなら、それでいいと思われます。
しかし、何かがうまくいってないように感じられるのであれば、まずは、見えるものと見えないものの両方にわたって、不要なもの、捨てた方がいいものはないかを、点検してみてはいかがでしょうか。