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2019年マイベストトラック(about)30

2019年も好きだ~と、スンゲェなあと思えて楽しめる曲が沢山あった。
以下にそこからおよそ30曲を挙げていきたい。並びは順不同で。YouTubeに公式にMVがアップされているものは貼りつつ、そうでなければ画像にSpotifyのリンク貼ります(自分でも見返すように)。

小沢健二「高い塔」

今年の小沢健二の楽曲の中で、最も印象的だったのがこの「高い塔」だった。その都会の夜を思わせる音遣いに『Eclectic』の色気を感じ、リフレインによって6分の全体を使って高揚させる構造は『犬は吠えるがキャラバンは進む』『LIFE』のパワーを感じた。コーラスの重ね方も印象的だったし、スティービー・ワンダーばりにファンキーなキーボードのフレーズもカッコいいし、たまらんかった。


岡村靖幸「少年サタデー」

上半期選出。心弾むようなイントロから始まる「ラブメッセージ」を髣髴とさせる明るい一曲。サビの「いつもほのかに燃えてる 心が弾ける」といった部分の、音の動き具合がツボでしょうがない(小沢健二「流動体について」のあのドレミファソラシド感!!)。ツボということで言うと、サビにはいる直前にティンパニが鳴らされて、高揚感を誘うようなアレンジが施されてるの超好き。「癖のある~」のパートの指のスナップとか、シャッター音とか、いろんな音をこれでもかと詰め込みつつ、重たくないヌケ感があるのもスンゴイなあ。


ORIGINAL LOVE「グッディガール feat.PUNPEE」

ノーナ西寺さんは田島さんを評して「リズムの鬼のような人」といってたけど、ホントにオリジナルラブのリズムが立ってる曲のカッコ良さよ。あと、裏声の歌唱もイイ。PUNPEEの気怠そだけどバッチシカマしちゃう感じのラップもサイッコー。


SEKAI NO OWARI「LOVE SONG」

上半期選出。彼らの楽曲の中では「Death Disco」が大好きなので、この筋の楽曲はどう考えてもストライク。だし、「"Nice people make the world boring"」がパンチラインであることは今年一年で変わらなかったし、その思いは強くなった。歪みの強調されたエフェクトのかかってるベースによる間奏も最高。


私立恵比寿中学「曇天」

上半期選出。歌い出しの真山の「ゆ」だけで、もう最高。全編に渡ってこんなぶっきらぼうな歌唱の曲、これまであったっけ?エビ中の。叙情的な側面での上手さよ。「お願いジーザス」以上に歪んだギターが間奏、サビでガツンと。「ケセラセラ」で少し歌詞に軽みを加えてる所は、やはり吉澤嘉代子の作詞、匠だ。


NONA REEVES「ガリレオ・ガール」

冒頭の「I'm Sorry!」から激烈にポップ。リズムと言葉が上手い具合に絡み合ってるなあ。サビの「だったとして、だったとして」の繰り返しだったり、「は?」「Poor!」っていうのを挟むギミックみたいなのも効果的に機能してる最高なポップソングだ。流石ポップ兄さん、西寺さんやでぇ…!


女王蜂「火炎」

上半期選出。ハットがチキチキやってるのとか、三連符的なフロウ?はつまりトラップ的なノリ?加えて、和風な音を使ったりとか、突き抜ける裏声とかが3分に詰め込まれてて、目紛しいけど、乱雑な感じはなくて、整頓されてる印象。これまであまり女王蜂に関心強くなかったけど、これは看過できないでしょ。しかし、アルバムを配信してなかったのは何だったんだ。結局聴かぬまま年越す。


Billie Eilish「bad guy」

上半期選出。この低音よ!!そしてウィスパーボイス!!音数の少なさと、各パートのフレーズのシンプルさとキャッチーさよ!!どれもこれもがうまく絡み合って、一曲としてこの輝きを生んでいるんだろうなあ。コーチェラでオーディエンスが絶叫して一緒に歌ってたのは驚いた。そういう受容と反応がされてるのね、と。


Enjoy Music Club「東京で考え中」

上半期選出。ハイ好き〜っ!ってな良さ…。歌詞に触れ出したらキリなさそうだけど、俺は同棲してたり何たりを描いた歌詞に「もしもし、運命の人ですか。」と穂村弘の書名を挙げたところにグッときた。3分過ぎのもうどう考えても山下達郎「クリスマスイブ」の間奏踏まえたコーラスワークのパートがメチャに好き。ああー、本当に好きなものがあってよかった!


