平和の聖母マリア
Santa maria della pace
平和の女王
パーチェ(Pace)とは、イタリア語で"平和"を意味する。
イタリアでミサの最後に信者たちが「パーチェ」と言いながら近くの人たちと握手をする。その時の「パーチェ」とは、平和のほかに、魂の平安、平穏の意味がある。
"平和の聖母マリア"と呼ばれる大理石像が、ローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂にある。
1918年、第一次世界大戦の悲惨な大虐殺を終わらせるため、教皇ベネディクト十五世が聖母マリアに戦争の終結を祈願する際に造られ、大聖堂の左側廊に顕示された。
彫刻家グイド・ガッリが制作した平和の聖母子像は、ローマの大祭日でもある「雪の聖母マリアの日」の前日に公開された。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、4世紀の8月5日、暑い盛りに雪が降ったといわれる地に建てられた。
聖母マリアは左手を挙げて戦争の終結を命じ、右手で聖母の膝の上に立つ幼子イエスを支えている。
幼子イエスは平和のシンボルであるオリーブの枝を、地上に落とそうとしている。戦争を憂慮してか、聖母マリアの容貌は悲しげだ。
2022年の聖母マリアの月(5月)末日、教皇フランチェスコが平和の聖母子像の前で、ロザリオの祈りを献げた。
聖歌隊が歌う聖歌「Ave Maria De Lourdes(邦題:あめのきさき)」の清らかな声が響く中、教皇より白い薔薇の献花があった。
最後にウクライナの信者たちと共にウクライナに平和が訪れるよう聖母子像に平和の祈り捧げた。