シングル親指シフトの幻想と現実
スペースバーだけのUSキーボードでは同側シフトのひらがな入力はできても、対側シフトの濁音・半濁音の入力が出来ません。このno+eはQMKキーボードで実際に試行してみた感想です。
1. 濁音・半濁音キー
濁音や半濁音の親指シフトを止めて、JISキーボードのように独立した濁音・半濁音キーを使うという手があります。 USキーボードでは都合のよいことに「P」キーの隣に割り当てがありません。
濁音・半濁音キーが押された場合、前のキーが有効なひらがなであればBackspaceを送って前のキーの濁音に変換出来ます。濁音・半濁音のキーがシフト無しと決まっているので、考え方は楽です。前のキーを格納する変数を用意し、濁音用と半濁音用にテーブルを用意しました。
濁音用と半濁音用は2タッチになるので打鍵スピードは上がりませんが、JISかな入力の人はこんな感覚なのでしょう。
濁音キーはNICOLA規格(案)より一つ左にズレています。キーの位置はJIS配列と同じだし不都合はないと思います。
そもそも左右親指キーがあるのに何で濁音・半濁音キーがあるか不思議でしたが、片手でも親指シフトができるようにするための配慮だったかもしれません。やまぶきRではJISキーボードで同じ事が出来ますから、USレイアウトのノートPCにも応用でるかもしれません。
2. キー押下タイマーを使った濁音入力
2.1 キー押下タイマー
QMK firmwareでnicolaを実装すると、キーを押下を測るタイマーが作動するので、タイムアウトのときに長押しと判断することができます。考え方としては、①文字キーだけのタイムアウト(S2)、②親指キー(S3)のタイムアウトなどが考えられます。ここで対側シフトの濁音や半濁音を出せばいいだけなので、簡単に試すことが出来ます。
IME ON/OFFはCAPS LOCKをトグルさせることにしました。
2.2 文字キー長押しの場合
文字入力(S2)のタイムアウトで対側シフトにしようというものです。同側シフトは普通に出来ますが、長押しでこれが濁音か迷っているあいだに濁音になってしまいます。この一瞬の迷いが、分割スペースバーの場合とリズムが違うかもしれません。
2.2 親指キー長押しの場合
この場合は親指キー単体の押下でタイムアウトした状態(S3L)を作ります。このまま文字キーが押されるか、親指キーがリリースされるかを待ちます。一瞬考える時間があるのでタイムアウトは無視します。
この場合は親指キーを押して一呼吸おくという動作になります。許容範囲かもしれませんが、やはり楽しくありません。
3. まとめ
濁音・半濁音キーを使用する場合は対側シフトより面倒ですが、ひらがなが3段に収まっているぶん、JISかな入力よりは合理的かもしれません。また、3段に収めた幻の新JISキーボード配列より優れているかもしれません。一方、キー入力タイマーを使う場合は「待たされている」感覚があるので、打鍵のリズムが 快適ではありません。それだけ左右親指シフトが快適ということでしょう。
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