【終活110番020】クールな老後のすすめ
私事で恐縮ですが…。
今年の秋、還暦を迎えます。
かつて 50 歳になったとき、とても気が重かった…。
ああ、四捨五入したらもう 100 歳だもんな。
そう思ったからです。
それがこんどは 60 歳。
概ね高齢者の仲間入りです。
シニアという呼称は、ときに 50 歳以上を指す場合があります。
でも、社会学でいうと、65 歳未満の人を高齢者とは呼びません。
それがまだ救いでした。
ところが、60 歳となると事情は変わってきます。
高齢者ではないものの、準高齢者です。
というのも、世の中の老人クラブや高齢者施設の入居要件として、
「概ね 60 歳以上」というのがあるからです。
だから、還暦になったら、それはもうほぼ高齢者なわけです。
そんな年齢を迎える元旦。
心に決めたことがあります。
それは、若い世代から、「あんな年寄りにだけはなりたくない」と
後ろ指を指されない高齢者になるということです。
言い換えると、クールな老後。
これを目指していくことにします。
日本語にすると、クールというのは「カッコいい」という意味です。
それでは、具体的にどういう高齢者がクールなのでしょうか。
元日まるまる半日かけて、
これを必要条件と十分条件に分けて考えてみました。
まず、必要条件から。
以前、横浜市内にあるお嬢さん大学の学生さんたちと懇談会をやったことがあります。
その時のテーマがこれです。
「あんな年寄りにだけはなりたくない」と感じる高齢者の言動は?
つまり、オシャンティーな女子大生たちが眉間にしわを寄せるような言動を絶対にしない
ようにする。それをクールであるための必要条件にしようと考えたわけです。
さて、彼女たちの指摘は、以下のようなものです。
そのまま表現するのはちょっと憚られるので、川柳風にアレンジしてみます。
・延々とおんなじ話を繰り返す
・群れなして電車ではしゃいでバカ騒ぎ
・直箸で料理つついて取り分けて
・食いながら喋って飛ばすカスと唾
・人前でホジホジスィースィー爪楊枝
・バカでかい痰とくしゃみとバカ笑い
・通り道ふさいでモタモタ立ち往生
・まちがいを決して認めず人を責め
・彼方から意気揚々と加齢臭
・老いてなおカネに執着するあわれ
・昼間から飲んで騒いで爆食って
・自覚なく老醜晒す見苦しさ
・幾重にも塗ったファンデが地割れして
どうですか?
賛否両論あるでしょうが、
私はう言動を戒めて生きていこうと決めたのです。
その上で、
こんどは十分条件です。
某メジャー大学のミスコン・ファイナリストたちに訊いたことがあります。
いつまでも素敵に歳を重ねるために何をしたらいいと思いますか?
まだ二十歳そこそこの彼女たちから出てきたのは、
以下のようなことでした。
さすがはミスコンのファイナリストたちです。
しっかりしています。
私は、これらをクールな高齢者たる十分条件として掲げて生きていこうと思います。
・口角をあげて柔和な表情で微笑む
・いつまでも人目を気にして身繕いに気を使う
・キチンとした生活態度を心がける
・自分から積極的にあいさつと声かけをする
・相手に配慮した思いやりのある言葉を使う
・社会人としてのマナーとエチケットを意識する
・笑顔と笑声と笑心を絶やさない
・相手の名前をたくさん呼んであげる
・なにかひとつ質問をしてあげる
・相槌と頷きで相手の言葉を受けとめる
・ホメ言葉でポジティブを連鎖させる
・知らない人にも愛を届ける
・森羅万象すべてに愛を語る
・自分自身にも愛を語る
・自分のカラダにこそ愛を語る
品格ある生き様を象徴するような立ち居振る舞いです。
なんか、こういうことを書いているだけでもクールな高齢者に近づくような錯覚を覚えま
すよね。
さいごに、百寿コンシェルジュとして、晩節を汚さないための老い支度についても具体的
なアクションを再確認しておきます。
以下、晩節を穢さないためのクールな老い支度です。
賛同される「ほぼ高齢者」のみなさん。
私と一緒に行動していきましょう。
・もしもの場合の連絡先は常に携帯しておく
・外出時リスクを減らすため、活動エリアと活動時間を考慮しよう
・加齢臭対策を徹底しよう
・いつまでも枯れないように意識しよう
・医者とは距離を置こう
・ムダな延命治療は拒否しよう
・暴飲暴食を控える
・認知症予防に投資する
・ボケてもいいように、目の黒いうちに老後の設計図を書いておく
・子どもたちへの謝罪と感謝を伝える
・老後の想定課題ごとに、ギブ・アンド・テイクで依頼事項をまとめる
・介護が必要になった時どうするかを考えておく
・認知症の症状を指摘されたときどうするかを考えておく
・施設さがしの具体的な時期と条件を考えておく
・思いがけず手術を勧められた場合のスタンスを考えておく
・終末期医療に望むこと望まないことを考えておく
・財産の棚卸と引き継ぐ者のマッチングを考えておく
・葬儀と死後事務をどうするか具体的に考えておく
・子どもたちを集って、老後の設計図を読んで聞かせる
・内容変更の有無にかかわらず、年に一度は子どもたちと顔を合わせる機会を持つ
還暦イヤーの元旦から、かなりハードルを上げてしまいました。
でも、今回ばかりは有言実行していきます。
若い人たちから、
本音を言えば、特に若い女性から、
「あんな年寄りにだけはなりたくない」なんて言われないために。
ディスられる年寄りから、リスられる年寄りへ。
チャレンジの一年が始まりました…。