【結局は顔でしょ】サイダーのラベル作成奮闘記(後編)
▼1話目は以下からお読み頂けます(本記事は10話目です)
前回:ラベル作成の前半戦
商品のラベルで売上が決まってくるといっても過言ではありません。
もちろん、売れる・売れないは、ラベルだけではありませんが…。
ですが、人間も見た目が重要なのと同様に、商品も見た目(ラベルデザイン)が重要すぎます。
前回は、ヨロンブルーサイダーのラベルデザイン手順のうち1~4まで、ご紹介しました。
ラベルデザインの手順
ちなみにサイダー製作の全体の流れは以下です。
サイダー製作の流れ
※第1フェーズ~第4フェーズまでは、既に執筆済み
5. 印刷の要件確認
それでは、印刷の要件確認から説明します。
ここでは、2つの確認・検討事項があります。
一つ一つ深ぼっていきましょう。
①ラベルの印刷方法を確定
こちらは、ラベルの印刷方法を確認します。
オフセット印刷やデジタル印刷などの印刷方法を決定する中で、使用可能な色数、特殊加工(エンボス加工、箔押し等々)についても選定するフェーズです。
判断基準は「予算」「見た目」の2軸。
金色の印刷だと金額が上がったり、エンボス加工だと豪華にできますが、さらに費用がかさみます。
予算と見た目のバランスですね。
私は、一般的な「オフセット印刷」を選びました。
オフセット印刷は、ドリンクのラベルだけじゃなく、雑誌やポスター、書籍など、世の中にあふれている多くの印刷物に活用されています。
また、オフセット印刷には、以下の利点があります。(5つだけ列挙します)
ようは、高品質かつ大量生産向きな印刷方法です。
オフセット印刷を選べば、まず間違いはありません。
②ラベルの素材選定
ラベルの素材は、非常に重要です。
私はヨロンブルーサイダーをこれまで2回(第1弾、第2弾)、製造メーカーを変えて販売してきました。
第1弾のヨロンブルーサイダーは「ミラーコート紙」、第2弾は「合成紙(ユポ紙)」。
結論としては、サイダー(ドリンク)のラベルには「合成紙(ユポ紙)」がおすすめです。
以下ご確認くださいませ。
ミラーコート紙のサイダーを冷蔵庫に入れると、結露した場合、ラベルが波打って剥がれます。
そりゃそうです、もともと耐水性が低い紙ですから…。
この時の反省点としては、自身で調べることをせず、安いという理由だけでミラーコート紙を選んだ私の落ち度です…。
一方、合成紙(ユポ紙)は、耐水性に優れているため、結露だけじゃなく、お祭りで見られる光景の「どぶ漬け(氷水に浮かべる)」でも、ラベルは剥がれません。
なので、第2弾は安心して海に沈めてヨロンブルーサイダーを撮影できます。
6. フィードバックと修正
とある元プロのデザイナーからの指摘
これまで、何回か説明していますが、私はプロのデザイナーではありません。
ですが、この商品は「自らできる限りのことを心を込めて手掛けていく」と決めたので、自身でラベルのデザインを行いました。
自分で行ったデザインなので、気に入っていることは事実。
とはいえ、自分のデザインに自信がもてなかったこともあり、友人や知人、お世話になっている方々に見てもらい、ご意見をいただいていました。
そんな中、大阪で運命のレビューを受けました。
今思い返しても、もしそのレビューを受けなかったらどうなっていたか、恐ろしくて夜も眠れません…。
そのくらいのインパクトです。
大阪では、とある経営者の方と飲むことになっていました。
その方のキャリアは元デザイナー。
別にヨロンブルーサイダーのラベルを見せるつもりもなかったのですが、飲み会の最中に、ラベル作成が一段落したことを思い出し、ドヤ顔でラベルを見せました。
開口一番「Part 2って、変ですよ!ファンタとかコーラで新商品が出た時に、Part2とかNo.2とかナンバリングしませんよね?消したほうがいいですよ!」と言われたんです。
一緒に飲んでいた、私が尊敬しているマーケティングのすごい方も、完全同意の様子でした。
そのご指摘を受けたラベルが以下です。
商品を手に取ってくれた消費者が「1ミリも疑問をもたないようにする」。
これはめちゃくちゃ大事なことです。
疑問をもたれた瞬間に人は、購買意欲を失います。
一部の好奇心が旺盛な方は「ヨロンブルーサイダー」「Part2」とググってくれるかもしれませんが、結果何も出てこないと、それはそれで商品を店に置くでしょう。
とにかく「Part2」は意味が分からないんです。
ホテルに戻り次第、速攻で「Part2」を消しました。
そもそもなんで「Part2」と表記したのか。
それは、ヨロンブルーサイダーとして第2弾だったので「じゃー、Part2ってロゴに入れるか!」くらいの軽いノリでした。
本当に軽いノリが大事故を起こすところでした…。
なので、これを読んでくださっている方は、最終的なレビューはプロに見てもらった方が絶対に安心!
