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百寿コンシェルジュのイベント運営術

前回から、シニアビジネス究極のひとり起業モデル、安心老後のパートナー『百寿コンシェルジュ』の仕事内容について書いています。今回は、地域でのイベント開催についてです。

地域のいろいろなチャネルとの関係を築いていく傍ら、実際の業務開始に向けて実践していただきたいことを順番に整理してみましょう。まずは、老い先案内役として、あなたが地域のみなさんの役に立つためにプレゼンテーションできる話材を用意してください。

といっても、そんなにむずかしく考える必要はありません。ビジネスプレゼンとは訳が違います。例えばシニアが日々の生活の中で遭遇する可能性の高いいくつかの分野について、最低限知っておきたい情報等を広くわかりやすく解説してあげるのが入口としてはいいかも知れません。熟年生活を円滑にするためのガイドみたいな感じでしょうか。何回かに一度は、あなたの得意分野や趣味の話、好きな映画や本のサマリーでもOKです。

実際にやってみるとわかりますが、世の中のシニアは、驚くほど何にも知りません。そして、「知っているか知らないか」。たったそれだけの違いで、いざという時にホントに悲惨な状況に陥ってしまうのだという危機感がまったくありません。それは言うまでもなく、日本という国の上層部の人たちが、医療と福祉をはじめとする世の中のしくみをわざと難解にしているからです。そうすることで、私たちは国家の経営に協力せざるを得なくさせられているのです。だから、医療や福祉のシステムも超複雑なのです。

ということで、その入門講座でもいいですし、年金や介護保険、終の棲家、救急車の呼び方、葬儀等もシニアの関心が高いテーマです。他にも、生命保険、食事、エクササイズ、遺言状等、みなさんの得意分野があればそれもまた可です。ときには、みなさんの趣味や得意分野のネタがあってもいいでしょうね。「よく学び、よく遊べ」が、高齢者を退屈させないコツかもしれません。

最初の渉外活動は、老人(高齢者)クラブ連合事務局からアプローチするのがベストだと思います。公民館長や民生委員も重要なチャネルですが、もっとも間口が広くてとっつきやすい、つまりハードルが低いのが老人クラブだと思います。

そこで最初にあなたがやることですが、事務局長または会計担当(通常は女性。私が関わったクラブではすべて、この女性がキーマンでした)に対して、「①地元でこれから積極的に相談業務を行っていくこと ②シニアの役に立つ各種イベントを開催していくこと ③今後、クラブの定例会や催しなどで話す機会を戴ければ嬉しい」ということを明確に伝えてください。

そのうえで、老人クラブ連絡協議会会長(通称、連協長:ブロック長のようなもので、その下に10~数十名の部長がぶら下がっている)を紹介してもらえないか相談してみます。すんなり名簿をもらえる場合もありますし、まずは一度、連協長会議(月例)で時間を取りましょう……という流れになることもあるでしょう。

この流れのなかで、2~3名の連協長と懇意になれたら、あなたの活動は、本当に楽になるはずです。人間関係さえできて、あなたの話が面白ければ、かなり協力的に集客してくれるからです。ちなみに、人口20万人クラスの自治体だと、連協長なるシニアは20~30名。各連協長の下に、部長(中学校区単位高齢者クラブの会長)が30~50名、組織されているのが一般的です。

次にやるべきは、地元で開業している医者との接点をつくることです。相談活動を行っていくと、やはり医療に係る相談が多いことがわかります。それに、医者と関係を持っているということは、世間的に信用が高まるということが依然としてあります。あなたが企画するイベントで医者に健康講座などをやってもらえればしめたものです。

さらに次のステップとして、その医者の病医院内で相談コーナーを設けさせてもらったり、そこの患者さんたちを紹介してもらったりできるようになる可能性が出てくるはずです。もちろん、みなさんのほうから提案するのもいいでしょう。

そんな医者を2~3名つかまえることができたなら、あなたの活動にはグッと幅ができてきます。いや、ひとりでいい。現実問題として、病医院では身体的な健康に係る問題以外には対応のしようがないわけです。流行っている医者ほど患者の回転を良くする必要があります。本来の業務である診察に集中するには、シニアの生活上の悩みや愚痴に耳を傾けてはいられない。そこをあなたが拾ってあげればWin-Winの関係になるでしょう? 診療以外の厄介な相談はあなたに振ればいいわけですからね。

患者サイドにしてみれば、さまざまな問題を抱えながら日々を過ごしていて、身体のことだけを解決しても本当の意味で健康にはなれません。この連携関係が作れれば、病医院側にとってのみならず、シニアにとっても助かる話なのです。

こうした環境が整ってきたら、いよいよあなたが地元の老い先案内人として表舞台に立つことになります。啓発講座や各種イベントを企画して、いざ公民館や、あるいは老人クラブの会合、病医院のホール等で実際に話をするのです。「私は老い先案内人として、今日お集まりいただいたみなさんの不安を低減するお役に立ちたい。本気でそう思っています」と念じながら、心をこめて……。 

そして、本題の終わりには必ず、5分でもいいからあなたが運営するシニアコミュニティへの入会案内をするようにしましょう。みなさんが地元で展開していこうと考えているサービスについて、わかりやすく説明してあげてください。そのうえで簡単なチラシ程度は手渡したいところです。

また、忘れてはならないのがアンケートです。記名欄(氏名、住所、電話)も用意して、感想と今後企画して欲しい内容、さらには現在のお困りごとを記入できる欄を作っておきます。これによってあなたにとっての見込客(会員)名簿を増やしていくわけです。まずは100名のリスト作成を目標にしてください。そうすれば、10人程度は会員になってくれると思います。

自分のことを振り返ってみると、立上げ当初、学習会を週1回やったのはかなりハードでした。しかも第一部と第二部の2講座にして、ひとつは私が話し、もうひとつは毎回ゲスト講師として、医者、看護師、薬剤師、管理栄養士、ケアマネジャー、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、自治体職員、消防署員(救急隊)、葬儀屋等を確保しました。なんといってもスケジューリングに骨が折れました。

それと、毎回座学だけだと不健康なので、軽体操や歌、ゲームや映画鑑賞(DVD)などで退屈させないような工夫をしました。また、会費とは別に、資料のコピー代やおやつ代として500円~1000円をいただくようにもしました。もちろん、それらをあらかじめ盛り込んで、会費を少しアップしてもいいでしょう。こうした試行錯誤を経て、現時点では前回の記事で書いたように、「レギュラー会員」と「VIP会員」のふたつに落ちついたわけです。

会報誌もあったほうがいいですね。毎月の講座に参加できない会員に対しても、最低でも月に一度はあなたのことを記憶によみがえらせることが大切です。一定のサイクルでコミュニケーションを取っておけばこそ、いざという時にあなたにコンタクトしてもらえるのです。

会報誌は完全手作りにして、あなたのキャラクターを前面に出したものがいいでしょう。要は、信頼関係の構築が目的なのですからね。前回の講座の様子や次回の予告、あなたの関心あるテーマで記事を書くのもいいでしょう。小学校時代の学級新聞のイメージで、柔軟な発想で作成することが重要です。ネタに困ったら、会員から寄せられた声を掲載したり、会員を順次紹介していったりするのもいいですね。

いかがですか?                           なんか楽しそうでしょ?ワクワクしてきませんか?

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