「積極的にゴロゴロ」することは心理学的に正しい
自分はわりと「頑張る」方の人間だと思うのですが、それでも時々ふっと気が抜けて、何もしたくなくなることがあったりします。
3連休とかを「めちゃくちゃ生産的に過ごすぞ!」と予定を立てても、全然その通りに行かず、結局ずっとゴロゴロしてしまうこともあります。
昔はそういうことがあるとものすごく自己嫌悪に陥ってしまい、「計画通りにできない自分は最悪だ」と自分を責めていました。ですが、最近は「まぁ、休めってことだね」と思えるようになりました。
さらに、どうせ怠惰に過ごすなら「あー、ゴロゴロしてしまった、、」とネガティブにゴロゴロするのではなく、むしろ「しっかりゴロゴロする」ほうが精神衛生上も良いので、完全に開き直ってゴロゴロしています(笑)
これは人間の無意識も関係していると思っています。
心理学者ユングは、「創造的な心的過程には退行が必要である」と述べて、自分の中のエネルギーが無意識のうちにネガティブな方向に引っ張られることはむしろ重要なことだと言います。
先日紹介した河合隼雄氏の『無意識の構造』にはこんなくだりがあります。
つまり、「週末も頑張るぞ!」という自分と、「そんなに頑張れまへん」という自分。この2つの戦いが自分の中で始まると、自分の中で折り合いがつかないので、自己逃避が始まってしまうのです。私の場合、たいていはベッドの中でスマホをダラダラ見続けるという無為な時間が流れます(笑)。
これらは「創造的退行」あるいは「自我のための退行」などと呼ばれ、人間の意識と無意識が戦っている状態です。
これは、どうやら何かを生み出すために必要なプロセスのようです。
芸術家も、大作を生み出す前には他人から理解しがたいような時間の過ごし方をしている、と河合氏は指摘します。そしてこう続けます。
つまり、この自分の中の葛藤が一定期間進行したのちに、一定の「統合」が自分の無意識の中に行われて、再び前に進めるようになるというのです。なんと素晴らしい能力を私たちは持っているのでしょうか。
・・ということで、要するに自分がゴロゴロしたいのを正当化しているだけのような気もしますが(笑)、自分の中の葛藤が生まれたら、その葛藤を受け入れて、「時には自己逃避も必要だ」と開き直ってしまいましょう。
私はこれからも積極的にゴロゴロしようと思います(完)