見出し画像

アルバイトとサスペンダー後編

ポンコツの尊敬するほっしーさんお仕事の達人🫶

この日は、スーパーでビールの試飲販売であった。このメーカーのビールの試飲は何度かやったことがあったから楽勝さ!と思っていた。

販売場所は初めて行ったお酒多めのスーパー?だった。10分前について、精一杯のキメ顔にして事務所へ入る。


自信みちあふれっ

「失礼します!〇〇社から参りました試飲販売のものです!今日1日よろしくお願いします!」

と、びしっっと決めた。ひゅー!




ありがちだけど事務所はぐっちゃぐちゃ


…やくざ…?みたいな店長がくるっとこっちを向いて言った。


インテリヤクザ…?

「帰れ」

そしてまたクルッと背を向け仕事をはじめた。



聞き間違えかなっっ🫶

「あのー!今日一日お世話になります!準備させてもらってよろしいでしょうか!」

と大きめな声で言った。

すると


組長かなっ

「聞こえなかったのか!帰れってゆってんだろ!」

と怒鳴られたのである。

しかしポンコツはなぜ、組長が怒っているのか全くわからなかった。


えーーっと??

って顔でしばらく立ち尽くした。


なんだろ、

なんか失礼な挨拶だった?

言い方?

敬語まちがってた?

髪型?

雰囲気?

ポンコツだってバレてる?

臭かった?


どう考えてもわからなかった。


そしてポンコツは言った。


あのー…何かしちゃいました?


と。すると組長は


生理前なの?


「社会人として、君は1番重要なことを言っていない!!」 

うーんでもなー、挨拶もしたし、お辞儀もしたし、会社名もしたしなー
 


すみませんでしたあっ!!!

とりあえず謝ってみたものの、組長は背を向けたまま何も言わなくなってしまった。


POTSUN

ポンコツは帰りたくなった。だけどここで帰ったらなんかもっと怒られそうだ。

だから頑張った。


あのー!!なぜおこってるのか教えてください!!

直球できいた!

すると、組長は


ふう…



「君は名乗らなかった」


キミハナノラナカッタ



…えーっと

「ポンコツでっす…」

と小さな声で伝えた。
すると組長が



こわいて

「はい!ポンコツさん!今日1日、よろしくね!」


と笑顔で言った。


その日、ポンコツはビールを売りに売りまくった。組長の笑顔のために。

そしていつもよりだいぶ売れたのだった。


帰りに


はははは!!!

「いやー!ポンコツさん!!すごいねえ!きみ!ぜひまたうちに来てよ!!」


と言われた。


2度とその店には行かなかった。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集