パラレルキャリア -UNLEARNING-
営業人材開発部に異動し何か面白いコト、いや何かではなくイメージコンサルティングを絡めた新しい楽しいコトをやってやるぞ~!と思っていた私。
そんな私が始めたコトの一つが、全く社内サイトっぽく無いWEBマガジンの創刊だった。
どうもそれまでの人材開発関連サイトは、情報量がやたら多く内容も堅く、中々読み進めようと思われないモノばかりというのが私の認識で、恐らく多くの営業が同じように感じていたはず。これじゃ欲しい情報にたどり着くのも難しかろう。。そこで、ちょっと役立つ情報を柔らかい表現と綺麗な画像で提供出来ないだろうか・・と企画を考えた。部内で編集部員を募集し、コンセプトやテーマカテゴリなどをWEB制作会社に持ち込んだところ “イイね!” “是非やりましょう!” と凄く共感して貰い、チームが誕生した。
打合せを重ね、最終的に決まったカテゴリはこれ。
FOR SALES ➮ 営業人材向け情報
FOR STAFF ➮ スタッフ人材向け情報
FOR YOURSELF ➮ 人間力と言われるような情報
APPEARANCE ➮ 外見、身嗜み・印象に関する情報 ☜これこれ!
LOUNGE ➮ 現場含めた情報交換の場的な・・
編集部員それぞれが好きな得意なカテゴリで記事を書き、制作チームが画像選択やWEBデザインをし、皆が楽しんで編集会議に参加した。私はなんちゃって編集長という立場だったが、この時に感じた、誰一人として “やらされ感” で仕事をしていないという実感・・これはホントに良かった。
創刊に向け準備を進める中、悩んだのがこのマガジンのネーミングだ。
何か大人の学びを表すキャッチーな言葉はないか!・・と色々検索をして見つけたのが、“Unlearn” “Unlearning”という言葉。おっ!なんかイイ!!
Unlearningを “学びほぐし” と訳したのは、哲学者の鶴見俊輔氏だそう。
氏がハーバード大学に在学中、ヘレンケラーが来訪された際、ここの学生だと名乗った氏に対し、彼女がこう話されたそうです。「私はその隣のラドクリフという大学でとても沢山のことを学んだ。だが、その沢山のことをunlearnしなくてはならなかった。」
I've learned many things. But later I had to unlearn.
Unlearnという言葉を初めて聞き、最初は意味が分からなかったものの、だんだんと理解できるようになったそうだ。型通りにセーターを編み、ほどいて元の毛糸に戻して自分の体に合わせて編みなおすという情景が想像された、と氏は語っている。
“学習棄却” と訳すこともあるそうだが、単純に学んだことを忘れるということではなく、学んだ知識を一旦その厳密性から解き放ち、日常で使える知恵に変えるということ。
理論を実践に適用できるように “学びほぐす” ことが、現実の世界では必要。これを受け、ある人材開発会社の代表は、learn “学び” を Unlearn “学びほぐし” ていくプロセスを、以下のように整理している。
- 知識として理解する
- 他人に説明出来る
- 実践活動に適用出来る
- 自分の経験を通じて解釈し直す
- 自分の経験に基づく言葉で語ることが出来る
最終的には、自分の言葉、すなわち血肉化しているかが重要であると。
こんなことを読者に伝えるため、創刊にあたっては次のように投げかけた。
“学び” とは、自ら “こうありたい” 自分になること。(東大名誉教授 佐伯胖氏)
“学びほぐし” = Unlearning とは、一度学んだことを解きほぐし、再度自分なりに解釈し直すことで、実践に適用出来るよう、血肉にしていくこと。(訳:哲学者 鶴見俊輔氏)
大人の “学び” は与えられるものでなく、自ら望んで獲得することこそが、その醍醐味と言えるでしょう。そんな “学び“ と ”学びほぐし“ のヒントを、このWEBマガジンから発信して行きたい、と考えています。
そうして2016年8月、UNLEARNING WEBは創刊された。
やりたい!と思っていたことが実現できたこと、そしてそこに関わってくれた人が口を揃えて「印象深い仕事だ」と言ってくれたことはとても嬉しかったし、勿論自分にとっても凄く思い入れのある仕事になった。
会社のコアからは遠く離れる一方だとしても。。(^^;
この情報発信をキッカケにし、私は少しずつイメージコンサルティングを会社に持ち込むようになった。
Unlearnという言葉は今でも好きな言葉だ。と同時に、Unlearnすることはとても難しいと常に感じている。学んだら学びっぱなし!はダメなのだ!!
皆さんはどうですか?