あとは、ちょっとずつデザインを固めていく段階で、友人に一般消費者目線としての意見をもらうことも有効です。
回答を誘導しない範囲で、具体的な質問をして、相手が回答しやすい状態を作る配慮も行いましょう。
ちなみに、超初期のラベルは以下です。
全く別物すぎます…。
印刷会社とのやり取り
ようやくデザインが完成したところで、今度は製造メーカーと取り引きのある印刷会社とのやり取りが発生します。
製造メーカーによっては、印刷自体はこちら側で行い、完成したラベルを送ることも許してくれるケースもあるようです。
ただ…、あまりにも高価でなければ、製造メーカーが依頼している印刷会社に任せた方が得策と考えました。
以下のようなメリットがあります。
もちろん、商流に製造メーカーが入ることで、金額は上がりますが「工数削減」できることが重要です。
デザインは、Adobe社のIllustratorで扱える形式「aiファイル」でのやり取りとなりました。
結果、デザインの修正や確認で、10往復くらいやり取りを行いました。
やり取りの内容は主に以下です。
印刷会社側で記入する内容があるとのことで、文字色の指定を依頼された際は、以下のようなメールをお送りしました。
こっちのミスによる、ごめんなさいメールも送ったんでした…苦笑
印刷会社の方は、本当に優しくて、デザインや入稿に慣れていない私にいろいろ教えてくださいました。
可能であればやっておきたいこと
ターゲット層への消費者調査、これができたら尚良しです。
主にラベルの視認性や購買意欲への影響を確認。
ここでは、消費者調査で検討する項目のみをご紹介します。
ここまでできたら完璧ですが、個人ではなかなか難しい。
とはいえ、時間が許せば、一部でも行ったほうが良かったとは思います。
7. 最終デザインの確定と印刷準備
印刷データ「aiファイル」での提供を求められたので、何度も最終版だということを確認して、印刷会社のご担当者さまに送りました。
これからちょっと難しいことをいいますが、大事なことなのでご了承ください!
印刷データ作成のカラー設定は基本的に「CMYK」です。
画像を扱う際に「RGB」形式で扱うことが多いのですが、最終的に納品する際は「CMYK」のカラー設定にすることを依頼されます。
RGBで納品した場合、優しい印刷会社だと「弊社でCMYKに変えても良いですか?」とメールが返ってくることもありますが、あとでトラブルを防ぐためにも相手方の手間を考えても、事前にCMYKに変えておくほうが無難です。
上記以外に、印刷データの提供時におけるチェック観点は以下です。
印刷会社から注意点を教えてくれる場合もありますが、上記を意識して、最終データを提供したら問題ありません。
8. 最終承認と量産
印刷データの提供になったタイミングで、ラベルの画像に日付けと名前と校了した旨を記入して送るように依頼されたので、対応した内容が以下です。
最後に、校了したaiファイルのデータを使い、試し刷りを行います。(多分工場の方で行っているはず)
そこで問題があれば、連絡があるとのことでしたが、何も連絡がなかったですし、無事に商品化されているので問題なく印刷に進むことになりました。
ちなみに印刷会社によって、最低ロット数やボリュームディスカウントの数量は違います。
数万本を売る前提であれば、事前にラベルを多く印刷することでコストカットになるかもしれません。
ラベルデザインのまとめ
ラベルデザインについては、前編・後編でお送りしました。
以下、1~8の手順をきちんとご対応いただければ、プロに依頼しなくても、ラベルを作ることは可能です。
ただし、予算が潤沢にあって、時間削減と高クオリティさを求めるのであれば、プロに依頼したほうが絶対に良いです。
私は「思いを乗せる」ことを重きに置いたので、時間を使ってでも自分でつくることにしたので、ここは何を目的にするかという選択と判断ですね。
次は、いよいよビジネスで、欠かすことができない集客について「第6フェーズ:集客導線(SNSでの発信)」をご説明します。
私は主にインスタグラムで、集客を行いました。
次回からは、集客導線自体の解説と実施した集客導線の施策ご紹介します。
詳細はまた次回...。
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