断片:金融りてらしー?
この記事は例によって上記記事へのコメント...ではなくて、コメント欄でのやり取りに対してのコメントになります(笑)。な、なにをやっているのかわからねえ...と思いますが、早い話長くなるので別記事にしたという話。興味のある方はコメント欄も含めてお読みください。
株式投資というと「なんだかよくわからない。怖い」という印象を持つ人、「損をすることもあるのに儲かると人は言う。どういうことだ?」という印象を持つ人は多いと思います。それは結局株式投資とは何か、そもそも株とは何かを知らないから生じる疑問や不安なのではないか。ではとりあえずそれから知ってもらおう、という意図を持って本記事を書きました。私も勉強中の身なので拙い部分はあるかと思いますが、おつきあいください。
基本中の基本である株とはなにかからいきましょうか。
株を買う、株式に投資をするという行為の本質は「企業のオーナーになる」ということです。より正確には「企業を起こそう、経営をしようとしている人に対してお金を預けてそれに協力する。その見返りとして経営がうまく行ったときに利益を還元してもらう」という行為。お金に働いてもらう、という表現が用いられることが多いんですが、早い話、自分で働く代わりにお金儲けが得意そうな人に代わって働いてもらう、ということです。株券というのは「私はあなたに○○円預けました。その見返りとして、あなたは経営がうまく行ったときに○○円還元してください」という証文です。証書という言い方もしますよね。
儲かる、損をする、という話はまずここからはじまります。お金儲けが得意そうな人といっても人間ですから「常に一定の利益をあげられるとは限らない」わけです。野球選手の打率何割、と同じでコンスタントに利益を出せるわけではない。ある程度の時間での増減を見て「最終的にプラスになったから儲かった/残念ながら最終的にはマイナスになってしまった」となる。とはいえ、一定以上の規模を持つ企業体とその経営者であれば概ね利益を出せる判断を下せる、お金儲けが得意なわけですから、そこにお金を預けることが合理的と言えます。株式投資の基本はまずここ。
ただ、考え違いをしないで欲しいのは大企業だから必ず大丈夫とは言えない、ということです。具体例としては東芝という企業がありますが、あの会社は原発から民生用の電気製品まで幅広く事業を展開していて、そもそもインフラである原発に関わっていたことから「滅多なことでは潰れない/経営が安定している」と考えられて、いわゆる鉄板と呼ばれる安心・安全な投資先とみなされていた。しかしその原発事業で大失敗をして、おまけにそれを隠蔽しようとか色々とやらかして結局今では分割も検討されている企業となってしまった。株式投資した人は損をしたわけです。株式投資に絶対は無い。そういう意味では「株式投資は怖い」という不安にも一定の理があるとは言えましょう。まあ、何事にもゼロリスクなんてことはありえないわけですが。
さて、ここからは若干リスキーな話になります。株式投資の悲喜こもごもの基本の話。
お金儲けが得意そうな企業の株券、将来的に儲かりそうな株券は、当然誰もが欲しいわけですよ。お金を投入すればそれに比例して儲かるならお金は幾らあってもいいわけですが、現実はそんなことはない。必要とされる預けられたお金=資本は必要十分な量あれば良いわけです。株券というのはその必要量を超えることは無い(正確には、経営が安定しているなら、という注がつきます)。株式は有限。となると、将来的に儲かりそうだと見做される株券なら多少本来の価格よりも高くても誰もが欲しがるわけです。額面100円の株式を130円で購入しても将来的に180円で売れるなら、差し引き50円の儲けになる。このプロセスが一般的な「株式投資」のイメージなんじゃないでしょうか。
とはいえ、儲かるか儲からないか、利益が出るか否かは時の運です。コロナ禍以前の観光地はインバウンドだなんだと外国人観光客の到来で利益が鰻登りでしたが現状はどうか。逆に、テレワーク普及以前のパソコン等電子機器一般は高い成長はしていませんでしたが、日本はともかく、現状では世界的には引っ張りだこなわけです。未来は見えない。観光地に投資していた人は損をして、パソコンに投資していた人は儲かった。これが株式投資の旨味であり怖いところです。
株式投資がある種の賭けになるというのはこの「その経営者が利益を出せる人達か否か」という面と「経営環境が順調に推移するか否か」という面の二つに集約されると言えるでしょう。逆に言えば、経営者を見極め、状況の推移を適切に見極められるというなら、株式投資で利益を出そうとする行為には一定の合理性があるわけです。と言いますか、投資家と呼ばれる人達はそれをやっているわけで。こういう人達は一定の損をリスクとして引き受ける代わりにトータルでの利益を得ているわけです。これが「損をすることもあるけど儲かる」という話に通じる。
まあ「そんな難しいことは私達には無理だ」と思う人も多いわけで。実際そういう人達のために投資を代行する業者、投資信託という仕事もあります。世の中良くできていますね(笑)。ある程度の大きなお金を動かせる人なら、こちらを選択するほうが合理的でしょう。
いかがでしたでしょうか。ご理解いただけたでしょうか...
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