RIRI「summertime」

上半期選出。メロウでチルな雰囲気を持ちつつも、二回目以降のサビ?(という呼称が適切なのか?)でボーカルチョップが施されてて景色がハッと変えられる。何といえばよいか、「これからのポップスのスタンダードはこれだぞ!」と見せつけられたような気さえした。今夏は何度も聴いた。RIRI、もっと名前売れて欲しいし、ライブも見てみたいなあ。


ドレスコーズ「もろびとほろびて」

上半期選出。涙腺に来るタイプの一曲だった。ドレスコーズがラップするのにも驚きつつ、志磨さんのソロ名義の側面も強いし、どんなのもできるのが魅力だよな。ラストの「ぼくらの暮らすこの街でオリンピックがもうすぐある」という詞は何を訴えてるのか。一体来年はどうなるのか。オリンピックを経て、もろびとほろびそうな(すでにほろびつつあるんだろうけど)。


KIRINJI,YonYon「killer tune kills me」

上半期選出。弓木さんの平熱な歌い回しも好きだし、YonYonの韓国語?と日本語のバイリンガルなラップも効いてるし、音の感じが前アルバムを引き継ぎつつも更新してる感じがする、低体温かつ夜の雨に照らされるネオンサインのようなイメージの一曲。プリンスや井上陽水のキラーチューンを思わせるフレーズが歌詞に出てくるのもニクかった。


東郷清丸「L&V」

芯が無くフワフワしてる真綿のような歌声が、聴けば聴くほど染みてきてしっかり俺のハートを締め上げてた。サビに当る「愛してるぜベイベー」からのパートのリフレインが離れないんだよな。この浮遊感のある音遣いとかもキモだと思うのだけど、弾き語り見た時も同じように良く聞えたので、曲の骨格と言うかメロディとかがしっかりしてるってことなんだろうなあ。


サカナクション「忘れられないの」

上半期選出。メチャメチャ80s。竹内まりや…山下達郎…のバンドの演奏な感じの。いや、それ、メチャクチャ好きなやつ!「千年」「永遠」の韻踏んでるのか踏んでないのか?な歌い回しもイイっすよね。歌メロ以上に演奏の感じに惹きつけられた一曲。


lyrical school「LAST DANCE」

パーティーはいつか終わるし、音はいつか止まるけれども、それでもステキな曲がかかってるこの時間は不器用でも踊り続けよう、そうしなきゃもったいない。しっかりビートは鳴っているけれど少しセンチメンタルな曲の中でそう言われているんだと思った。サビ?フック?が二段階に用意されているのも構造としておもしろい。MVもyuuさんの趣向なのか、映画の色んなシーンを踏まえたもので好き。


NERD MAGNET「COMET」

分厚いギターの音に合わせて、あの頃と君を想いだしている歌詞を叫んでいる切ねえ一曲。「最後に君はなんて言ったっけ?」ってのは、きっと覚えてるんだよなあ。でもそう言う事で、あの時を思い返しているのであって。3分以内に終わる感じも彗星のごとくで好印象だった。


BUMP OF CHICKEN「月虹」

バンプの曲をここに並べることがあろうとは、という感じだけど、この曲はとても好き。いつものバンプのギターロック的な曲かなーと思ったら、フォルクローレ調なギターリフというかギター音でオッと耳が惹かれた。「いつだって舞台の上」という、タイアップがついた「からくりサーカス」としっかり共振している歌詞がラストに据えられているのも良かった。


岡村靖幸さらにライムスター「マクガフィン」

『Me-imi』とからへんの音の詰まり具合と、でも「新時代思想」的な感じで整頓されつつ、打ち込みだけでなくバンドサウンドも、指のスナップとかもといやもー、どーなってんだ。ライムスターのラップもスンバらしい(とくにDさんのパートはハンパない)のだけど、岡村靖幸の歌唱のスムーズさよ。タナソーさん言う所の「デリバリー」の良さが光りまくってる。


米津玄師「海の幽霊」

イヤホンで聞いた時にサビでゴリゴリに唸ってる低音がヤッベえ。いろいろ検索掛けるに、コントラバスによるものらしいけども(最初、ビリーアイリッシュの楽曲のようなベースかと思った)。メロディの目新しさというよりも、こういう音遣いの革新性でビビッとキた。『BOOTLEG』はスゴかったけどさ、くらいの距離感で聴いてたけど、これはホント驚かされたなあ。


山下達郎「RECIPE」

タイアップのドラマの内容に合わせて、料理の名称をふんだんに歌詞に表したラブソング。ある種まっすぐなラブソングで66才にして何ともキュートな歌詞を書くものだなと思ったっけ。打込みを軸にした音作りなのだけど、何だか非常に今っぽくて、おもねるわけじゃなく時代と上手に寄り添う手腕も流石だと思った。


The 1975「People」

まずはそのヘヴィとまでは言えないがハードな音像が、THE NOVEMBERSの今年の曲群とつながるところがあって好きだったのだけど、歌詞の和訳を読むに(聴いて分かる英語力があればなあ)、非常に社会に対して、また我々世代へ「もうなんだかんだ言っても、やらねえとしょうがねえぞ」的なメッセージを送ってるものだと分かってなお好きになった。


