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競合調査しないと後悔する話

▼1話目は以下からお読み頂けます(本記事は4話目です)

前回:モノが売れる下地作りができていた

SNSから商品を販売する場合は、フォロワーさんじゃなく、ファンが必要という話をしました。(その話はこちらから)

誠実にフォロワーさんと向き合っていれば、自然とフォロワーさんがファンになってくれるものと信じています。

少なくとも私はそうしました。

とはいえ、一朝一夕で成し得たことではなく、3年ほどSNSを継続運用した末の結果です。

フォロワーさんに信頼してもらうためにどういう活動をしてきたかについては、また別でお話しますね。

さて本題に戻りましょう。

本記事ではサイダー製作における「第2フェーズ:さまざまな調査」を説明します。

まだまだサイダー製作の序盤戦ですね。

サイダー製作の流れ(再掲)

・第1フェーズ:モノが売れる下地作り
・第2フェーズ:さまざまな調査
・第3フェーズ:商品・サービスの決定
・第4フェーズ:体制構築、販売経路の確立
・第5フェーズ:商品のパッケージの決定
・第6フェーズ:集客導線(SNSでの発信)
・第7フェーズ:サンプル商品の完成
・第8フェーズ:商品完成、正式販売

第2フェーズ:さまざまな調査

今回、ヨロンブルーサイダーを製作する上で、以下2点を調査をしました。

1. 世の中の青いサイダー(競合調査)
2. 地サイダーを作る製造メーカー

本来であれば、商品開発をする前に、以下のような徹底したマーケティングリサーチを行うのが常です。

1. 目的の整理・決定
2. 調査計画と調査実施
3. データ収集
4. データ結果の分析

ですが、今回は第1話でも書いた通りフォロワーさんのニーズを元に、ヨロンブルーサイダーを作ることを決めました。

企業が社運をかけて開発する商品じゃないから、手を抜いていると思われるかもしれませんが、私の中では原理原則が分かった上での「取捨選択」です。

とはいえ、今考えると少し危うさは感じますが、当時はフォロワーさんに受け入れてもらえるイメージしかなかったですね苦笑

あと、ヨロン島における「ヨロンブルー」の絶景は圧倒的人気!

ヨロンブルーに関連する商品が一つも存在しないことが、私のやる気に拍車をかけました。

だって、受け入れられるイメージしかなかったから。(大事なことなので2回言うスタイル)

この海がヨロンブルーと呼ばれている

マーケットイン、プロダクトアウトとは

まず、商品を作る際にめちゃ重要な内容をお伝えします。

開発予定の商品(今回はヨロンブルーサイダー)を「マーケットインで作るのか、プロダクトアウトで作るのか」です。

マーケットインとプロダクトアウトは、商品開発やマーケティングの基本的な考え方を示す用語。

それぞれの特徴と違いを簡単に説明します。

マーケットイン

顧客ニーズ重視のアプローチ手法。
消費者のニーズや市場のトレンドを調査し、それにもとづいて商品やサービスを開発します。

ようは、お客様(ファンの方)が求めている「顧客ニーズありき」で商品を製作することです。

プロダクトアウト

自社技術・アイデア重視のアプローチ手法。
自身のアイデアや企業がもっている技術を生かし、商品を開発します。

乱暴にいえば、消費者のニーズを考慮せず商品を開発し、世の中に販売することです。

もちろん、消費者のニーズを一切考慮しない、ということは昨今ではないでしょうけど…。

とはいえ、プロダクトアウトは「自分たちが作りたいものを作る」から入ることは多かれ少なかれ、考えとしてはあり得ることです。

ちなみに、この2つのアプローチは、どちらが良いとか悪いということではなく、それぞれ異なる戦略なので、その状況に応じて使い分ける必要があります。

ちなみにヨロンブルーサイダーには「マーケットイン」の考え方で作りました。(第一話をご参照ください。)

