【デキる上司の十訓十戒011】長く話さない

さて、ここまでお話ししてきた、部下や周囲の人たちを魅了する10の方法論【デキる上司の十訓十戒001~010】は、いかがだったでしょうか? 

この記事からは、逆に、上に立つ者が絶対にやってはならない10のタブー(禁止行為)についてお伝えしていきます。十訓の内容と表裏の関係にあるものも出てきますが、そういうものこそ特に重要度が高いという認識を持ってください。 

古今東西、諸々のアンケート結果等を見ても、聞き手が萎える話のトップにあげられるのがこれです。

決して長く話さない。

披露宴の祝辞状態に陥った話というのは本人の自己満足でしかなく、招待客はもとより、新郎新婦でさえ辟易としているということに気づくべきでしょう。部下と話す際にも、(いたずらに冗長な話は)彼らには聴かなくてもいい権利があるということ。彼らの貴重な時間と寿命を奪っているということ。この二点をしっかりと認識しておく必要があります。

私的には、「職位が要職になればなるほど多忙を極める」→「部下とのコミュニケーションの時間が限られてくる」→「だからこそ、その限られた時間に部下に何を話すかが重要になってくる」という流れでお話をします。にもかかわらず、くだらない、どうでもいいような雑談を交わしているようではナンセンス。文字どおり、意味をなしません。

デキる上司は「一話一結一分以内」。ひとつの話にあれもこれも盛り込まないことです。ひとつの話に結論はひとつ。そして、それを1分でまとめることです。仮に上司にポジティブな感情を持っていない部下の場合、組織のヒエラルキーがありますから、一応、話だけは聴いてくれます。が、そこには、15秒しか集中力が持続しないという恐ろしい現実があるのです。テレビCMは15秒。これで視聴者の関心を喚起できなければ、その先はないということなのです。

かつてコンサルティングファームで、エレベーターピッチなるトレーニングを繰り返しやらされたことを覚えています。さまざまな場面設定のもとで、その案件のカギを握る人物(キーマン)とエレベーターでバッタリ乗り合わせたとき、咄嗟に何を話しますか? 外資系コンピューター会社からコンサルティングファームへ転職したての時期でした。40歳にもなって5つも6つも年下の上司から数々の批判を直球で投げつけられ、本当につらいトレーニングでした。

が、いまになってみると、そこにはとても価値のある学びがあったと感謝しています。さて、上司であるあなたは、エレベーターで乗り合わせた部下に何を話しますか?

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