THE NOVEMBERS「DOWN TO HEAVEN」

上半期選出。サビでのタイトルの絶叫と爆発が全てな気がする。リズムがなんとなく祭囃子的というか、後期ナンバガをふと思い出したりもするのだけど。いわゆるV系に属していないながらも、そこにくくられる数々のレジェンドと近い雰囲気、佇まいを獲得している数少ないバンドの一つが彼らではないか、と思っていて。狭いライブハウスで響かせた爆音と、ボーカル小林の眉無メイク姿でのシャウトが強烈に脳裏に焼き付いている。


Base Ball Bear「セプテンバー・ステップス」

『Grape EP』のところで書ききったので割愛するけれど、ライブ本編のラストにこれが来るチル的な聞き心地はよかったなあ。アップテンポの曲並べてアゲきって終わり!という形にしないのは、やるなあと思った。


RYUTist「愛のナンバー」

こんなタイトルでありながら、歌詞の内容としては、今は居ない愛のナンバーを歌っていた君のことを思い出してしまってる僕、というさびしさあるもので。アコギをジャカジャカ弾きながら歌うのが似合いそうな(実際作曲した本人がそのように歌ってる動画がある)シンプルな歌なのだけど、だからこそ胸をキュッとさせる魅力に満ちてるよね。


Negicco「I LOVE YOUR LOVE」

サビでのメロディもだし「君の瞳はフランキーヴァリばり」て所からも分かる通り、「Can't Take My Eyes Off You」を下地にしてるノーナ印なポップアニキ西寺郷太の手腕冴え渡ってる一曲。フランキーヴァリの名を出しつつ、Boys Town Gang ver. なディスコサウンドで。「We Should Be Lucky」て、Kylie Minogue「I should be so lucky」なフレーズあるし、運命は気まぐれディスコティークだしなぁ。とにかくパーティを続けよう!Keep Going On!


キンモクセイ「セレモニー」

風通しの良いミドルテンポの伸びやかな歌声際立つ良いポップスで何だかついつい聴いちゃう感じある。サビの裏になってるスライドギター?も印象残るなぁ。「デッデッデー」っていうリズムを基調としてサビまで進んで行く感じ、山下達郎(は「デッデッツデーデー」だけど)とかいったジャパニーズポップス感あって好きなんよねえ。


POLYSICS「Imitation,Strobe」

イントロのギターカッティングから大好きなのだけど、こういうアゲに傾いてないPOLYSICSのクールなタイプの曲好き。ホントそこに尽きる一曲。一昨年も「Shut Up Baby」というアルバム曲が超好きだったし、彼らのアルバム曲に俺の好きな感じのが潜んでるのかも。


Official髭男dism「Rowan」

ヒゲダンといえば世間的には「Pretender」だと思うし、俺も好きだけど、アルバム聴いててこの曲流れてきたときの衝撃を尊重したい。星野源の「Pop Virus」とかああいった感じのノリで最高。セルフプロデュースでこういう編曲をできるてのはやはり新世代感あるような。


indigo la End「ラッパーの涙」

「ラッパーが涙を流すようなリリックが欲しい」って強いフレーズだな、と。ラップの存在と言うのはバンド/ロックの大きな対抗軸の一つとして現代に存在しており、そこを超えていかねばという意識が現れているんだろうか。ラップパートが入っているけれど川谷絵音は上手くラップもこなすよなあ。indigo la Endの得意な切なさも非常に機能している。


MONO NO AWARE「かむかもしかもにどもかも!」

奇妙に器用なバンドだなという印象があったのだけど、これは超奇妙かつ「みんなのうた」として子供たちに親しまれる人懐っこさのあるリズム感のある曲で。早口言葉というものはこんなポップソングにもなるんだなあ。


星野源「Same Thing(feat. Superorganism)」

まず冒頭のペアリング音が入ってるところで面白すぎる。柴さんが星野源の曲やらアニソンに関して「過圧縮」というワードを用いていたけど、音の情報量的には「過圧縮」な側面があるな~と思いつつ。「クソ喰らえと愛してるが同じ意味~」的な歌詞もムチャ好きだし、「wabi sabi make it messy」がサイコー過ぎる。オロノに「karaoke」と歌わせてるのもメタ的に見ると多層的な意味があるの?と考えさせられた。


桜エビ~ず「それは月曜日の9時のように」

もうなんというか、「ああー、イイ曲だな!最高なアイドルポップス!」と思わずにいられなかった一曲。ONIGAWARA超イイ曲を提供してくれた…!タイトルの通り二人の恋というものを月9のドラマのように、という内容を基調としつつも、ラストのサビでは「月曜日でも日曜日でも関係ない君に会いたい」「この物語フィクションじゃない」と旧来の価値観を超えていこうとするパワーもあって素敵。


その他の曲も含め、このプレイリストにまとめたとさ。


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