府中牝馬S・雑感
エリザベス女王杯を睨むもの、マイルCSを睨むもの、今後の高みを望むもの、13頭13通りの視線、71回目、伝統の「府中牝馬の記」
先手不在の中で、首を上げ、折り合い苦戦が複数頭いるなか、ひと際一気呵成の行きっぷり、1番人気ディヴィーナがまさかの逃げ、少々どよめく場内、先手に立っても、折り合いの労苦は続く
2番手にコスタボニータ、ルージュスティリア、アンドヴァラナウトと続き、シンリョクカは中団、プレサージュリフトとルージュエヴァイユは後方で決め手を磨く
1000㍍通過60秒ジャスト、それでもディヴィーナは首を上げている、後続は機を見て差を詰め始める、直線、ディヴィーナから後続までの差は5馬身、脚衰えぬ先手ディヴィーナ、ルージュスティリア・ライラック・アンドヴァラナウトが2番手グループから追い上げ、外から後方勢ルージュエヴァイユと伏兵フィアスプライドの鋭伸が目立つ、プレサージュリフトも中ほどから脚は伸ばす
残り200㍍でディヴィーナとの差は3馬身、迫るのは外からルージュエヴァイユが単独2番手からさらなる伸び、焦点は2頭、急接近のエヴァイユ、両極の戦法2騎が演じた接戦のゴール板、ディヴィーナのハナがひとつ前に出ていた
2013年・14年のヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナの3番仔、2戦連続重賞2着の惜敗にピリオド、本来の戦法ではなかったにせよ、この勝利は大きい、次なる視線はおそらくマイルCS、相手なりに走る気質、本番でこそ馬券的妙味をそそる
文面をなぞるように、ルージュエヴァイユは「2戦連続重賞2着」、しかし先行して、差してと戦術異なる競馬での進境の内容、ただやはり差しの型が本来の姿のよう、エリザベス女王杯の走が叶えば面白き資質
評価を落としたライラックは兆しある3着、先団後ろの競馬が出来たのは収穫、昨年のエリザベス女王杯では人気薄で2着、本番への存在感は示した、最速上りを駆使し4着のフィアスプライドはこのあとの適鞍がなさそうなのはネックだが、昨年3着の中山ターコイズS出走なら見放せない存在になる
プレサージュリフトは悪くない5着、ただ1800㍍だと決め手が鈍る、姉はアイビスサマーダッシュ2勝のオールアットワンスで母も短距離で活躍した、1400㍍以下で一度見てみたい、シンリョクカは力不足というより経験値の差、折り合いも欠き、直線は気迫負け、意気負けのような失速、まだキャリア5戦、出直しの次戦が真価
そして3~4コーナーで競走中止のストーリア、残念ながら予後不良との報、名牝シンコウラブリイの血を継ぐ牝馬の喪失、冥福を祈祷
霜月の淀、視線は違えど同舞台で待つ2つの大一番、お色を直しての艶やか・華やかな舞、紅葉の赤、鮮やかな芝の緑、「映えの淀」が待ち遠しい