見出し画像

舞台演劇に初めて触れたあの日から

2023年11月2日木曜日18時
こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ

私にとって、初めて生の舞台演劇を観た記念日であり、木村昴・浅沼晋太郎に出会った祝日である。


その日は、きむすば劇場旗揚げ公演「オムニバース」の8日目だった。1時間40分の中で6本のお話。終始笑わされたかと思えば、急にエモーショナルになったり。仲の良さが滲み出る幕間のトークにほっこりしたり。友人に連れられ座ったあの席で、新しい世界を見た。舞台がこんなにも興味深いものなのだと知った。
例えば、2つ目のお話「シェフ」×「雑誌編集者」。きむすば演じるシェフがお客さん宛に書いたラブレターを、雑誌編集者の浅沼さんが手直ししていく。笑う間隔が一番短かったのはこのお話だと思う。次から次へとボケがぶっ込まれて来て止まらない。
その中で私が一番好きなセリフが、浅沼さんの「いいか木木村村、女ってのはな?ちょっとやべえ奴に惹かれるもんなんだよ」。今日日の地上波なんかで流したら、ちょっとした炎上案件じゃなかろうか。Blu-ray何度も観てふと気がついたが、これ、直前でも同じようなこと言ってて。その時は「女性っていうのは少年っぽいところに惹かれるもんなんだよ。」と少しマイルド。女性が女に、少年ぽいがやべえ奴に。実はこの間にワインを一気飲みするシーンがある。もしかしたら酔っ払ったのかなと。背景は分からないけれど、笑いに関してもいろーんな配慮が必要な現代において、舞台演劇だからこそできた一幕だと感じた。

1番好きなのは5つ目の「教師」×「教師」。笑いとエモーショナルのバランスが個人的にとても好みだった。6話すべて語りたいけど、それはもう少し時間があるときに。


そんなこんなで、まんまと浅沼さんにハマった私が次に観劇したのは、彼が所属するエンターテイメント・ユニット「bpm」本公演「シーサイド・スーサイド」だった。公演期間は2024年5月30日~6月2日。この頃にはヒプノシスマイクにハマっていたので、主演の「野津山幸宏」の名前に大興奮した。
タイトルからも推察できる通り、めっっっちゃ泣ける。その上で、めっっっちゃ笑える。お笑い芸人、泣きと笑い、生と死、そして天使と悪魔。あと太宰。クセの強い設定すぎて、「これどうなるんだ…?」と思った記憶がある。なのに、それはそれは綺麗な物語なのである。普通だったら設定モリモリすぎてまとまりのないものになりそうなのに。11月2日が俳優浅沼晋太郎を知った日だとすれば、6月2日は脚本家浅沼晋太郎を知った日だ。
その日もう1つ感動したこと。私は映画や舞台、イベント、配信など自分の目で見たものをメモする癖をつけているのだが、この日のメモの1番上には「ちゃちゃさんがすごい」と書いてあった。何よりも最初に残しておこうと思ったのが、bpmメンバー笹岡幸司(ちゃちゃさん)さん演じる太宰治がすごかったことだったらしい。「すごい」って…もっと具体的に何かないのか?今考えると、私の中の太宰像が打ち砕かれ、新しく確立されたのだろう。ここら辺は、Blu-rayが届いたら考察し直そうと思う。

さて、年が明けた2025年1月には、bpm本公演「アヴェ・マリターレ!」が上演予定。シースーにも登場した天使・翼くんにもまた会えるみたい。まだ当落出てないけど。


1年前の今日、初めて舞台演劇に触れたあの日から、じわじわと私の中に芽生えた夢がある。あまりにも唐突で無謀すぎるせいで、未だ誰にも言えていないのだが。
人を楽しませることがこんなにも素晴らしいことなのだと、20歳を過ぎて初めて知った。その気持ちを忘れずにいたい。
浅沼さんを追いかければ、私はもっともっと新しい世界を見に行ける。それを感じるたびに、ワクワクが止まらない。

いいなと思ったら応援しよう!