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人生100年時代の介護士のキャリアプラン
ミラクルな介護保険
日本の介護業界の外側にいると、介護業界の人たちがとても重要視しているあるモノがまったく気にならなくなります。ズバリ、介護保険です。
介護保険法改正の動向や介護報酬改定の行方など、ネットでよく目にしますが、介護業界の外側にいる人から見ると、「へ~、そうなんだぁ」程度なことだと思います。
介護〝サービス〟と言うものの、利用者はそのサービスを購入するのに、1割しか負担しなくてもよいのだから、他の業界からみたらすごいことですよね!!所得に応じて、2割、3割負担のようですが、それでもすごいことですよね!!
例えば、お寿司屋さんに行って1万円分のお寿司を食べて、支払いが1000円だったらどうですか?すごいことじゃないですか?もうびっくりですよね!?ビックリ寿司状態です!(お寿司たべたいな~。(注)マニラ在住&ロックダウン中)
他業界ではそんなミラクルなことはないから、どうやったらお客様に1万円分の価値を提供できるのか、研鑽を積んで、技術を磨いて、付加価値を創り出しているのだと思います。1万円の価値を創り出すって大変ですよ、ほんと。
介護保険の外側で出てみる意義
ミラクル介護保険があるのだから、サービスの質を向上させて付加価値を創出するよりも、お国から9割の報酬が得られる介護保険法改正の動向や介護報酬改定の行方に注目するのはとても良くわかります。経営者であれば当然の判断だと思います。
しかし、現場で働くイチ介護士としてはどうでしょうか。介護保険ありきの報酬に依存していては、いつまでたっても自分の報酬は自分で決めれません。お国の作り出すキャリアプランにのっていくしかないと思います。
もちろん、こんな時代ですからね、安定を求めて自らのキャリアプランをお国に任せる生き方も悪くないと思います。でも、もし自分の報酬を自分で決めていく生き方を望むなら、介護保険の外側に出てチャレンジするのがいいですよね。
今、何気なくおこなっている自分の介護サービスが、介護保険の外側に出た時、どれくらいの付加価値があるのか、考えてみたことありますか?
自らの市場価値を把握する
実は、私は以前、日本とアメリカでマッサージ師として働いていました。大学時代にマッサージの技術を身に付けていたのです。日本の時は歩合制で、報酬の出し方は、
マッサージを行った時間×サービス単価=報酬、です。
お客様から指名を頂ければ、それだけマッサージを行う時間が増えます。報酬を増やしたければ、技術を高めて、接客力を磨きますよね。
その後、アメリカでマッサージ師として働いた時には、
マッサージを行った時間×サービス単価+チップ=報酬、です。
1時間のマッサージでチップが10ドル、20ドルと入るのだから、さらに顧客満足を高めようとがんばりますよね~。これって特段おかしな話ではなく、至極当然ですよね。(アメリカ時代、ここを押すとチップが増えるというツボを発見しましたよ!(^^)!)
なので、アメリカ時代、マッサージ師としての自分の価値がどの程度なのか、常に意識して技術や接客力を磨いてきました。自分の報酬は、自分で決めていたのです。
介護士も個人事業主になる時代
介護は究極の接客業だと思っています。自分が介護を受ける時、すばらしく上手にオムツ交換をしてくれる介護士さんにお世話になりたい!しかも、自分だけではなく、家族の誰かのオムツ交換もお願いしたい!
スピーディにかつ繊細に、羞恥心にも配慮して、オムツの当て方もシーツのしわも完璧に仕上げてくれるプロフェッショナルな介護士さんです!絶対にニーズがあると思います。でも、介護保険の中では無理ですね。
もちろん、介護保険は介護保険で大切です。でも、人生100年時代ですからね。人生の一時期を介護保険の外側にでてチャレンジし、また介護保険の内側に戻ってくる生き方もありなのではないでしょうか?介護と別の職業を掛け合わせて新しいマーケットを創り出すのも面白いと思います。
そんな感じで、介護士一人一人が個人事業主という感覚をもっていけば、日本の介護業界はさらに魅力的になりますし、世界にも十分に打って出ていけると思います!介護業界の未来は、明るい!!