というのも、私が手掛けてきた商品・サービスは、今のところ全てマーケットインの考え方にもとづいています。

その理由は、以下の信念があるから。

ファンの方に求められるから作る、発信する

フォロワーさんからのコメントやリクエストがなければ、ヨロンブルーサイダーは、誕生していなかったといっても過言ではありません。

私は大企業に所属しているわけではないので、使える人的資源や技術、予算に限りがあります。

そうなると自分でマーケットを作っていくことは非常に難しいため、既存のファンの方々に受け入れてもらえる、既にニーズがある手法で製作することが色々な方に受け入れてもらえる近道だと考えました。

世の中の青いサイダー(競合調査)

では、本章の内容に入っていきましょう。

いきなりタイトルを覆すような発言をしますが、ヨロンブルーサイダーにとっての競合他者は、最初から想定していませんでした。

その理由は、以下のとおりです。

・ヨロン島のみで販売するため
・ヨロン島のお土産品として販売
・ヨロンブルーはヨロン島にしかない

上記3つを考えると、ヨロン島内で同じようなコンセプトで青いサイダーを販売する業者がいないうちは、競合になり得ないと判断しました。

これが世間一般に販売する商品だと、全然違うんですけどね。

本来はちゃんと競合調査をすべきです、それは間違いない!

鹿児島県にある離島の情報発信者が「島と自身のファンに販売する商品」という狭い商圏で展開するサイダーなので、継続販売として成り立つと結論付けました。

なので、このフェーズでいう競合調査というのは、以下5点に絞りました。

1. メーカー名
2. 価格
3. 販売時期
4. 販売経路
5. ラベルデザイン

結果として、競合調査をしていく上で、ロールモデルになる青いサイダーがあれば良かったのですが「これだー!!」とテンションが上がる青いサイダーは見つからず…。

ロールモデルが見つかると、いろいろショートカットができるのですが、そう甘くはなかったですね苦笑

海外までリサーチの範囲を広げることも考えましたが、今回は費用対効果の観点で見送りました。(ラベルデザインでは海外商品も参考にしました)

競合調査:1. メーカー名

調べ方は、Pinterest(ピンタレスト)での検索とGoogle検索を駆使しました。

Pinterestを初めて知った方もいらっしゃると思うので、少し紹介します。

Pinterest は、レシピやインテリア、ファッションなど生活をもっと楽しくしてくれるアイデアを発見・整理するツールです。

引用:ピンタレスト公式ホームページ

とにかくPinterestは、デザインに迷ったら、即起動すべきアプリ。

世界中のありとあらゆるデザインを紹介してくれるので、いつも助かっています。

デザインだけじゃなく、いろいろな商品を検索するときにも使えるので、今回もPinterestで青いサイダーを検索しました。

Pinterestの検索結果

Google検索は、言わずもがなですね。

いつもお世話になっています!

Google検索結果

検索結果は、想像通りではありましたが、青いサイダーは小規模事業者(個人)のいわゆる「地サイダー」がメインでした。

飲料メーカーとしては、チェリオコーポレーション社がブルーサイダーというサイダーを販売しているくらい。

最終的に全7事業者をピックアップし、比較してみました。

スプレッドシートで比較表を作成

競合調査:2. 価格

価格は税込み150円~380円の間。

地サイダー自体が200円~350円くらいのイメージなので、青くしているからといって、特に付加価値をつけた値段ではない印象です。

スーパーやコンビニエンスストア、道の駅といった小売店に卸すので、飲料水ですし、あまり高くしすぎると売れないのか…、と思った記憶があります。

ネタバレをしますが、ヨロンブルーサイダーは第一弾と第二弾がありまして、平均価格(税込み)は以下のとおりです。

・第一弾の価格(税込み):500円
・第二弾の価格(税込み):550円
※事業者さんによって若干の差異あり

第二弾のヨロンブルーサイダーを製造してくださったメーカーの社長さんから「うちで取り扱っているサイダーの中で歴史上一番高い!でも売れると思うなら高く売ったらいい!がんばれ!」と励ましのお言葉を頂戴しました。

