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色鮮やかな光の中で祈る
フランス中央部ブルゴーニュ地方のブールジュBourgesの聖エティエンヌ(羅語ステファヌス)大聖堂cathédrale Saint-Étienne は色とりどりの光が差し込むステンドグラスで知られる。13世紀に築かれたゴティック建築の傑作でもある。ユネスコの世界遺産に1992年に「ブールジュ大聖堂」また同時に「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路」の一部として登録されている。
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ブールジュの大聖堂は11世紀に築かれたロマネスク様式の大聖堂の上に、1195年から新しい大聖堂の建設が計画され、1324年にほぼ完成した時に祝聖された。当時のフランス王国の版図は、ブールジュが南端で1100年からブールジュが王都であった。フランス南部はまだ王国に併合されておらず、南西部のアキテーヌ地方をイギリスが占領していた。ブルージュ大司教はアキテーヌ地方の司教座を管轄していたことからブールジュに立派な大伽藍を築く必要性があった。時あたかも巡礼の時代。13世紀初めのブールジュの大司教が帰天後、早々と列福、列聖されたこともあり、多くの巡礼者がブールジュを訪れ多額の浄財が寄付された。
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ブルージュはフランスに着いて初めての遠出で訪れた町なのでことのほか印象深い。現在は旧市街の外れになっているが狭い小路を通リ抜け古い家並みの間から突然重々しい大聖堂が現れた時には感動した。
大聖堂の正面、ファサードを飾る彫刻群もステンドグラスと共にゴシック美術の傑作として評価が高い。
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ブルージュの大聖堂のステンドグラスは主に13世紀に造られたが、16世紀まで継続的にステンドグラスが造られているために、ステンドグラス芸術の推移が分かる。ステンドグラスは主に後陣の礼拝堂、回廊などの窓を飾っている。
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イエスの十二使徒の一人聖トーマスは石工であったことから、建築関連の守護聖人で大聖堂の後陣の回廊の窓のモチーフに選ばれている。
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コパン礼拝堂chapelle Coppinの窓を飾るステンドグラスは16世紀初頭に造られた。礼拝堂のステンドグラスのテーマに聖ステファヌス(エティエンヌ)が選ばれている。聖ステファヌスは助祭で初期教会のキリスト教徒最初の殉教者で石打ちの刑に処された。ヨーロッパでは聖ステファヌスの墓が発見された5世紀初頭から篤い崇敬を受けた聖人。ことにフランス各地で大聖堂建築が始まった12世紀頃からフランスで好まれた聖人で、フランスにはサンティエンヌ(聖ステファヌス)という名前の市町村が72ある。