【認知症予防大作戦007】手指に神経を集中させて想いを掌に伝えよう

私たちのカラダの中で、もっとも神経が集中的に集まっているところはどこだと思いますか?
答えは、手の指先です。手の指は「第二の脳」と呼ばれています。指先を使うことで脳が活性化し、認知症予防になると言われています。中でも、特に、親指と人差し指。なので、指をよく動かすことは、脳への血流量を増加させ、脳が活性化します。さするだけでもいいし、叩くだけでもいいし、指と指を絡めてギュッギュッとするだけでも違います。指先の運動ならカラダへの負担もかからないので高齢者にも最適です。

脳の中で最初に衰えていく細胞は、おでこの部分にある前頭葉です。ここは「意欲・やる気」の脳で、いろんなことに興味を持ってやってみようという気持ちがある人は若い人です。逆に、「面倒くさい」とか「そのうちやります」とか「遠いから行きません」とか言ってると、前頭葉の脳細胞がどんどん萎縮していきます。「やってみよう!」という気持ちを前面に出すことが大切です。ちなみに、恋愛をするのも前頭葉です。だから恋をしている人は若いです。「あの人ってステキだな」と思える誰かがいたとしたら、あなたは若いという証。要は、心ときめくようなドキドキが大事なのです。

はじめて異性の手に触れた日のことを覚えていますか?
幼稚園や保育園の時代の話ではありません。思春期を迎えて、異性として好意を寄せている相手の手を握ったり、その人と手をつないだりしたときのことです。

私にも忘れられない、自分でもびっくりした思い出があります。大学3年の時、学習塾でアルバイトをしていた時、中学2年生の女子と出会いました。彼女は無事、第1志望の女子高に進学。同時に、私は社会人デビューを果たし、つきあいはじめました。その子とはじめて手をつないだ時の話です。

当時はまだ塾の講師と教え子という関係でしたが、かなり露骨に依怙贔屓していた彼女とは、個別に外で勉強したり、その延長線上でデートまがいのこともしていました。もう時効なのでご容赦ください(笑)。で、遊園地に遊びに行った時、「迷子になると困るから」とか言いながら、シラ~ッと手を握ったわけです。ラッキーなことに拒絶されることもなく、そのままずっと手をつないで過ごしたのですが…。

私も彼女も急に口数が少なくなり、互いの掌に汗が滲むのが伝わってきます。するとどうしたことか、8つも年下の中学生の手を握って歩くというただそれだけのことで、カラダのある部分がギンギンに反応してしまったのです。これには驚きました。高校・大学と、それなりに女性とお付き合いをしてきた私でしたが、まさか、あの場面でわが愛棒(相棒:笑)が制御不能になるなんて思いもしませんでした。

その経験から、恋する者にとって最大の感動は、想いを寄せる異性の手のひらに初めて触れることなのかもしれない。そして、それを相手が拒むことなく受け入れてくれたならば、おそらくそれは、あらゆる行為のうちで最も大きな感動を生むのかもしれないと、あの時の私は思ったものでした。

実は、手をつなぐという行為は、安心を伝え合うスキンシップだということが科学的にわかっています。他にも、「脳内に落ち着きを与える効果」・「痛みを和らげる効果」があることが実証されています。

脳内に落ち着きを与えるというのは、例えばあなたが興奮状態(怒っている時など)にある時に、誰かが手を握ってくれたり、手をつないでくれたりすると、興奮状態が緩和されるということです。痛みを和らげるというのは、例えばあなたが頭痛に悩まされている時に、手を握ってもらったり、手をつないでもらったりすると、緊張がほぐれて安心することができるため、頭痛薬を飲んだ時と同様もしくはそれ以上に鎮痛効果が得られるということです。もちろん、ふたりの間に信頼関係があることが前提ですが。

医療や看護の現場では、よく「手当て」という言葉が使われますよね。あれは、患部に手を当てることで温もりを与え、痛みを感じにくくする意味があるのです。相手に対する信頼度が高いほど鎮痛効果も高くなると言われており、立ち合い出産などで妻が夫の手を握るのは本能的に安心感を求めているのだと考えられています。

ちょっと試してみてください。好意を寄せる相手に、「ちょっと手のひらを見せてもらえますか?」と言って、相手が差し出してくれたなら、「私が指で文字を書きますから、目を閉じたままで、何という文字かを当ててみてください」といった具合です。

そして、指先に「私はあなたが好き」という想いを一点集中させて、何回か文字を繰り返し書いてみてください。相手のほうは、何かむずがゆいようなくすぐったいような感覚とともに、ハートウォーミングな気持ちになってくるはずです。そのあとで、攻守交代して同じようにしてみましょう。きっと、お互いの心の距離が縮まるのが感じられると思います。

相手が不快そうにしていなければ、次のステップに進みます。どんなふうに手をつないだら、いちばんしっくりいくかを試してみるのです。「手のつなぎ方でふたりの相性がわかるらしい」とかなんとか言いながら、いろいろなパターンを試してみてください。お互いの手指を絡めながら、お互いに微笑が漏れてくるようなら、ふたりの相性は文句なしということになります。「じゃあ、これでちょっと歩いてみましょうか」と、いちばん落ち着く手のつなぎ方で、ちょっと並んで歩いてみましょう。きっと、ドキドキ感やワクワク感が芽生えてくるはずです。

手を繋ぐという行為は、非言葉コミュニケーションのひとつです。手をつなぐことで、心のつながりをも感じることができ、信頼度が増し、ふたりの関係はさらに良好になっていきます。「大切にされているんだなぁ」という気持ちになって、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌されて、ストレスが解消していきます。

ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは、不眠症や免疫力低下など私たちの体に悪影響を及ぼすと言われています。好意を寄せる人との仲を深めたければ、積極的に手をつなぎましょう。すると、こころが満たされてリラックスできます。不安な時に手を握ると安心できることからも、手をつなぐという行為にリラックス効果があるというのは想像できますよね。大切な人が不安そうにしているときは、ぜひ手をつないであげてください。

スキンシップの基本とも言える手をつなぐ行為は、精神面のみならず身体面にも良い効果を与えてくれます。手や指を動かすことと前頭葉の活性化は密接につながっています。もちろん、キスやハグも大切なスキンシップの一つですが、想い人といろいろな手のつなぎ方を試しながら、一歩ずつパートナーへの階段をあがっていってください。

そうそう。先述の彼女とは、しばらく一緒に、朝の満員電車で、私は通勤、彼女は通学という時間を過ごしました。ラッシュ地獄の小田急線で、ビジネススーツとセーラー服が手をつないでカラダを密着させている光景は、周囲の人たちからどう見られていたのかと思うと、冷や汗と脂汗が出てきますね。とても貴重な青春のワンシーンです。

でも、青春というのは実際の年齢ではなく、心の持ちようではないでしょうか。いくつになっても、好きな異性と手をつなげば、瞬時に青春時代にタイムスリップしてしまうものだと思います。四の五の言わずに、さあ。想いを寄せるあの人と手をつないでみましょう!

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