【デキる上司の十訓十戒018】つるまない ~評価者と被評価者は結局アンチ~
上司と部下というのは、例え見かけ上は良好な関係に見えたとしても、やはりアンチだと思ったほうがいいでしょう。結局は、評価する側とされる側。そこには適度な距離感が求められます。
そう考えると、部下たちと頻繁に飲み歩くのは考え物です。飲んで楽しい気分になり、その場に部下たちがいるという状況は、上司にとってはリスクです。ついうっかり鎧を外してしまい、あけすけな本音を漏らしたり、人としてだらしのない立ち居振る舞いをしてしまったり…と…いう可能性がゼロではないからです。つまり、それまでに築いてきた部下からの「信」を、酒によって損なってしまうかもしれないということです。念には念を入れたいものです。
私がかつて出会った上司でカッコいいなぁ~と憧れていた人たちには共通点があります。自分は誰よりも早く退社する。繁忙時に残業していると差し入れが届けられる。飲み会では余分にお金を置いて誰よりも先に店を後にする。こんな具合です。後にわかったことですが、帰宅して家族と食事を済ませると、書斎で仕事をしていたようです。どちらかというと、早起きして4時くらいから仕事したり、始発で出社して仕事したり。そんな上司が多かったように記憶しています。
そう。デキる上司というのは、誰よりも早く退社し、誰よりも早く出社するものです。そのほうがダラダラやるよりもはるかに生産性が高いことを知っているわけです。残業については、原則として当日の15時までに事前申入れをさせていました。営業部門は残業代がつかないのですが、それでも水道・電気等のコストが発生します。ですから、無意味な残業を許さなかった。部下に事情説明させて、やむを得ないと判断した場合に限って、必要な時間数だけ残業を認めていました。管理職としては当然のコスト管理です。
管理職研修を行っていて感じるのは、もっともっと残業というものの扱い方をシビアにするべきだということです。仮に残業代請求ができる組織・部署であればなおさらです。そもそも、ホワイトカラーの仕事などというのは、未来永劫、キリなどないものですよね。だからこそ、各自の判断やプランド・オペレーションが求められるわけです。
で、これがデキない人間ほど残業が多いと、私は思っています。上司であるあなたが率先して、「残業は美徳」などという100年古い悪しき慣習を断ち切ってください。