【老親リスクを回避せよ06】老老地獄ナウ
シニア(65歳以上)人口3千6百万人。うち、後期シニア(75歳以上)人口1千9百万人。100歳以上は8万人。10万人を突破するのも時間の問題です。きんさん・ぎんさんが重宝がられた時代が懐かしいですよね。平均寿命は、男性81歳、女性87歳。健康寿命は、男性73歳、女性75歳。世界ランキングは断トツの1位です。
でも、誤解してはダメです。決して不老長寿になったわけではないのです。私たちは、長生きと引き換えに大きなリスクを背負いこみました。それが、平均寿命と健康寿命の差、です。推定要介護期間は、男性8年、女性12年。現時点で、要介護者670万人。認知症患者は600万人。予備軍も含めると1000万人を優に超えています。「老老地獄」は、こうした人口動態の中に存在しているのです。
ちょっと、「老老地獄 介護殺人 老老介護 介護虐待」でキーワード検索してみます。
●都営団地で2遺体…1人はミイラ化、高齢男女(80代・70代)兄妹か
●出口なき介護地獄…認知症の祖父(73)の介護に疲れ、祖母(56)・娘(31)・孫(9)が無理心中
●恐怖の認認地獄…認知症の妻(81)を認知症の夫(85)が殺害
●老老介護の地獄絵…83歳妻が寝たきりの84歳夫を刺し殺す
●夫婦愛を憎悪に変えた老老介護…72歳夫が71歳妻の命を絶つ
●絶望の介護殺人…85歳の母が寝たきり状態の62歳の長女を殺害
●老老介護の結末…59歳長男が91歳父を殺害、息子をかばう母85
歳
●偽りの絆…四世帯家族の暮らしに居場所なし、85歳の認知症女性「もう死にたい!」
●生活保護も断られ人生を断念…54歳息子、認知症の母親(86歳)を絞殺
●母娘介護殺人…もう限界!介護に疲れた二女(58)が寝たきりの母(82)を殺害
●父娘介護殺人…介護に疲れた娘(59)が病気で寝たきりの実父(86)を絞殺
相次ぐ家族間の凄惨で哀しい事件。氷山の一角かもしれませんが、過去20年間で推定1千件。毎月4~5件の割合で、この国のどこかで家族間の地獄絵図が起きていることになります。
一般に、家族の問題は他者の介入・介在がむずかしいものです。福祉の限界がそこにあります。老老地獄は、想像以上にあちらこちらに人知れず転がっていると考えたほうがいいでしょう。壊れゆく老親、壊れゆく配偶者、壊れゆく老いた子。すがる親世帯、忙しい子ども世帯、離れゆく血を分けた親子の心。あなたのすぐ身近な場所にも、老老地獄はあるかもしれません。
老老地獄…。 自分には関係のない話だと、本当に言いきれるでしょうか。これを他人事で済ませてはなりません。いつ、誰の身に起きてもおかしくないということを認識しておく必要があります。
老後リスク、長生きリスク、老親リスク、家族介護リスク、親子殺人リスク…。つまり、長生きしなければならない時代を生きる私たちにとっては、リスクマネッジやリスクヘッジは必要不可欠だということです。それが、世界に類のない長生きの国・ニッポンで生きていく私たちが背負った十字架なのです。
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