結果、第二弾のヨロンブルーサイダーは2024年2月に販売開始し、半年で3,000本を販売していますので、ギリギリ合格かなといったところです。

ちなみにヨロンブルーサイダー自体の価格は「第3フェーズ:商品・サービスの決定」で決めます。

競合調査:3. 販売時期

これは「商品として長く愛されているか」を確認するための調査項目。

今回調査した青いサイダーの中で、最年長は2011年から販売されていまして、ダントツ長かったです。

その他は2020年以降に販売されているものばかり。

チェリオコーポレーション社含め、名前を知っている飲料メーカーの青いサイダーは夏だけの期間限定商品だったりするので、あまり参考になりませんでした。

あと、地サイダーの青いサイダーでも数量限定の販売方法をしていたり、いろいろな売り方をしていることが改めて分かった感じです。

個人的には、せっかく作るのであれば、長く愛されるお土産品として作りたい気持ちがあったので、2011年から販売されている青いサイダーには勇気をもらいました。

競合調査:4. 販売経路

続きまして、販売経路(販売チャネルとも言います)の検討です。

今回比較検討した7事業者の販売経路は以下でした。

■オフライン販売
・スーパーマーケット
・個人店:小規模店舗
・観光スポット
・飲食店、カフェ
・交通機関(駅、空港、高速道路)

■オンライン販売
・ECショップ:自社サイト、STORES
・ECモール:Amazon、楽天

地サイダーなので、地域密着型の販売施策を積極的に行っている様子。

サイダーを購入するターゲット層や商品の特性によって、最も効果的な販売経路を選択する必要があります。

そこは「第4フェーズ:体制構築、販売経路の確立」でガッツリ考えました。

競合調査:5. ラベルデザイン

最後はラベルデザインです。

ラベルデザインは、個人的に一番時間をかけた調査項目。

というのも私自身、デザインの引き出しがなさすぎて、本当に本当にラベルデザインは最後の最後まで悩みました…。

いや~、本当に大変でした!

とはいえ、第一話でも書きましたが「全て自分で完結させる、プロの力を借りない」と決めた以上、やり切るしかありません。

なので、青いサイダーだけじゃなく、参考になるであろう炭酸飲料水のラベルを国内外問わず調査しました。

調査項目は以下3つです。

・全体のイメージカラー
・フォント
・ラベル上のロゴやマーク等

100以上の炭酸飲料水のラベルを調査したところ、ある共通点が浮かび上がってきました。

・全体のイメージカラー

サイダーは青系のラベルが多かった

・フォント

サイダーの前面のフォントは、ゴシック体、明朝体が多めだが、ポイントになるキャッチコピーは「手書きフォント」が使われている商品も複数存在していた

・ラベル上のロゴやマーク等

より視覚的かつ分かりやすいよう、ロゴやマークが、ラベルに載っている商品が多かった

Pinterestの検索結果

ラベルの方向性は以下に決まりました。

・青系ベース
・ゴシック体+手書き文字
・ロゴを載せる

ラベルデザインについては「第5フェーズ:商品のパッケージの決定」で決めました。

SNSで情報発信をするようになり、投稿を自身で作成するのですが、その度にデザイナーのすごさを痛感します。

リスペクトしかありません!

以上で競合調査についての話は終わりです。

どの青いサイダーや炭酸飲料もいろいろこだわっていて、本当に勉強になりましたし、刺激をいただきました。

次のnoteでは「地サイダーを作る製造メーカー」を調べた内容を解説します。

単純に「地サイダーの開発って誰にお願いしたらいいんだっけか?」という私のシンプルな疑問からきた調査です。

詳細はまた次回...。

百合ヶ浜とヨロンブルーサイダー

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